第70話 そこまでは言ってない
地獄のような半生問答から10日余りが経過したある昼下がり、砂を裂くもので疾走するナナシ達は、陽炎の揺らめく向こう側に、停泊する機動城砦の姿を見止めた。
「あれがペリクレスですか?」
「はい。主様、ミオ殿から聞いた通りの形状です。恐らく間違いはないかと」
肩越しのその回答に頷いて、ナナシは注意深く機動城砦へと近づいていく。
小規模なオアシスのすぐ脇に停泊するそれは、これまで見てきた機動城砦のいずれとも似ても似つかない形状。
涙型とでもいうのだろうか。言うなれば、楕円形の一方を鋭角に尖らせた、そんな形をしている。
「あそこが正門の様ですね」
ゆっくりと機動城砦の周りを周回していると、最後尾、円形部分の中央辺りに大きな門があり、そこからオアシスへと伸びる可動橋の上には人がごった返しているのが見えた。
ゲルギオスへ潜入した時とは違って、今回は正規の使者としての来訪である。
城壁を乗り越えて侵入する必要もなく、正門から正規の手続きを経て入城することができるはずだ。
ナナシ達は出来るだけ目立たない様に、オアシスの裏手へと降り立ち、砂を裂くものを背中に担ぐと、オアシスの中を通過して、ペリクレスの正門へと向かう。
おそらくこのオアシスにペリクレスが到着してから、大して時間が経っていないのだろう。未だに正門は、ペリクレスに搭乗する者、降りる者でごった返している。
その人波の中、ペリクレスへと入城する人の列にナナシと剣姫は並んだ。
門前では、幾人もの衛兵が質疑を繰り返している。
ナナシ達の番が来ると、衛兵はナナシの方をチラリと見た後、剣姫の姿を確認すると、ほぉと溜息をついて頬を緩めるのが見えた。
「氏名とペリクレス来訪の目的をお伺いします」
「は、はい。ナナシと言います。目的は……」
ナナシが慌てて答えようとすると、衛兵はナナシの肩を突き飛ばした。
「奴隷の分際で出しゃばるんじゃねえよ! 俺は、こちらの淑女、お前のご主人様に話をしてるんだ!」
衛兵に睨み付けられて、ナナシは自分のミスに気が付いた。
サラトガで普通に人として扱われてきたが為に、自分が本来、疎まれ、蔑まれ、見下される対象であることを、つい忘れてしまっていたのだ。
別にショックでもなければ、腹も立ちはしない。ただ自分の迂闊さにあきれるばかりだ。
ははっと取り繕うに愛想笑いを洩らしたその時、吐息が白く曇ったのに気付いて、ナナシは戦慄する。
マズい!
咄嗟に剣姫の方を振り向くと、俯いてブツブツと何かをつぶやく彼女の足元の地面が、凍り付きはじめているのが見えた。
「コロス、コロス、コロス、コロス、コロス、コロス、コロス、コロス…………」
剣姫の呟きを聞き取って、ナナシが蒼褪める。
「ひいぃぃぃ!」
それとほぼ同時に、衛兵の悲鳴じみた声が正門の一帯に響いた。
慌ててナナシが振り返った時には、衛兵は既に足首のあたりまで、凍り付きはじめている。
「ちょ! 剣姫様! ダメ! ストップ! ダメです!」
しかし、ナナシの制止の声も剣姫に届いている様子はない。
ダメだ。……完全に我を失っている。
件の衛兵が、腰の辺りまで凍り付いたあたりで、次々と集まってきた衛兵達がナナシと剣姫を取り囲み、剣を抜き放った。
二人を遠巻きに取り囲む剣林を見回しながら、ナナシは両手を挙げる。
害意は無いのだとアピールするも、剣姫が衛兵の一人を絶賛氷結中なのだから欠片も説得力がない。
その時。
「貴様ら! そこで何をしている!」
門の上の物見台から、一際ごつい体格をした男が声を上げた。
ナナシ達を取り囲む兵が一瞬、怯える様な素振りを見せる。どうやら彼らの上官らしい。
「い、いえ、すいません。ちょっと行き違いがありまして」
ナナシがそう声を上げるとそのごつい体格をした男が呆れた様な声を出す。
