表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/296

後悔

「お前の居ない世界は、つまらんな。」


男は小さい墓石を前にして、語り掛けていた。


「君が倒れて、もう三十年か。俺は、未だにこの長い時間を一人で過ごしているよ。


とても、長いなぁ・・・。」


「う、ん。今は王国からは、伯爵を頂いているが、どうも承に合わないなぁ。領地は任せっぱなしで山奥に籠っては、魔物退治が楽で良いさ。だが、世の中が少し騒がしくなり始めて来たようだ。まだ頑張らねばならないようさ。」


「まぁ、髭も白くなり、目も霞んで気やがったが、体だけは丈夫さ。まだ、若い者にはまけないさ。」


男は座り込み、何時しか酒を取り出しては飲んでいた。


「あの頃は、苦しかったが 思えば楽しい時間だったと時々思い返しているが、未だに、あの時の一瞬を後悔している・・・。


あれさえ無ければ、失わずに済んだのでは無いかとな。」


「さみしいよ。・・・。だが、やり残した事が有るんだ。がんばって見るさ。


・・・今度は、いつ来れるかな。」


「・・・。」


「また、来るよ。」


男は静かに立ち上がり、振り返らず歩き始めた。また、この地に戻る事を信じて。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