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魔法学院で1000年くらい留年を続けてたら、いつのまにか賢者扱いされるようになりました

作者: 榎本快晴


 俺が『卒業するまで死ねない呪い』をかけられてから、約1000年が経った。

 すなわち、この魔法学院を卒業できないまま1000年が経ったということである。


 この事実だけを鑑みても、俺がダメ人間であることに疑いの余地はない。


 もしも真面目に1000年前の授業を受けていれば、今は失われた強大なる古代魔法の使い手となれていたかもしれない。

 しかし残念なことに万年落第生だった俺は当時の魔法など少しも覚えてはいない。そもそもたぶん最初から講義に出ていない。筋金入りの劣等生だ。


 そんな俺のもとに――


「お願いです弟子にしてくださいです! このままだと私、退学にされちゃうです!」


 ある日いきなり、現役最下位のビリ生徒が必死に頼み込んできた。



―――――――――――――――――――――――――――……


 学院の生徒たちが俺のことを『賢者』と勘違いしていることは知っていた。


 無理もない。

 ほとんど不老不死のような存在で、遥か昔から校内に棲み付いているのだから。何か凄い人物だと思われるのはある意味当然の話だ。


 だがもちろん、実際に凄いのは俺ではなく『卒業するまで死ねない呪い』の方だ。神秘の術たる古代魔法だからこそなせた業といえる。


 呪いをかけてきたのは1000年前当時の校長で、動機は純然たる俺への嫌がらせである。俺の学業に対する舐め腐った態度がよほど気に入らなかったらしい。


 さて、そんなクソみたいな経歴の俺がなぜ賢者という分不相応な誤解を解こうとしないかというと、単純に都合がいいからである。


 食事時になれば、生徒たちが供え物のごとく飯を恵んでくれる。

 勝手に空き教室を自室として生活していても誰も文句を言わない。

 そして方々から向けられる尊敬の眼差し。


 この状況は、俺のような器の小さい人間にとってはこれ以上ない快感なのだ。


 1000年間の間に学籍も曖昧になったらしく、教職員たちすら俺のことは『得体の知れない存在』としてほぼノータッチを貫いている。一説には学院が擬人化した精霊とすら思われているとか。


 そういうわけで――


「お願いです! お願いです! もう本当に賢者様しか頼れないのです!」


 俺の根城たる空き教室。

 その入口で必死に叫びながら頭を下げる女子生徒に、俺は渋面を作った。


 たまに現れるこういう手合いには、正直参っている。

 賢者を装って大物ムーブをしているがゆえの必然だが、魔法の教えを乞われてしまうことがあるのだ。


 もちろん俺には、人様に教えられるような知識や経験など何もない。人より長けている技能など、暇つぶしとダラけ暮らしの二点くらいだ。


 だから毎回の答えは決まっていた。


「帰ってくれ。俺は弟子を取らない主義だ」

「そこをなんとかです! 見てくださいですこの成績表を! このままじゃ私は退学まっしぐらです!」

「ダメだ。学問に近道はない。地道な努力に勝るものがあると思うな」


 地道な努力ができず、今もなお燻り続ける俺からの忠言である。

 もしこの場に1000年前の校長がいたら、俺への呪いを即死効果に切り替えていたと思う。


「うう……でも私、地道に努力もしてるし頑張ってるです」

「なら尚更だ。学院の授業程度で躓いている学生が、この俺の賢者式魔法を習得できる道理はない。諦めて大人しく帰れ」

「賢者式魔法? それって古代魔法ですか?」

「ああ、そうだ。現代魔法より遥かに高難度で強力な――」

「ぜひそれを教えて欲しいです!」


 俺が定例のハッタリを言い終える前に、テンションを上げて少女は拳を握った。


「今時の人間の魔法はよく分からないです。古代魔法の方が感覚的に分かりやすいです。だから賢者様に教わりに来たです」

「はぁ?」

「実を言うと私、ドラゴンなんです。一族の中であんまりにも魔法の覚えが悪かったから、こっそり人間の学校に習いにやって来たんです。えへん」


 あまりにも突拍子のない発言。

 なんだこいつ、と俺は思う。


 魔導学院の標準入学年齢は15歳だから、まあそういう妄想を抱える年頃なのは分かる。

 しかし、いくらなんでも真面目な弟子入り志願の話をするときに妄想設定を持ち出すのは痛すぎる。


 確かにドラゴンは強靭極まる肉体を持ち、古代魔法をも操る強大な存在だが、人間との争いの末、太古の昔に滅んだはずである。


「直接会うまで確信できなかったですけど、やっぱりこうして近くで嗅ぐと、賢者様からは本当に古代魔法の匂いがするです。長生きしてる匂いです。私と同じ……1000歳くらいです?」


