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テイル・オブ・フェイト  作者: ゆらゆら
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03 異変

 


 ――それから私達は、出掛ける準備を始めた。

 理由は私の容体をフィアさんという人に見てもらうためだ。


 なんでも、その人にかかればどんな傷も完治させてしまうのだという。


 正直信じ難いけど、セラが太鼓判を押していたのでそうなんだろう。


 ただ、セラが言うには、


『……あの人マジで、人とは思えないぐらいおかしな人だからな。気を付けろよ……』


 ――少し変わった人のようだ。


 ……それでも、やっぱり今行っておかないと、傷口が少し特殊なようでフィアさんでないと私の体の完治は難しいという。


 私は、変な汗をかきつつ、出発の準備をする。


 まあ、準備って言っても、私物なんてあるはずがないし、じゃあ一体なにを準備しているのかというと……


「リアー。言ったやつ持ったか?」


「……うん、大丈夫。ちゃんと持ったよ。」


「よっし。……じゃあフィアさんのとこ行くか」


 私はセラの言葉に笑顔に応える。


 ――複雑な感情を胸に抱きながら……



 ###


 セラの家を出て、眩しいほどに輝いた太陽に照らされながら、私達はフィアさんのところへ歩き出した。


 フィアさんのとこまでの道中、セラからこの辺の地域の事ついて大まかに教えてもらった。


 ――主に分かった事として、アルレントの民住区は1〜10の区画で分けられている事。


 そして、ここ、セラやフィアさんの住んでいる区画は“10区”だと言うこと。

 ここ10区について少し聞いてみると、


「んーそうだな…………俺的には、変な奴が他の区画より多いイメージがする」


 なんとも分かりそうで分からない回答をされてしまった。


 私の印象は、建物が密集していて、とにかく数が多い感じ。


 そんな風に考えながら歩いていると、不意にセラが立ち止まった。


「……ん?どうしたのセラ」


「な……なんでここに……あいつが…………」


 セラが、ある一点を見つめて言った。


 セラの顔は、驚いているようにも怖がっているようにも見える。


 ――だけどその瞳には、確かな怒りの色が映っていたのを、私は見逃していた。





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