最悪の召喚者 ②
一人の男が召喚された。
宰相は彼に脅迫での承諾を求めるが、彼のスキルにより、室内の騎士兵士が倒れ伏す。
驚く宰相は、外の軍隊に彼の捕獲指示を送るが・・・。
外の軍隊に召喚者の捕獲を指示をすべく送られた従者は、外で倒れ伏す軍隊を目の当たりにして、驚きを隠せなかった。
倒れた軍隊の中で、ただ一人立っていた王を伴い、宰相に報告をする。
唖然とする宰相を見据えて、彼はからかいを込めながら
「先程の強気な言動。どうなったのかな?」
彼の挑発的なからかいに、宰相は返す言葉も無かった。
なおも、
「俺の酔っぱらい眠ったの隙に、
こんな所に呼びつけやがって、
勝手に魔王を倒せだの喚き散らす。
不愉快そのものなんだよ。
こんな弱い奴らをどうしようかな?」
宰相は、
「魔王が弱いですと?」と聞き返す。
「魔王?・・・チョツト待ってな。」
彼は面倒臭い様に答えながら、索敵スキルに魔力を込めて、索敵範囲を大幅に広げた。
暫く後に、
「大きめな魔力を見っけた。」
と呟き、更に魔力に言葉を込めて魔王に語りかける。
「お前が、魔王と言う奴か?」
魔城に居る魔王に突然の声。
しかし、戸惑う事なく、
「確かに魔王と呼ばれている。」
と落ち着いた表情で答え、
「貴方は誰ですかな?」
と聞き返した。
「俺か。俺は此処の王国のバカ野郎どもに召喚された男だ。
卒直に言おう。俺の軍門に降れ。」
彼はおもむろに返した。
魔王は、
「何をバカな事を話される。
見も知らずの方に、何故降伏しなければ
いけないのですか。」
彼は、
「確かに急にそんな事を言われても、
困ってしまうよな。」
と答えると、彼の索敵スキルに何かが引っ掛かる。
やや強い魔力が集団で迫り来る。
「魔王よ。何が来たようだ、俺の力の一端を見せてやるさ。良くみてな。」
と言い、迫り来る集団に魔法を送ると
一瞬にして、集団の魔力が消えた。
「魔王よ。弱っちいな、もう少し張り合いの有る奴はいないのか。」
突然の出来事で声も出ない魔王。
彼は、索敵スキルを広げて、やや強い魔力3点を声を送る。
「お前達はどうしたい。返答次第では、苦しまずに送ってやるぜ。」
彼の脅しは本気と取った魔王は、彼に降伏した。
少しの時間を経て、3点の魔力も降伏した。
彼と魔王とのやり取りを聞いていた王と宰相に向かい、
「魔王は降伏した。
お前達は、どうして欲しい。」
と微笑みながら尋ねる。