209/292

新しい世界

魔王が倒れて長い年月が流れている。

人族を含めた皆が、平和を謳歌している。

魔物たちは活力を失い、なおかつ無謀で計画性の無い争いが各地で行われ、多くの血が流れていた。

ダンジョンの主たちも冒険者との勝闘の中でも密かに待ち望んでいる。

新たな王の誕生を・・・密かに。

しかし、待ち望んでいるが長い停滞の時間だけが無情にも流れて行き、それが何時しか諦めへと変化する事に気が付かない。

ある日、突然に変化が生まれた。

それは、魔草たちの噂ばなしから始まり、ざわめきと共に国を越え、世界に広がって行った。

そして、各地の王たちを含めて、女神様まで拡張されて広まった。

【魔王が生まれた】から【大魔王が立ち上がった】と噂が誇張に変わり、真実として受け止められるに時間はいらない。

ウワサが静かに誇張を恐怖心へと変えていった。

その時、世界が変わった。