9/36
中央本線 韮崎-小淵沢
韮崎駅、新府、穴山、日野原と列車は過ぎて行く。八ケ岳や清里高原が右の車窓から見えるというところで穂高は起きた。
「穂高、あの山なにか知ってるか。」
「八ヶ岳でしょ。」
「そうだ。日本百名山のなかに入っているんたぞ。富士の山も、穂高岳、伊吹山も入っているぞ。」
「今は夜だからうっすらとしか見えないけど、昼に撮った写真があるからみてみるか。」
そう言い、穂高に広高は一枚の写真を見せた。中央本線の名物の特急「あずさ」が、八ケ岳をバックにして快走している姿である。
「広高って鉄ちゃんなのかなと思った。」
「旅館の支配人が、配ってたやつ。小淵沢やったか清里やったかは忘れたけど、北杜市内にある。」
「もう少ししたら、諏訪湖があるんでしょう。」
「あ、そうそう、愛花とか穂高の新しい姉妹も、上諏訪から乗ってくるはず。青春18きっぷで一泊二日で名古屋に行ってきた帰りみたいだな。」
山梨県内の叙述は、次で終わりになりそうです。