王の決断
王国は、魔王軍の攻勢で各地に多大な被害を被っていた。
王国民は、王に勇者の召喚を願っている。
王は悩んでいた。
「宰相よ、もし勇者を召喚して、魔王軍に勝てるか?」
「王様。心配するのはごもっともですが、過去の歴史には【魔王を破った】との記載も見受けられます。」
「だがな、成功例よりも失敗例の方が多くてな、そして失敗した時は、必ず国は滅びておる。躊躇うは、当たり前だと思うがな。まして、召喚には、神の許可そして多額の資金と魔力が必要だからな。」
「確かにその通りですが、我が軍を見ても魔王軍に勝てるとは思えません。新たなる戦力の補強は急務と考えます。」
「確かにその通りだ。・・・もう暫く考えてみるか。」
王は寝室に入り、ベットで考えながら寝てしまった。
夢の中に、全身を黒衣装で纏い、深めに帽子を被った妙な男が呟いた。
「お初に、御目に掛かります。【勇者斡旋紹介所】のセールスとなります。明日に御伺い致します。その際は、宜しくお願い致します。」
その朝、目覚めた王は昨夜の変な夢?が頭の片隅にこびりついた様な、落ち着かないままで職務に着いた。
昼を回った頃、王の元に隣国の王の紹介状を携えた男が通された。
黒服の男。昨晩の夢の中の男が、慇懃な挨拶で王の前に立ち、【勇者斡旋紹介所】の名刺を渡し、
「お眼鏡の適った勇者を紹介致しますが、ご用命は御座いませんでしょうか。」
「神の許可が必要では無いのか?」
「ハイ。私どもは、【大教会】の方からやって参りました。」
「少し胡散臭いが、話だけでもと聞いてみた。」
男は、聞く姿勢と捉えて
「勇者は、今は各国共に大変にご好評で、各コースから、選ぶことが可能となっております。」
「ほう。各コースとな。見せてくれぬか?」
「ハイ。四つのコースに分かれてまして、
・勇者コース
単独の勇者召喚。更にAとBの2コース有り。
Aは、ベテランコース
能力やスキル共に申し分無く、各実績多数有り。
召喚費用、金貨10000枚
Bは、初心者コース
高い潜在能力を秘めており、教育及び訓練に依っては、様々な成長が期待出来る。
召喚費用、金貨2000枚
・パーティーコース
勇者、聖女、剣聖、賢者の4人
能力やスキル共に職業に合った能力値を有しており、バランスの取れた構成。
オプションでタンク、シーフ等ご希望に沿った人材を保有しております。
召喚費用、金貨2500枚(1人辺りの費用となります。)(オプションは別途相談)
・シンプルコース
勇者、神官(巫女)、剣士、魔法使い、タンク、シーフ
高い潜在能力有り。教育及び訓練での成長大。
召喚費用、金貨1000枚(1人辺りの費用となります。)
・ランダムコース
ランダムの勇者召喚。更にAとBの2コース有り。
Aは、単独コース
単独の勇者召喚。能力やスキル共に未解析。
当たり外れが有りますが、研磨前のダイヤの原石が見つかるかも知れません。
召喚費用、金貨100枚
Bは、複数者コース
複数の勇者候補を召喚。能力やスキル共に未解析。教育及び訓練に依っては、様々な成長が期待出来る。また、複数の人数の為、中には聖女、賢者等に進化する可能性も過去には事例が有ります。
召喚費用、金貨3000枚
(一回の召喚魔法で巻き込まれる人々は未知数)
如何でしょうか。
王と宰相は悩んだ。どのコースを選ぼうかと。
・・・そして決断した。
後は各ラノベ小説で記されております。
どの王が、どのコースを選んで結果は・・・。




