神々の気まぐれ 28「ゲーム」
瀕死のドラゴンを男は切り付けた。
ギャー
ドラゴンは尻尾を男を目掛けて振り落とす。
バシン
男は、咄嗟に避けたが左肩に当たり、だいぶHPが削られた。
「まずは、ポーションで回復してから、再び切り裂いてやる。」
男は肩を庇いながら、バックよりポーションを取りだそうする。が・・・。
「なぜだ?」
身体が勝手に動き、剣を構えてドラゴンの頭に斬りかかる。
ドラゴンの待ち構えている前に、男が飛び出した形になってしまった。
ドラゴンの口から炎のブレス・・・。
「あーぁ。殺られちゃった。」
「だから、言ったのよ。1度回復してから斬り掛かればって。言うことを聞かないで、直ぐに攻撃したがるんだから。」
「だって。だって、斬りかかる方がカッコいいだもん。」
「でも、死んだらどうしょうも無いでしょ。
また、一から勇者を育てなければならないでしょ。ホントにモォ・・・。」
「何時までもゲームばかりして無いの。早く寝なさい。」
「ほーら。怒られた。お姉ちゃんが悪いんだ。」
「悪いのは、あなたでしょ!」
「ケンカしないで、早く寝なさい。」
「ハーイ。」
勇者は、無謀な操作により、命を絶たれた。
きっと、明日は新しい勇者の冒険が始まる事だろう。




