神々の気まぐれ 29「女神様の気まぐれ」
「は~ぁ。退屈ね。」
長い魔王と勇者の戦いは終わりを告げて、世界は平和となった。
それと同時に女神様の日常も平和と退屈?となった。
あの戦いの日々は、女神様を中心に天使迄もが、神界テレビでの中継に釘付けとなっていた。・・・・いや!楽しみだった。
しかし、あの憎たらしい魔王の断末魔を最後に退屈の日々が待ち構えていた。・・・【不謹慎ですよ。】との声が遠くで聞こえる。・・いいえ、幻聴ですから。
そして、勇者様も故郷の異世界に旅立たれました。
そして、この世界は、幸せな日々が続いています。【いいえ、退屈な日々です。】
女神様も何時もの様に、大きなアクビ・・あれ?
生き生きした表情ですね?
先日の急用から帰ってからは、何故かご機嫌なのです。なぜでしょうか?
「うふふふ。楽しみね。早く来ないかしら。」
女神様は、思い出し笑いが多くなりました。
そして、その日は突如にやって来た。
「ワハハ。此処が新しい世界か。突然の訪問セールスには驚いたが、話通りの世界だ。オウオウ、あの孤島が【魔王城】か、良い処では無いか。
しかし、別世界でくすぶっていた元魔王の俺に降って湧いた好条件の話に乗って正解だったな。さてと以前の部下を呼び寄せてこの世界を我が物にしてやるぞ!」
と何かの物騒な男が来た模様です。
物陰で呟く人影は、「後は、勇者を召喚すればOKだな。・・・しかし、わざわざ多次元から魔王を呼んでまで、あの女神様は、何を考えているのか。まぁ。俺たちは契約通りに働くだけだからな。」
きっと、新しいワクワクに胸を弾ませる女神様の心中は、誰も理解出来ない事だろう。




