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命の厚み ➅

神より与えられたスキル【重厚】。

男は冒険者として活躍を夢見た。

初めての薬草採取で魔物ウルフに狙われたが、傷付くこと無く倒してしまう。

角ウサギ、ゴブリン、オークの攻撃に傷付かない事から、自分が無敵と少し確信した。



オークを倒した男は、次のターゲットをオーガに決めた。


流石に、中級冒険者では、オーガの依頼は無理だろう。

そこで、他の依頼中に遭遇したとの設定の上でオーガと戦う事に決める。

早速、オークの依頼を受けて森へと向かった。


オークはすんなりと倒すことが出来て、倒したオークを囮にオーガが来るのを待つ。


度々、ゴブリンやコボルトが囮を掠め取ろうとやって来るが、その度に倒していくと、周囲が血の臭いで濃密になって来るのが自分でもわかってきた。


何れだけ時間が過ぎた事だろう。


遠くから強者の気配がビンビンと感じられた。

徐々に近か付く気配に、恐怖で身体が動かない。


等々、待ち望んでいたオーガがやって来た。

身長3mを越えており、筋骨隆々とはこの事かと納得する程の体格だ。


オーガは、囮のオークを貪る様に食い始めた。

男は静かに、背後に回る為に行動を開始したいが、やはり、恐怖心が行動を妨げる。


何とか背後に回ることが出来き、剣をオーガの背中を目掛けて突き刺す。

しかし、オーガの厚い筋肉の壁に阻まれ、軽い傷を付けただけとなる。

怒るオーガは、振り向き様に太い腕を振り回す。

咄嗟に防御に入るが、はね飛ばされた。


体中に軽い衝撃が感じられた。これは、初めての事。

しかし、傷付いた痛みは無い。オーガでも無敵である事を願いながら立ち上がる。


今の俺は、確かに恐怖心が有るが、オーガすら俺を傷付ける事ができないとの、安心感から従来の動きを取り戻す事が出来た。


何度もオーガの攻撃を受け、はね飛ばされては立ち上がり、地に伏しては立ち上がる男。


次第にオーガは、この奇妙な男を恐れて後退りし始めた。


男は、隙を付いては剣で刺し、目に目潰しを投げ、足の腱を狙い、喉を目をと少しづつダメージを与えて、オーガが弱る事を待った。

度重なる出血で朦朧とするオーガは、等々、その巨体を沈めた。


やっと倒した男は、早速にオーガを解体して、ギルドに向かった。勿論依頼のオークも忘れてはいない。


ギルドでは驚かれたが追求もなく、すんなりと換金された。

さすが、オーガとなると大金となるんだと納得する。


その夜はホテルの部屋でステータス画面を映しだして、体の確認を行う。

あれ程オーガの攻撃を受けた事から、体のダメージを確認する為だ、


案の定、大幅にレベルが上昇している。

それに伴って、各能力も上がっていた。

身体的にダメージの確認は無さそうだ。

問題なし。とステータス画面を閉じた所、意識の片隅に異常を見つけた。

以前は【2000】の数字が、【1990】と10減っている。


オーク以前の魔物との戦いでは、ダメージは愚か、衝撃すら感じる事もなかったが、今回は初めて軽いながらの衝撃を感じた。

もしや、これが【10】のダメージとして受けた値なのかと・・・今回のオーガでは、【10】で済んだのか、それとも他の個体では、ダメージ値に違いが有るのか、暫くは検証が必要と感じながら、

今日1日を終えた。







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