貸し出された腕輪
本日、騎士たちとの訓練を終えた召喚者達は明日からのダンジョンでの実地訓練を前に個々に腕輪を貸し出された。
全体は銀加工され、処々に金で装飾、そして色とりどりの魔石が嵌め込まれていた。
王室からのお墨付きとなり身分証明書代わりとなっており、町への出入りでも貴族扱いを受けるためスムーズに事が進んでいく。また、簡単な空間魔法が施されている為の、軽い容量の収納も可能となっている。
勿論、召喚者個々に識別され支給される為、セキュリティも万全となっている。
女子には、装飾品として受け止められ、尚且つ利便性が高いとして召喚者間では高評価アイテムと捉えられている。
ダンジョンでの実施訓練も無事に終えた彼らは、個人もしくは仲間で魔王を討伐の為の、経験値獲得として全国に散らばった。
王宮最奥では、人々がモニターを見詰めて記録をしていた。
「おいおい、A召喚グループは、今日も宿に入りっぱなしかよ。今日で3日目だぜ。奴等やる気有るのか?」
「宿屋なら良いほうだ。召喚者Tは、朝から色町通いだからなぁ、ハァ-・・・ため息が出るよ。」
「こちらの召喚グループKは、優秀だぞ。ギルドからの情報では、順調にレベルが上がっているらしい。魔王討伐の最有力候補だ。加点物だ。」
「・・・・・。」
腕輪に仕込まれた発信器により、召喚者個々の行動が記録され、加点・減点に依って、魔王討伐の後の授爵が、査定されていた。
そして、最大の結果と加点された人を【勇者】と人々は呼び讃えた事は、言うまでも無い事である。