 ぎょっとした。

 妄想設定の適当だろうに、見事に俺の歳を当ててきた。いいや、1000年なんてちょうどキリのいい数字だから当たっても不思議ではない。


 俺が当惑していると、少女はまた必死そうに頭を下げた。


「プライド捨てて人間に魔法を習いに来たのに、何一つ覚えられずに退学になったら一族の恥です。二度と家に帰れないです。だからお願いです。弟子にしてくださいです」

「いや……おかしいだろ。ドラゴンってのはもっとでかくて強そうだろ。どこからどう見ても人間じゃないかお前」

「滅んだ方の竜族と違って、うちの一族は人間に変身できるです。私はまだ魔法使えないけど、これだけは体質みたいなものだから大丈夫です」


 デタラメもいいところだ。


 もしドラゴンが生き残っているとなれば世界中が大騒ぎになる。たとえ平和的な一族なのだとしても、ドラゴンの血肉は古代魔法の秘薬の材料となり得る。その魅力に駆られて暴走する人間が出てくれば、ドラゴンの方だって黙って狩られはするまい。つまり、遅かれ早かれドラゴンとの戦争になる。


 もちろんそんな異常事態は起きない。

 所詮、目の前の小娘の妄想話だからだ。


「そうは言われてもな。賢者たる俺の目をもってしても、お前がドラゴンだなんて気配は微塵も感じないぞ。本当にドラゴンというなら証拠でも見せてみるんだな」

「本当に分からないですか?」

「ああ、ちっとも分からない。どこからどう見ても普通の人間だ」


 半ば自分に言い聞かせるように俺は否定の言を並べる。

 しかし、なぜか少女は小躍りするような動きを見せた。


「嬉しいです。すぐ見破られちゃうかと思ったですけど、賢者様でも分からないくらい私の変身は上手ということです」

「そうだな。本当に変身してるならな――」

「じゃあ、教室壊しちゃうといけないですから、ほんの少しだけ元に戻るです」

「えっ」



 そして一秒後。


 俺は白目を剥いて気絶した。



―――――――――――――――――――――――――――……


「賢者様! 賢者様! 起きてくださいです!」


 目が覚めたとき、俺は空き教室の床で自称ドラゴンの少女に揺すられていた。

 全身はまるで死体であるかのように冷え切っており、身体の芯から謎の震えが止まらない。


 とても恐ろしいものを見た気がする。

 たとえるなら蛇に睨まれたカエルの恐怖を百倍酷くしたような。少女が『元に戻る』と言った直後、暴力的なほどの威圧感に全身を呑み込まれて意識が途絶えた。


 クソ校長に非人道的な呪いをかけられたときですら、ここまでのプレッシャーを感じることはなかった。


 と、いきなり少女が俺の顔をぐいっと覗き込んでくる。


「大丈夫です? 生きてるですか?」

「う、うわっ! 食べないでくれ!」


 何を見たかの記憶はないのに、反射的に命乞いの声が出た。

 何が何だか理解できないが、あの一瞬で俺の深層心理に凄まじい恐怖が植え付けられたらしい。


「……? 食べないですよ?」


 きょとん、と。

 俺の命乞いを受けて、少女は当惑するように首を傾げた。


「具合悪いですか?」

「い、いや……そういうわけじゃ……」

「よかったです! それじゃあ私が本物のドラゴンと証明できたところで、また弟子入りの話させて欲しいです!」


 少女がそう言った途端、俺は床を横にゴロゴロと転がって距離を取った。


「……どうしたです?」

「いや、すまん。待ってくれ」


 証明も何も、俺は記憶が飛んでいてどんなものを見たかすら思い出せない。


 いいや、ぶっちゃけこの際見た内容はどうでもいい。

 この少女の正体がドラゴンであろうとそうでなかろうと、俺の生物的本能がこれ以上の接触を全力で拒んでいた。『決して近づいてはならない相手』と。


「どうかお願いです。弟子入りさせてくれるまで絶対ここを動かないです」


 しかし、いよいよ少女は空き教室のど真ん中で座り込みの姿勢を見せ始めた。

 これが普通の弟子志願者なら無視すればいいだけの話だが、今ここにいる得体の知れない少女は座り込んでいるだけで俺のメンタルを削ってくる。


「分かった! 分かったから、座り込まないでくれ」


 俺は教室の隅までじりじりと退避しつつ、宥めるように両手を前に出す。


「やった! 弟子にしてくれるですね!」

「違う。白状する。俺は賢者なんかじゃないんだ。大昔に『卒業するまで死なない』って呪いをかけられただけで、それ以外はただの凡人なんだよ。魔法の腕だってその辺の生徒以下だ。みんながチヤホヤしてくれるから誤解を解かなかっただけなんだ」


