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勇者の日課
「あぁ・・・退屈だ!。」
勇者として召喚された男は、魔王軍を死闘で打ち破り、魔城に魔王を追い込み、そして倒した。
その功績は、高く評価され、侯爵として受爵した。
領地運営は、宰相より与えられた文官で上手く回している事から、男は、時より行われる晩餐会に【顔】としての招待と魔物退治か狩猟位しか、必要とされていない。
日々は、退屈でつまらない1日を送っている。
魔王討伐で使用した、武器・防具類は過剰すぎて、今では使わなくなり、倉庫でホコリを被っている。
時より昔のパーティーメンバーが訪ねて来るが、
お互いが肥えてきた・・・決して言えない事だが。
王からは、【非常時には必ず駆け寄ってくれ】との命令は受けているが、その非常時の気配すら無い。
【俺たちが必要とされる日が来ない事が、一番大事な事だ】とわかっている。
今日も、そして未来もそんな日が来ないことを女神様に祈る。