勇者と冒険➀「抽選券」
街にネオンが灯る頃、男は残業で疲れた体を引き摺って家路へと重い足を引き摺りながら歩いていく。
男の名は、【松田アキラ】ブラック企業に勤める運の無い男。
今日も、仕事を押し付けられて、12時前に解放のされたばかりだった、
表通りを路地に曲がり、見慣れた薄暗い裏道を歩くと、ふと気になった古い店先に微かに灯る明かり。
「この店、やってたんだ。でも、何の店?」
何故か気になり、無意識にノブを回し、ドアを開ける。
「カラン」とドアに付いた鐘が鳴る。
「しまった!」
直ぐに締める訳も行かず、店内を足を踏み込み辺りを見回す。
アンティークな家具や小物に囲まれた中に、似つかわしく無い、剣や弓矢が壁に飾られている。
「何かヤバそうな店!」
急いで店から出ようとすると奥から、女性の声が、男を引き留めた。
男は、ばつが悪そうにすかさずに周りの中から物をよく見ずに手に取り、女性へ「幾らですか?」と尋ねた。
女性は、微かな笑みを浮かべて「2000円です」と応えると、男は、ホッとした雰囲気で払い、包まれた物を手に取り、店を出ようとすると女性は、「こちらもどうぞ」と2枚のチケットらしい物を手渡すと、「ありがとうございました。お気を付けて」と微笑みを浮かべて、男を見送る。
店を出ると男は、大きく安堵のため息を付いてから、家路を急いだ。
真っ暗なアパートの一室、男は夕食の後に、先ほどの買った包み紙を破り、中を見て驚いた。
無意識の内に男は、さや付きの小剣を手にしてかったらしい。
驚きながら、さやから小剣を抜くと、ギラリと光る刃先に唾を飲み込み、
「こんな物騒な物、どうしよう?」
何処かに隠さねばと部屋を眺め、一応ベットの下に押し込む。まるで、エロ本を隠す高校生の気分だなと自己嫌悪。
続いて、最後に貰った2枚のチケットを手に取り表面の文字を読む
【抽選券。○月△日ネットで当選番号を発表。】
「○月△日?・・あ! 今日だ!。後で見てみるか。」
「もう一枚は、何々、【優待券、このチケット提示で優先かつ優待いたします】・・・?何を優待してくれるの? 謎のままだ。」
まぁ、抽選券の発表を見るかと、券のバーコードからネットに繋ぐ。
ネットに映し出された、抽選番号に男は驚愕し喜んだ。
「当たった!あたった!・・・俺にもやっと運が回って来た!」
喜ぶ男を尻目にと夜は更けていく。