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第1章 第24話 夏季仕事(2)土木作業

 それから4日間また道を作り、第2ベースキャンプ場を作る。この工程を繰り返していく。


 2つ目のベースキャンプ地の設営地になると、上位豚鬼ハイ・オークなどの強力な魔物が出始めるのだが、探索者シーカー達もBランク以上のメンバーで構成されており、Aランクの魔物も問題なく倒せていた。



皇都を出て15日目。

 神樹の森の様な大樹ばかりの地帯が続く。第3ベースキャンプ場を整地している最中に、上位豚鬼ハイ・オークの大きな群れが現れた。非戦闘員はキャンプ内に避難させ、戦闘要員は防壁の外で迎え撃つ体勢だ。本来は防壁上から迎え撃てればなお良かったのだが、工事状況として未完成であれば仕方がない。


上位豚鬼ハイ・オークがこんなに群れているのははじめて見ますね」

 サイラスが大楯と長剣を構えつつ話しをする。

「そうだな。上位豚鬼ハイ・オークに統率個体がいるんじゃないか?」

 ユイエはそう答え、アーデルフィアに目をやると、統率個体らしき上位豚鬼ハイ・オークを見付けたアーデルフィアが頷いて「居た」と答えた。


上位豚鬼ハイ・オークでこの数はちょっとマズい!お貴族様方はキャンプ内に籠っててくれ。じゃないと安心して戦えねぇ!」


 探索者シーカー隊で一目置かれているらしいAランク探索者シーカーのヴィックスがそう叫ぶが、ウェッジウルヴズ家の騎士とユイエ、アーデルフィアは退かない。それどころかユイエとアーデルフィアを皮切りに、剣を手に上位豚鬼ハイ・オークの群れへ飛び込んで行った。


「おい!騎士さん達よ、なんで行かせてんだよ!」

 予想外の展開にヴィックスは若干呆け、その直後にウェッジウルヴズ家の騎士を怒鳴りつけた。

「まぁ見といて下さいよ。うちの大将達の武闘派っぷりを」

 怒鳴られた騎士のポールは肩を竦めてそう返した。


 ユイエとアーデルフィアが神鉄鋼アダマンタイト合金の小剣を抜いて次々と上位豚鬼ハイ・オークの首を刎ねて回り、大将首もあっさりと刎ねてしまった。すると上位豚鬼ハイ・オーク達の連携が途端に崩れ、足並みが乱れていく。


「……すげぇな?あ、おい、お前ら!見惚れてないで上位豚鬼ハイ・オークしばくぞ!」


 いち早く状況に適応したヴィックスの指示に、他の探索者シーカー達も慌てて参戦しに行った。



皇都を出て16日目。

 3番ベースキャンプ場が完成した。

 途中で現れた亜龍や巨獣の数々。猪型、鹿型、熊型、狼型などの巨獣型の魔物達を狩り、鹿型と猪型は探索者シーカーに頼んで血抜きとバラして食肉に加工するように言うと、喜んで協力してくれた。魔物肉の処理は探索者シーカー達が本業の意地か気合を入れて担当してくれたお陰で、向こうしばらくは肉にだけは困らないだけの備蓄が作れた。

 

 久しぶりに美味い肉にありつけた事で、疲労の溜まっていた開拓団にも活力が戻った。とは言えここらで溜まった疲労は抜いておきたい。完成した3番目のベースキャンプでもう一泊し、心身の疲れをとると、その翌日から工事を再開した。



皇都を出て21日目。

 大樹ばかりのエリアを抜け、通常サイズの森に戻った。ここまで来るともう山脈の麓と言って良いくらいの深層である。今回は道の開拓と各ベースキャンプ地の設営が目的だったため、前回作った小屋とは全く違う場所に出ていた。


 この山麓に4番ベースキャンプ場が完成すると、ベースキャンプの守りを探索者シーカー達とウェッジウルヴズ家の騎士3人に任せ、ユイエとアーデルフィア、サイラス、メイヴィルのいつもの4人で山脈側に狩りに出かけた。



「やっと着いたわね」

「なんとかここまで来れましたね。土木工兵科の皆と探索者シーカーの皆の頑張りのお陰ですね」

「口調」

「なんとかここまで来れたな。土木工兵科の皆と探索者シーカーの皆の頑張りのお陰だ」


 口調を指摘され修正すると、アーフェルフィアが頷いた。


「それじゃアーデルフィア、釣り出しを頼む」

「分かったわ」


 ユイエの指示でアーデルフィアが魔力マナを込めた殺気を飛ばして喧嘩っ早いドラゴン種を釣り出す。


 前回来た時より装備全ての質が上がっており、戦闘も非常に楽になっていた。ここでは連戦する事を前提に陣取ったため、ユイエとアーデルフィアも初めから両手を使って長剣を抜剣して準備し、やってきたドラゴン達を次々と狩っていった。


 小剣より単純に刃渡りが長くなって重くなっただけあり、一振りあたりの傷も深くなっている。魔力刃の【≪まとい≫】で鋭さと長さの延長に注ぐと、一振りで首を落とす事も出来るようになった。

 またマインモールド工房に卸そうかな、と考えつつ、横から襲って来た黄種のドラゴンに対して、ユイエは鼻面から頭骸骨とうがいこつ全体を縦に斬り裂いて絶命させていた。以前はこのような無茶な刃の通り方はしていなかったと思う。



 途中、青い鱗のドラグーン種がやってきてユイエ達を遠巻きに観察していた。

 殺気を飛ばすと身じろぎはするが、襲っては来ない。襲ってこないのなら手出しは不要かと思い、殺気に反応するドラゴン種だけを狩って魔法の鞄(マジック・バッグ)に目いっぱい詰め込み、背嚢型の魔法の鞄(マジック・バッグ)を1人が身体の前後で2つ、4人で8つ担いでベースキャンプに帰った。


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