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美しいものには・・・

無言です。

男が召喚されて 早いもので三年がたった。

彼の三年間は、戦いの連続の毎日だった。

訓練から始まり、魔物狩り ダンジョン探索 そして、魔王軍との戦いが全てだつた。


やがて、魔王を倒すことで やっと終りを告げる。


戦いで多く国民が傷付き、命を失くした。

パーティーの仲間も失った。

だが、王国民は 彼を讃え 惜しみない称賛を贈った。

王も喜び 多くの褒美が与えられた。

しかし、彼は、多くを辞退した。

彼が本当に欲しかったのは、疲れた心を癒す一人静かな時間だった。


彼には最愛の亡き聖女の言葉が、未だに心に響いてる。

「最愛の勇者よ。貴方は異世界の人だから、人が良すぎるの。貴方は必ず魔王を倒すでしょう。そして多くの国民が讃えでしょう。王も褒めて、多くの褒美を与えるでしょう。でも、皆は直ぐに覚めて、貴方を妬み罵るでしょう。王も直ぐに褒美が惜しくなり、取り戻そうと画策するでしょう。この世界の全てを信用しては行けません。」

「私も生きていれば、貴方を妬む筈です。そう成る前に、貴方の腕の中で死ねる事が幸せです。さようなら 愛しい貴方。」

それ以来の彼は、全てを信用する事が無く、又警戒を怠る事が無く過ごした。


彼は一人で野に家を建て、庭で野菜を作り、毎日を過ごしている。


ある時、庭の片隅に 見慣れぬ白い小さな花を見つけ、ふと、花に心を向けた一瞬に全てが終わった。

小さな花の根に有った大きな口に飲み込まれて。





 

書いてて、少し寂しく感じました。

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