 少女は目をぱちくりとさせる。

 俺はすかさず土下座で返す。


「だからこの通り! 諦めて引き下がってくれ! 俺から教えられるようなことなんて本当に何もないんだ!」

「むー……?」


 少女が困惑の唸りを漏らす。それが猛獣の喉鳴りに聞こえて、俺は背中をぴったりと壁に付ける。


「賢者様は普通の人だったですか? それを秘密にしてたですか?」

「ああ、ああ。本当にすまん」


 少女は腕組みをしてから深々と頷く。


「なるほどです……。それじゃ、私と同じだったですね。秘密にするって大変です。分かります。私もバレないか不安だったです」


 うんうん、と。

 心の底から同意を見せるかのように少女は何度も首を縦に振る。


「でも困ったです。賢者様が普通の人だったら、私はどこで魔法を教えてもらえばいいですか?」

「そりゃ、教師とか……」

「今の魔法はよく分からないです。でも、何か一つでも魔法が使えるようにならないと、年度末で退学になってしまうです」


 この魔法学院への入学資格は『魔力を持つこと』それだけだ。

 しかし、最初の一年目で何かしらの魔法を発現させなければ退学処分になってしまう。


 魔力を持つからといって、魔法として利用するための適性があるとは限らない。一年間の間に魔法の実力を示せない奴は素質なしとみなされるわけだ。


 俺は幸いにも初歩の魔法はすぐ使えたから、初年度退学は免れた。その後の境遇を思えばあのとき退学になっておけばよかったかとも思うが。


「ともかく、俺は何も力になれないからどこか行ってくれ」

「残念ですー……うう」


 トボトボと肩を落とし、少女は空き教室の出口へと踵を返していく。

 安堵しかけた俺だが、去り際で急に少女がまたこちらを振り向く。


「そうだ! 私がドラゴンということは内緒でお願いするです! バレたら一族のみんなに怒られるです!」

「あ、おう……」


 無論、他言するつもりなど毛頭ない。

 俺が了承すると、にこりと少女は頬を上げた。


「もちろん私も賢者様が普通の人間だってことは誰にも言わないです。お互い秘密です。それでは失礼でしたです」


 ぱたり、と。

 まるで嵐が過ぎ去ったかのような虚脱感を残して、少女は空き教室を後にした。


 よく考えたら、名前すら聞いていなかった。


 ――まあいい。


 おそらく二度と話すことはないだろう。仮に校内で見かけても今後はダッシュで距離を置くつもりだ。

 ここ数百年は見かけなかったが、大昔はああいう正体不明のヤバい輩も見かけたことがある。見ざる聞かざるの精神でやり過ごしていれば、すべては時が解決してくれる。


 そう思っていたら、教室の床に落ちている羊皮紙の巻紙に目が留まった。


 嫌な予感はしつつも、拾ってその表を読んでみる。


「……中間成績証明証コルン・アーヴェ」


 紛れもなく――

 さっきの少女が弟子入り嘆願の際にこれでもかと見せつけてきた、赤点ばかりの並んだ中間成績証明だった。



―――――――――――――――――――――――――――……


 返しに行こうと決めたのは決して親切心からではない。

 放っておけばあの少女――コルンはこの成績証を回収しにまた俺の根城へとやってくるだろう。


 それは避けたかった。


 昼寝なんかしているときにいきなり扉を開けられでもしたら最悪だ。想像しただけでぞっとする。

 ただの少女ならいいが、その実は猛獣以上の威圧感を放ってくる謎の存在である。そんなのが寝込みに枕元に立つなんて事態は御免だ。


 というわけで、成績証に記されていた授業の講義室へと俺は向かっていた。


 本人に声をかけるつもりはない。講義室の入口あたりで適当な生徒に声をかけて、「落ちていた。コルン・アーヴェに渡してくれ」と頼むつもりだった。

 他ならぬ賢者である俺の頼み事なら断られることはないはずだ。


 講義室の前まで来た俺は、とりあえず扉を半開きにして中の様子を窺った。

 念のためコルンがいるかどうかの確認だ。珍しい真っ赤な髪をしていたから一目で分かるはず――


 一目で分かった。


 講義室のど真ん中の席にコルンは座っており、その周囲の席はまるでクレーターのように誰一人として生徒が座っていなかったのだ。


 おそらく出席率の低い授業というわけではない。

 その証拠に、コルン周囲の空白地帯以外は、しわ寄せとばかりに人口密度が高くなっている。


「……なんだあれ。イジメか?」


 それとも、俺と同じように他の生徒たちもあのコルンに生理的な恐怖を抱いているのだろうか。

 そのとき、講義室を窺う俺の背に声がかけられた。


「わっ! 賢者様、どうされたんですか?」


 振り返れば、これから受講するらしい男子生徒がいた。この生徒の方が真面目に授業を受けているだけで俺よりもずいぶん大した人間ではあるが、建前上俺は賢者ムーブで対応する。


