ある召喚の変更
「ここは、何処なんだ?」
ふと、目が覚めると目に映る天井が無い。と言うか真っ白で訳がわからない。
体を置き上げて周りを見渡す。
真っ白な部屋?と言うか空間?
ここは、何処なんだ?。
何故、此処に俺が居るんだ?
疑問符が頭を過る。
昨夜の行動を思い浮かべる。
昨夜は、仕事が珍しく早く終わり・・あぁ!帰りに定食屋に寄って、生をがぶ飲み。ぶはぁ!旨かったな。
いやいや、大ジョッキで五杯までは、記憶に有る・・かな?
その後は、人と話した様な・・感じがする?
そこで何かのペンで書いた・・・俺!何を書いたんだっけ? ・・・思い出せない?。
もしや、借用書?借金の保証人?
やばくないか。
額に冷たい汗が流れ落ちる。
いやいや、大丈夫だ。と自分に言い聞かせるが、
記憶もアヤフヤだから、心は不安でいっぱいだ。
「大丈夫だよ。借用書では無いから。」と突然の声。
俺は声の方向に顔を向ける。
そこには、微笑む美女の姿が目に入る。
「私は、貴方方で言う【神】と言われる存在です。但し、地球では無く、異世界ですけどね。」
「神様?・・・俺に何の用が有るのですか?」
俺の頭は、突然の事で反応が出来ないらしい。
「貴方は、私の世界と契約したのです。」
「契約?何の事?」
「以前は、召喚で一方的に呼び入れていましたが、神々の間では 大変に評判が悪く、排斥の運動が活発に成り始めた為、神々の間で、相手の承諾を受けて契約を結ぶ事となりました。昨晩は、貴方様は、心良く承諾されて、現在は天界の私の部屋に居る訳です。」
と一方的に話を進めている。
理解し付いて行けない俺を見て、更に畳み掛ける。
「契約金は、最早 地球の神に渡しました。
貴方様には、充分なスキルと高い能力値そして溢れる魔力が与えられます。
しかも、剣技や魔法等の取得まで、存分にアフターケアーを用意しております。なお、地球と此処とでは、時間の流れが違う為、日常は、地球で過ごして頂き、週末を此方での訓練と考えて、おります。」
捲し立てる女神に、怒る事も忘れて頷くのみ。
ただ、ラノベ小説の様に地球に帰れる分だけ、娯楽と食事には、困る事は無さそうだと安堵する俺がいた。
「女神様よ。俺の仕事は?また、お金はどうなるんだ?」
「地球での仕事は、有りません。退職の形にして有ります。ただし、お金は此方から地球の神様を通してお渡し致します。
ご心配無く。」
「はぁ。」前職のブラックをしなくても良いとの安堵感と、生活に心配要らないとのことで、少し間抜けな声が出てしまった。
気持ちが落ち着いてきている様だ。
何故か前向きな気分になって来ている。
何故かやって行けそうな気がする。
契約社員は、初めてだが頑張ってみるか。
新しい職場で・・・。