2 突然の休暇終了(後)
悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなり挑戦しています。
服とか家の内装とか間取りとか、想像するの楽しいです。
あきれずに最後までお付き合いいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。
その後、アキラと礼は、ビクトリアと2人のSPに囲まれ、ビクトリアが思いつくままにあちこちのお店を連れまわされた。
ビクトリアの行きつけの服のブランドにはアキラに似合いそうなものはなかった。
宝飾店できれいな緑の宝石のついたシンプルなペンダントを見つけたビクトリアが言った。
「これ、素敵! アキラの瞳の色と同じね。これをぜひプレゼントさせて!」
「こんな高価なもの、いただけません!!」
「まあまあ、いいじゃない!」
アキラが困ったように礼を見る。
「アキラ、ビクトリアは言い出したら聞かない人だから、あきらめて買って頂きなさい……」
「なんか変じゃない? その言葉?」
アキラはビクトリアに向かい合う。
「……では、ありがとうございます。今回だけはありがたくいただきます」
「!! 本当にあなた良い子ね! 決めた! 礼! 今度の火星へ戻る船。この子を付けてちょうだい!」
礼、驚愕の表情を浮かべて言う。
「アキラはヴェスと組んでいるので、ヴェスも来ますよ。それに今、ふたりは前回の仕事を終えたばかりで休暇中なんです!」
「いいじゃない! ちょっと早いけれど家族旅行ってことで。私もずっとヴェスに会っていないし、いい機会だわ!」
「……社長に相談してみます」と礼が顔を引き攣らせて言った。
◇ ◇ ◇
礼に家まで送ってもらい駐車場で車から降りると、礼が「ヴェスにも伝えなくちゃね……。でも明日、社長が直接来るって言ってたから任せるわ、もう……」と頭の痛そうな顔で言った。
あの後、ビクトリアはアスランまで呼び出し、強引にアキラとヴェスに火星までの送迎を頼みたいと言い続け……、社長は折れた。
ビクトリアは家族で地球から火星に戻るそうで、家族3人とSP2人の5人送迎案件となる。
アキラとヴェスの船だけでは部屋を相部屋にしても人数オーバー。
もともと依頼を受けるために準備していた船もあるため、2隻の編隊にするなど工夫が必要となる。
「アキラすまん。ちゃんと調整して、明日、家に行ってヴェスにも詳しいことは説明するから。
本当にすまん!」
「社長がアキラのことを話しちゃうからですよ!」と礼が怒っている。
「いつ出発予定なんですか?」
「3日後だ……」
「!! それは準備期間としてぎりぎりですね……」
トーマスがドアの前で待ってくれていて、デパートの手提げや包みを持つのを手伝ってくれた。
とても疲れていたのでありがたく荷物を預ける。
「リビングまで運んでもらえれば、後は自分でやります!」
「いいんですよ、アキラ様の部屋の前まで運んでおきますので!」
「ありがとうございます。では、お願いします!」
トーマスが急いで運んで行ってしまうのを見送っていたらアニスに言われた。
「早くリビングに行って、ヴェス様にその姿を見せてあげたらどうです?
そうしてもらいたくてトーマスは張り切って荷物を引き受けたんですよ」
あ、そういう配慮だったのね。
「ありがとう」
渡り廊下を歩いていくとヴェスがもうリビングの手前に立っていた。
少し驚いた表情でアキラを見ている。
「どう?」と少し離れたところで立ち止まってくるっと回って見せた。
「かわいい……」とアキラから視線を外さずにぼそっと言うヴェス。
アキラは照れながら「ありがとうね」と言った後、さらに言葉を続けた。
「あのね、休暇終了みたいだよ」
ヴェスはすぐに理解できなかったようで「キュウカシュウリョウ? 休暇終了? えっ!!」と言葉を繰り返してから叫んだ。
「明日、社長が説明に来るってさ。
それから、ヴェスのお母さんに会ったよ。なんかすごそうな人だね」
「えっ? ええっ?」
「そのビクトリアさんが依頼主だよ」
「えっ、なんで? ちょっと理解できないんだけど?」
「私も今日はさすがに疲れたよ……」
アキラは夕食を食べながら、今日あったことをヴェスに説明し終えると、どっと疲れが出た。
頭を抱えているヴェスを見て、アキラが言った。
「もうさすがに今日は疲れた……、アニスに食器の片づけ頼んでいいかな? もう目がしょぼしょぼする……」
ヴェスがあわてたように「今日の練習は?」と言った。
「あはは……。練習はしないとだめ?」
「毎日しないとだめ!」
「そうなんだ……、じゃあ……」
アキラの言葉が途切れ、ソファにもたれるとすーすー寝息を立て始める。が、すぐにびくっと目を開き「服がしわになっちゃう……」と言って立ち上がろうとするが、力尽きたようにまた座り、うとうとしている。
ヴェスが「しょうがないなあ……」とアキラを抱き上げて階段の方へ進もうとするが、立ち止まりちょっと考えてから、自分の部屋へ向かった。
自分のベッドに降ろして服を脱がせようとすると、アキラもぼーとしながら服を脱ごうと身体を動かしてくれたのですぐに脱がせることができた。
ブラウスとパンツをハンガーにかけ、ベッドの方を見るとアキラはもうぐっすり寝ているようだ。
「抱き枕にするくらいなら、怒られないよな……」
ヴェスは小さな声で言うと、ベッド脇の小さな灯りだけ残し部屋を暗くし、アキラの隣に横になり、毛布を掛ける。
横向きに寝ているアキラの額や髪を撫でたり、軽くキスしてもアキラは全く目覚める気配はない。
自分がまったく寝られないことにイライラして、ヴェスはアキラを少し乱暴に抱きしめる。
「うーん……」
アキラが動いて仰向けに体勢を変えた。
ヴェスはアキラの上に身を乗り出すと、軽く唇にキスをして、そのまま首筋から鎖骨のあたりまでキスを滑らせていく。
「んんっ!」
アキラが急にヴェスの頭を抱え込むように動いたので、ヴェスは驚いて動けなくなる。
すぐにアキラが手の力を抜いて、また深い眠りに戻ったようだ。
ヴェスがそっと離れると、アキラの鎖骨のあたりにキスマークがついてしまっていた。
「やばいな……、でもどうしようもないし……。考えてもしゃーない。寝よ」
ヴェスは小さな明かりも消して横になった。
読んで下さりありがとうございます。
次も頑張ります!