「ああ。そこの廊下でこの成績証を拾ってな。中にいるコルン・アーヴェとやらに届けてくれるか」

「えっ……コルンですか」


 おや、と思う。

 賢者からの頼み事とあらば喜んで引き受けてくれるかと思ったが、男子生徒はまず躊躇する顔を見せたのだ。


「……その、君。もしやとは思うが、あのコルンという生徒は訳アリなのか? 様子を見ても避けられているようだし。問題行動を起こした前科でも?」

「あ、いえ。そういう悪い奴ではないんですけど……」


 男子生徒の口ぶりを見るに、恐れられているというわけではない。

 となるとやはりイジメか?


「貴方。講義室の入口で何をグダグダやっているの? 入らないならさっさとどいてくれるかしら?」


 そこで再び背後から声がかけられる。

 そこには、十人ばかりの取り巻きを引き連れた見目麗しい銀髪の美少女が立っていた。ほとんどドレスじみた豪奢なローブに、髪飾りには宝石がいくつも散りばめられている。


 いかにもな金持ちのエリート。俺が内心でちょっと苦手意識を抱くタイプだ。


「……あら、申し訳ありませんでした。賢者様とは気付かず、大変不躾なお言葉をかけてしまいましたわ」


 と、彼女は俺に気付くなりスカートの裾をつまんで会釈をしてみせた。

 ほっとする。こういう上層の生徒にも、いちおう俺の賢者ハッタリは有効らしい。


「こちらの教室にはどのようなご用件で? もしかして、わたくし達に何かご教示を?」

「ああ違う。落とし物を届けに来ただけだ。この成績証をコルンという生徒に――」


 そこで最初に話していた男子生徒が「あっ」と慌てたような声を漏らした。だがその慌てぶりの真意を察する間もなく、銀髪の少女は俺の手から証明書をするりと受け取る。


「かしこまりました。では、この証明証はわたくしが届けさせていただきます」


 優雅かつにこやかな仕草で少女は再び会釈する。


「申し遅れましたが賢者様。わたくしはリーズ・ハイゼベルと申します。どうかお見知りおきを」

「ああ、リーズさん。よろしく」


 俺が講義室の扉の前から身を引くと、取り巻きたちを連れてリーズは中に入っていった。

 これにて届け物は完了。さっさと根城に帰ろうと踵を返す俺だったが――最初に話していた男子生徒だけがいつまでも入口の辺りでまごついている姿を見て、ふと足を止めた。


「どうかしたのか?」

「いえ。ちょっと、入る勇気が……」


 どういう意味かと尋ねる前に、講義室を覗けば理由は一目瞭然だった。

 リーズと取り巻きたちがコルンの元へと歩き始めるや、全生徒が雑談の声を静めてその動向を注視し始めたのだ。


 俺もかつては(というか厳密には今も)学生だった身だ。

 雰囲気で分かる。


 コルンを取り巻く異様な空気。このイジメにも似た状況を先導しているのは――あのリーズという生徒だ。


「コルンさん。この成績証明書、廊下に落ちていたそうよ。少しだけ見えてしまったけれど……相変わらず酷い成績のようね? このままじゃ年度末には退学かしら?」


 クスクスと取り巻きたちが同調するように笑い始める。

 明らかな侮蔑。嘲笑。


 これに対するコルンの反応は、


「届けてくださったですか! ありがとうです! そうなんです成績ピンチで困ってるです!」


 成績証を受け取りながら、これでもかというほど快活に困り顔を浮かべた。


「へ、へぇ……それは大変ね。でも、貴女みたいに物覚えの悪い子に教えてくれる人はいないんじゃないかしら?」

「はい。そう思って賢者様に相談したですが……はっ」


 慌てた様子でコルンが自分の口を塞いだ。

 互いに秘密と言っておきながら、いとも容易く自らあの経緯を暴露しかけた。


「賢者様? 賢者様がどうしたのかしら? この成績証を届けてくださったのも賢者様だったけれど、貴女まさか無礼なことを依頼したんじゃないでしょうね?」

「違うです。これは秘密の約束だったです。言えないです」


 隠し事が絶望的に下手すぎる。

 明らかに俺と何かしらの密約を交わしたかのように聞こえてしまうではないか。


 リーズは露骨に不機嫌になってコルンに顔を寄せる。


「分かっているの貴女? あの方は今や世界最後の古代魔法の使い手と呼ばれる方なのよ? 初等魔法すら使えない貴女が教えを乞うなんて、おこがましいにも程があるわ。あなたにはマッチの火起こしみたいな術の練習がお似合いよ。なんなら、わたくしが手取り足取り教えて差し上げようかしら?」

