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第2章 第3話 夏季仕事・青種の竜《ドラゴン》

「うーん……。とりあえず井戸掘って様子見をしてみるか。森なら大抵水が出るだろ」


 その日の内に第3ベースキャンプに土木工兵科と鉱山族ドワーフの土木魔法士達が共同作業をして数ヵ所を魔法で試し掘りし、井戸水が十分に確保出来る事が確認された。


「ふむ。水は出たから、領都はここのままで進めるか?」

 ドノヴァンに聞かれ、水源の問題が解決しそうなのであれば領都はここで良いとかな、と思えた。

「そうですね、東西南北の駆けつけ易さという立地的に此処は押さえておきたいですし、領都と鉱山都市が出来たら南に防壁と砦を作りましょう。あと東にも道を拓いて≪神樹の森≫とも繋がないといけません」

「やる事が一杯だな」

「頼りにしてますよ、親方」

「おう、任せとけ!」


 その後、第3ベースキャンプ場に残って領都を手掛ける組と、鉱山開発のために出る者とに別れた。親方ことジェスタ大公には第3ベースキャンプ場の開発指揮を任せ、ユイエとアーデルフィアは100名程の鉱山族ドワーフ達を連れて鉱山開発予定地の第5ベースキャンプ場へと向かった。


 道中襲って来た魔物は全て返り討ちにしつつ、大型獣も積極的に狩って回り食肉に変えながら移動した。


 鉱山開発チームの鉱山長、ドラーゲン・ジェスタと話をする。ドラーゲン・ジェスタはドノヴァン・フォン・ジェスタ大公の弟で、長年マインモールド領の鉱山運営と開発を手掛けてきた実績を持つ腕の良い鉱山長という事だった。


「4番ベースキャンプ場を抜けると進路を北西に向けての移動になります。5番ベースキャンプ場では青種のドラゴンがやってきますが、害はないので安心して下さい。むしろ焼いた巨獣の肉を喰わせてやると喜んで食べてくれる可愛い奴らで、共生できるドラゴンです。近付いて来ても驚いて攻撃したりしないように周知して下さい」


「お?おぉ……。分かった。共生出来るってのが信じられんが、そのように周知しよう」


 4番ベースキャンプ場で一晩過ごし、5番ベースキャンプ場に出発するまでの間にドラーゲンが鉱夫隊に、青種のドラゴンの事を周知してくれていた。


 5番ベースキャンプ場に到着するとひとまず清水の川をみてもらい、ここで砂金や砂天銀(ミスリル)、砂神鉄鋼(アダマンタイト)等が鑑定で見付かった事を話し、試し掘りした場所まで案内しようとしていると、山脈側から3頭の青種のドラゴンが飛んできた。


「クィィ、キュルルゥ」

「キュルァァ」

「クィィ、キュアア」


 ドラゴン語なのか、何やら挨拶されている気がしたのでユイエが青種のドラゴン達に近付き、それぞれの首筋を撫でてやる。青種のドラゴン達も顔をユイエとアーデルフィアに擦りつけるようにしてきた。


「よしよし、今回も肉は持って来たからな」

「完全に餌付けよね」

 ユイエが魔法の鞄(マジック・バッグ)から大型獣達のブロック肉をドラゴン種の感覚で薄切りにして焼いている様子を、3頭は涎を垂らしながら待っていた。


 3頭にそれぞれ皿に乗せた焼いた肉を出してやると、


「「「キュルッアァァ!」」」


 と喜びの声らしき鳴き声を発して、焼いた肉にかぶりついていた。喜びの感情表現なのか、尻尾をびったんびったん地面に叩き付けるように振っていた。


「ってな感じで、こいつらは害がないので、仲良くしてやって下さい」


 と、ユイエは鉱山開発チームに青種のドラゴン達を紹介した。


「お、おお……まじで友好的だな。懐いてるようにしかみえん。ドラグハート魔境伯夫婦は色々ぶっとんでんな?」

「お宅のお兄さんも大概ぶっ飛んでますよね?」

「ちげぇねぇ」


 ドラーゲン鉱山長はガハハと笑い機嫌良さそうに髭をしごいていた。

 その後、ドラーゲン達鉱山開発グループを試し掘りして見付けた鉱脈に案内して見せる。


「ここから開発していけばいい訳だな?」

「えぇ、素人考えで正しいか分かりませんが、基本はここからかなと思ってました。他の川にも希少魔法石の反応が見付けられたところがあるので、いずれはそちらも、と思っています」

「そうか、なかなか立派な地下鉱脈がありそうだな。ここまで来た甲斐があるってもんよ」



 鉱山開発チームは5番ベースキャンプ場で一泊すると、翌日から早速鉱山開発に取り掛かってくれた。つるはしでガッチンガッチンとやるイメージだったが、土木魔法を駆使して土を除いたり壁を補強したりしつつ、魔法中心であっという間に鉱山内部に大広場が出来上がっていた。


「入口の広場だけでも、天銀ミスリル神鉄鋼アダマンタイトも出てきたぞ」


 原石と思われる鉱物を見せられた。


「上手くいきそうですか?」

「あぁ、任せろ!」

 ユイエが訊ねると、ドラーゲンが胸を叩いて自信を見せていた。


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