「本当ですか! ぜひお願いしたいです!」


 まるで嫌味に気付く様子もなく、コルンはリーズに満面の笑みを作る。


「ええいいわよ。友達だものね。だけど教えを乞うなら、それ相応の頼み方を見せてくださる? 跪いて頭を下げて、そしてしっかりわたくしの名前を正確に呼び――」

「こうですね!」


 コルンはぴょんと席から跳ね飛んで床に座り、恥も外聞もなく頭を下げて叫んだ。


「魔法を教えてくださいです! 『私に負けた人』さん!」


 時が止まった。

 音が消滅した。


 古代魔法ですら再現不能なほどに、講義室の中の空気は一瞬で死に果てた。

 俺の隣では、まだ入室できずにいた男子生徒が「あぁ……」と顔を押さえている。


「あ、貴女。こともあろうに、まだわたくしの名前を覚えず、そんな呼び方で……」

「学校って人間たくさんいて名前覚えづらいです。ごめんです。でも、あなたのことは名前以外でちゃんと覚えてるです。授業の模擬試合で私に負けた人です。覚えてるから友達です。魔法の特訓、よろしくです! 『私に負けた人』さん!」


 はい。

 イジメの原因が分かりました。


「つまりアレか。あのコルンという生徒は絶望的に空気が読めないと」

「はい。リーズさんは名家の出身で成績もトップで、生徒の中でも指折りの有名人なんですけど……そんな彼女に対し、ああいうスタンスをずっと……」

「ほとんど挑発だろうあれは」


 俺は男子生徒と神妙な顔で頷きあう。

 むしろあれで暴力沙汰に及ばない分、リーズという生徒は十分に自重している方だと思う。


 と、講義室の中でリーズが反論に転じた。


「貴女もずいぶんしつこくその一勝にこだわるわね? まあ、勝ったことは認めてあげてもいいけど、単にわたくしが立ち眩みで場外によろけてしまっただけじゃない。貴女の実力でも何でもないことを誇って嬉しいかしら?」

「勝ちは勝ちです。とっても嬉しいです」


 臆面もなく薄い胸を張るコルン。

 要するに、ヒエラルキー最上位の生徒にマグレ勝ちで無自覚マウントを取り続けているからハブられていると。

 正体がバレているというわけではないようだ。


 だからといって褒められた状況ではない。

 むしろ、このまま退学になった方が穏当な幕引きなのではないかと思う。


 ばん! と。


 リーズがいよいよ我慢できなくなったという風に、講義室の机を叩いた。


「そこまでわたくしの名前を呼ぶ気がないなら……どうかしら? これから正式に再戦でもどう? 校庭の訓練場でも借りてね」

「ダメです。これから講義です」

「どうせ出たって無駄でしょ貴女。真面目に皆勤なのは御立派だけど、席にただ座ってるだけで頭の中にまるで知識が入らないんだから」

「でも講義は講義です」


 ならいいわ、とリーズが鼻で笑う。


「貴女がもし勝ったら個人指導でも何でもしてあげるつもりだったのだけど。学年トップのわたくしの指導なら貴女も少しはマシになるんじゃなくて? そうじゃなくても――このわたくしに二度も勝ったという実績があれば、たとえ魔法が使えなくても学院も処遇を検討するのではなくて?」


 ぴくりとコルンの耳が動いた。


「本当ですか? もう一度勝ったら退学じゃなくなるですか?」

「ええ。学年トップを二度も模擬戦で破った生徒をむざむざ退学にするほど、先生方も馬鹿じゃないと思うけれど」


 初年度の壁さえ突破すれば、あとは1000年でも留年できるガバガバな制度はわりと馬鹿な代物だと思う。現在の制度では2年以降でも強制放校があるのかもしれないが。


 そんな俺の内心をよそに、コルンは跪いていた姿勢から立ち上がる。


「では模擬戦するです! よろしくです! 勝ったら指導お願いするです!」

「ええもちろんよ。だけど、わたくしが勝ったらちょっとしたお願いを聞いてもらうわね」

「なんでも大丈夫です!」


 ぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねるコルン。

 だが、俺は嫌な汗を背筋に感じた。


 コルンは今、負けたときに相手が出す条件を聞かずに了承した。

 どんな状況であれ、白紙の小切手というものは絶対に切ってはならない代物だというのに。


―――――――――――――――――――――――――――……


 仮にも学び舎なので、生徒同士の私闘は禁止されている。

 訓練場を借りての模擬戦には教員が立ち合い、戦技の優秀さが認められればそれも成績への加点要素となる。


 校庭隅の第一訓練場。

 審判役として立っている教員は、さきほどの講義室で実施される予定だった授業の主である。

 リーズがその場の全員を煽って連れ出したので、講義はもぬけの殻。がら空きの講義室に呆然とした教員は、それから事情を知って「どうせ暇だから」と審判になったらしい。


「いいかお前ら。今日の分の講義は補習するからな」


 まばらな返事が生徒たちから上がる。

 俺は私物のローブのフードを被り、その中に紛れて観戦していた。


 わざわざ決闘を見守る義理などありはしない。純粋に不安だったからだ。

 コルンの馬鹿さと口の軽さを目の当たりにした今、俺の賢者という立場は薄氷の上にある。

 何か余計なことを喋りそうになったら、賢者っぽい仕草で介入して煙に巻く。そういう算段だ。


「それでは。コルン・アーヴェ対リーズ・ハイゼベル。フィールドからの場外あり。降参あり。有効打が入っても即時中断はしないが、危険と判断したら速やかに中止する。そのルールでいいな?」

「いいです!」

「構いませんわ」


 審判の確認に対し二人が応じるが、ややあって審判は言いよどむ。


「しかし……勝負になるか? コルン・アーヴェは魔法が発現していないだろう。そりゃあ、魔力があるだけでも身体能力は高まるが……」

「大丈夫です! 私、体力だけは自信あるです!」


 確かに俺が見た成績証の中でも、身体能力だけは高水準にあった。正体がドラゴンというなら当然のことかもしれない。


「始め!」


 俺が考えているうちに、模擬戦が始まった。


 同時に爆発的な土煙が起きた。

 一瞬前までコルンが立っていた場所に、空から突き刺さるかのような竜巻が発生したのだ。それを生み出すのは、リーズの立てた右の人差し指だ。


 左右の手指に、合計で十の指輪。

 性質の異なる宝石がそれぞれ嵌っており、振る指の組み合わせで臨機応変に魔法を練り上げることができる。


 無論、高等技術である。俺は指輪の組み合わせなどできない。ついでにいえば指輪を買う金もなかった。財力もまた才能なのだ。


「すごいです。私もこういうの使いたいです」


 が、そんな財力による初撃が放たれた中、コルンはあっけらかんと無傷だった。

 どんな反射速度をしているのか。既に竜巻とは離れた場所を猛スピードで駆けまわっていたのだ。


「足掻いても貴女に勝ち目はありませんわよ!」


 リーズの指が組み替わる。

 今度は竜巻で空中に舞い上がった土が、途端に質量を増して大量の石礫となる。

 そして石礫は、意思を持った鳥のごとくしてコルンへと飛来した。


「あだだだ! です!」


 これは回避できないと見たか、コルンは両腕を交差させて防御の姿勢。

 しかし防御一辺倒というわけではなく、その姿勢のままリーズへとじりじり歩み寄っていく。


 だが、あまりにも無謀な動きだ。

 交差している腕のせいで前方がロクに見えていない。あの状況で必殺の一撃を放たれたらお終いだろう。


 と、そのとき。


 リーズが妙な動きを見せた。

 まるで戦うことを忘れたかのように、指を構えるのをやめてふらりと後退したのだ。


 後退の動きが早まる。

 迫ってくるコルンから距離を取り、しかしそのままではフィールドの境界線を踏み越えようとしたとき、


「っ!」


 いきなりリーズが己の額を殴った。

 指輪を嵌めたままの拳がサックの代わりとなったか、その真っ白な額から微かに血が流れる。


「……やっぱり貴女、魔法が使えないというのは嘘でしょう?」

「はいです?」


 敵の自傷行為にぴたりと足を止めていたコルンに、リーズの声がかかる。


「前もそうだった。貴女と戦うと、妙な立ち眩みが起こって場外になりそうになる。このわたくしに発動すら悟らせないなんて、大した技術よ」

「違うです。私はまだ魔法使えないです」


 律儀に足を止め、ぶんぶんとコルンは首を振る。


「じゃあ、この立ち眩みは何? 薬でも盛ったというつもり?」

「えーとです……たぶん、あなたの実力が凄いからです。だから私と戦うのを嫌だと察知してるです」

「……?」

「あっ! でもこれ以上は秘密です!」


 しばし首を傾げていたリーズだったが、やがて額の血を拭った。


「いいわ。わたくしが勝ったときの条件を何にしようかと思っていたけれど――決めた。あなたのその秘密を吐いてもらうわ」

「え」

「賢者様と約束したっていう秘密にも関わりがあるのかしら? そちらも教えてもらうわよ」


 明らかにコルンが狼狽を始めた。

 馬鹿か。口を滑らせた上に、それで勝手に動揺するとは。


 そんなもの、白状を迫られても適当な嘘を答えてしまえばそれで――


「だだだ、ダメです! ぜったいに秘密は秘密です! ああっだけど勝ったらお願いを聞く約束が……」


 ダメだこいつ。

 頭の融通が効かなすぎる。


「そうと決まればわたくしも本気で勝ちにいくわ! せいぜい怪我をしないよう努力なさいな!」


 リーズがまるでピアノを弾くかのように、宙で滑らかに指を動かし始める。

 光弾。氷の矢。動きを拘束せんと伸びる木の根。正体不明の衝撃波。多種多様な攻撃が次々にコルンに襲い掛かり、もはや回避も敵わずダメージは蓄積されていく。


 俺はもはや負けを覚悟した。


 あの調子だと、敗北と同時にコルンは洗いざらい白状してしまうだろう。

 ドラゴンの件は――もはや俺の手には負えない。偉い人たちに任せよう。


 ついでに俺の賢者風留年の罪も暴露されるだろうが、まあ放校処分くらいで済むだろう。学校を出ての生活など想像もできないが、まあ健康な身体はあるのだからきっと何とかなる。


 所詮は一時の恥だ。


「ま、待ってです! 一回だけ休憩欲しいです! タイムです!」


 既に満身創痍の状態だったコルンが両手をぶんぶんと振ってアピールする。リーズは攻撃の手を多少緩めて、審判の方を見る。


「従う必要はあるかしら?」

「中断はルールにないが……決闘者の合意の上でなら」

「いいわ。わたくしも額の血を止めたいから。服に付いたら嫌だもの」


 中断が宣告されるや、コルンは観衆の生徒たちの中へ飛び込み、まっしぐらに俺の方へと来た。そして俺を丸太のごとく抱えて遠くに運ぶや、こう言った。


「ごめんなさいです。私、負けちゃうです」

「だろうな」

「秘密バレちゃうです」

「いいよ……お前の方の事情は俺の知ったことじゃないし、俺の事情なんて大したことじゃないから……」


 わざわざ謝罪のためだけに試合中断を求めたのか。

 天然ではあるが、悪い奴ではないのかもしれない。


「そうなのですか。やっぱり賢者様は賢者様です。覚悟が据わってます」

「どうせ放校処分くらいだ。そろそろいい加減学院暮らしにも飽き飽きしてたし――」


 そこでいきなり爆弾が投じられた。


「賢者様の呪い。たぶん卒業以外の形で学校を追い出されたら死んじゃうです。一気に1000年分老化して骨になるです。それを承知で放校になっていいって、すごい覚悟です」



 ――は?



「あ、そろそろタイムが終わりそうです。戻るです。たぶん負けるけど最後まで頑張るです」


 あまりの衝撃で俺が放心状態になっている間に、すたこらとコルンは決闘のフィールドに戻っていった。


 待て。

 ちょっと待て。


『卒業するまでは死ねない呪い』って、卒業以外で学校を追い出されたらそんなペナルティあるの?

 つまり俺、今日ここで骨になって死ぬの?


 滝のような汗が全身から噴き出た。

 今にも決闘は再開される。万全のリーズはせいぜい残り十数秒で満身創痍のコルンを倒すだろう。コルンも今の伝言を終えて、どこか諦めムードに見える。


「それでは、タイム終了。これより試合を再開する」


 絶望的な審判の宣告。


「安心なさい。いたぶる趣味はないから、楽に終わらせてあげる」


 これまた絶望的なリーズの宣告。

 粘ってさっきみたいに相手の場外負けを狙えと言いたいところだが、既にコルンは足があまり動いていない。


「負けるなコラぁ―――――――っ!!」


 俺はフードをかなぐり捨て、悲鳴じみた声援を発した。

 その場の全員がこちらを向く。俺の顔に気付いた生徒が「賢者様!?」と驚愕する。


「け、賢者様!? だけどさっきは負けっていいって言ってたです……」

「前言撤回だ! そういうときは負けていいっていわれても発奮して負けないって言うもんだろ! いいか絶対負けるな勝て!」


 俺は脳みそをフル回転させる。

 白骨化リスクが見えた以上、これからは絶対に賢者としてボロを出すわけにはいかない。放校=死だ。そして俺の秘密を知るこのコルンにも、ボロを出させるわけにはいかない。


 そのために、ここでコルンを負けさせるわけにはいかない。


「予定変更だが、許す。我が弟子コルン。ここで俺が教えた秘術を使え。禁じられた古代魔法の一つ」


 流れるようにハッタリが湧き出る。

 伊達に1000年間、賢者っぽい言動を追求し続けたわけではない。


 声に威厳を乗せて俺は必殺の叫びを放つ。


「――『竜化魔法』を!」

「竜化魔法です? なんですそれ? 聞いたことないです」


 俺は盛大にすっ転んだ。

 このコルン。全っ然言葉の裏を読んでくれない。


「だから! ドラゴンに変身していいって言ってるんだ! 今ここで!」

「え? でもいいですか? 秘密にしなきゃですけど」

「いい! 俺が保証する!」


 コルンの目が輝いた。良くも悪くも素直な奴だ。


「どんな魔法だろうと、その前に仕留めればいいわ!」


 俺の言葉に警戒を最大としたリーズが、これまでで最大の攻撃を仕掛けてくる。かざす指は全十本。何の手加減も容赦もない気配。審判が止めようとしたが、もはや双方止まる気配ではない。


『我が真なる力をここに』


 コルンの身が光に包まれる。

 その光はみるみるうちに膨らみ、やがて巨大な翼を、胴体を、爪を、顎を――ドラゴンの姿を創り出していく。


 リーズの十指から放たれた光線が、螺旋状に絡み合って一本の攻撃となる。

 しかしその攻撃は、ふいに掻き消された。


 振り抜かれた竜の一爪によって。


 変身の光が晴れた後に現れたのは、全身を赤い鱗に覆われた炎のようなドラゴンだ。

 あらゆる生物の頂点。絶対の強者にして捕食者。それを前にしては、貧弱なる人間などただの塵芥に過ぎない。


 もはや芸術的とすらいえる破壊の化身を目の当たりにした俺は――



 やっぱり白目を剥いて気絶した。



―――――――――――――――――――――――――――……


「賢者様! 賢者様! 起きてくださいです!」


 揺り起こされて意識を取り戻す。

 どことなく既視感のある展開に目を開くと、やはり眼前にはコルンがいた。


「ど、どうなった……?」

「審判もみんな気絶したから勝ちも負けも付いてないです。でも、起きてた私が勝ちですね?」

「そうだといいな……」


 身を起こして周りを見れば、見事に全員気絶していた。俺は二度目ということでコルンの真の姿を目に覚えることができたが、生徒たちの大半は記憶もないかもしれない。


「ところで賢者様。本当にドラゴンになってよかったですか? 怒られないですか?」

「怒られるかどうかは正直分からんが、さっきはあの手しかなかった」


 それよりもまず、と俺は話を切り替える。


「俺の呪いって卒業しないと死ぬの?」

「たぶんです。そんな気がします。嗅いでみた感じ」


 ドラゴンの嗅覚がどんなものかは分からないが、敢えて無視する気には到底なれない。


「バレないように立ち回ってなんとか卒業目指すって……無理だろ……もう肚括って死を選ぶかな……」

「呪いで死んだら、伸ばしていた寿命年数の分死後に魂だけ苦しむ感じの匂いもするです」

「めちゃくちゃ鼻いいね」


 元の寿命が100歳だったとしても、ざっと900年は魂で拷問じみた苦しみを味わわなければいけないのか。死んでも嫌だ。死んでるけど。


「そもそもさ。お前、あんなに強いのに魔法習う必要とかあるの?」

「私なんて元の姿でも、単に頑丈で腕力があるだけです。親戚のドラゴンたちはもっとすごいです。私が100頭いても敵わないくらいの人もいるです」


 もしその方々に怒られたら、ほぼ間違いなく俺は死ぬ。

 俺がコルンの正体バレに加担したとなれば八つ裂きは免れない。ついでに死後は呪いのコンボだ。


 絶望で目の前が真っ暗に染まる。

 あのクソ校長、まさかここまで俺が苦しむのを想定して呪いをかけたのか。学問を舐めた者が落ちる地獄は今この場だというのか。


「えっと……コルンだっけ」

「はいです」

「嘘がバレたらまずいから、今後の方針決めさせてもらっていい? まずはさっきの変身を古代魔法の『竜化』っていうことにして、退学と正体バレを同時回避しつつ……」

「『りゅうか』ってなんです?」


 あまりにもペテンとは程遠い純粋な疑問の声に、俺は両手で顔を覆った。





 その後、賢者がとうとう初の弟子を迎えたことは学院中の話題となったが――その逼迫した裏事情を知る者は、当の二人以外に誰もいなかった。

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[良い点] コルンの最後のセリフが突き刺さった [気になる点] 続きが気になる
[良い点] 面白かったです!推しキャラは普通にめちゃくちゃいい子のリーズちゃんです。
[良い点] いつも通りあほの子しかいない!(´・ω・`) [気になる点] 学校外に遠足に行く!という建前でお出かけするとどうなるんだろう…(´・ω・`)
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