「ならば、部下の氷結を解いてやってほしいのだが」
「わ、わかりました」
そういうとナナシは剣姫へと向き直る。
未だ、我を忘れた様子の剣姫を見て、ナナシは意を決する。
恥ずかしい。でもやるしかない。
ナナシは、剣姫の頬に掌をあてて撫でながら、出来る限り甘い声を出して耳元で囁く。
「マリス、ああ、僕の可愛いマリス。落ち着いておくれ」
ハッと顔を上げたかと思うと、剣姫は一瞬驚いたような表情をした後、とろんとした目でナナシを見つめる。
は、恥ずかしい。
もし、ナナシが今死んだら死因はおそらく、恥死もしくは悶死である。
衛兵の氷結がゆっくりと溶け始めるのが見えたが、逆に周囲の視線が氷点下に落ちていくのがわかる。
「大丈夫かい? マリス」
「ひゃ、ひゃい」
そう言ってナナシが、剣姫の頬を撫でたその瞬間、剣姫の顔がぼんっと音を立てそうな勢いで真っ赤に染まる。
そのまま剣姫はうっとりとナナシを見つめながら、その胸元に頬を埋める様にしてもたれ掛った。
「うおっほん!」
その瞬間、城壁の上から、ごつい男が実にわざとらしい咳払いをし、ナナシは剣姫の傍から一歩飛び退くと、剣姫は名残惜しげに「あっ」と小さく声を上げた後、ごつい男を睨み付けた。
「どういうことか説明してくれるか、少年」
「お騒がせしてすいませんでした。僕はナナシと言います。
サラトガ伯からの正使としてマレーネ様へと書簡をお持ちしました。
彼女は僕の護衛としてついて来て下さった、銀嶺の剣姫様です」
ナナシの言葉に周囲が一斉にざわめく。
銀嶺の剣姫の名がいかに知れわたっているかを感じざるを得ない。
「うむ、使者殿、失礼しました。マレーネ様より話は伺っております。お通りください」
ゴツイ体格の男が、申し訳なさげにそう言うと、未だに警戒しながら二人を取り囲む衛兵達を、威嚇する様に見回して剣姫は言った。
「やはりこの無礼な衛兵達は、教育した方が良いかと。よろしいですか?」
「マリス! 止めて、全然よろしくないから!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その後もナナシの心労は重なる一方であった。
ペリクレス城へ到着した際にも、同じように一悶着あったのだ。
具体的には、案内の家政婦が、奴隷は表で待つようにと、ナナシへと言い放ち、シッシッと犬でも追い払うような手つきをしたのだ。
例によってナナシは慣れたもので、そんなことでは何とも思いはしないが、剣姫の方はそうはいかない。
家政婦諸共、城ごと吹っ飛ばそうとする剣姫を宥めるのは、非常に骨が折れた。
完全に腰を抜かした家政婦をナナシが背負って応接室までくると、「ご、ごゆっくり!」という言葉を残して、家政婦は四つん這いで応接室を飛び出して行った。
「無礼な人間ばかり! 主様はもっと怒ってもいいと思います!」
腹の虫がおさまらないといった体で、剣姫は憤慨する。
「ははは……とは言っても、実際地虫だからね。仕方ないさ」
ナナシのその言葉に、剣姫は何かを言おうとして口をつぐんだ。
気まずい沈黙に耐えかねて、ナナシは窓の方へと歩み寄って外へと目を向ける。
同じ機動城砦とは言っても、町の様子は大きく異なる。
見る限り、ペリクレスはサラトガに比べて、緑は少なく比較的大きな家が目についた。富裕層が多いのかもしれない。
そして、その家々の向こう側には、円筒状の巨大な建造物が見えた。
「なんだろう、あれ?」
ナナシがそう呟くのと同時にカチャリと音を立ててドアが開き、少女が一人部屋へと入ってきた。
綺麗に前髪を切りそろえた肩までの白い髪、肌の色として白いということではなく、絶対値として白い肌。
エスカリス・ミーミルの人間らしい紅玉の瞳が際立って、少女は、人間というよりはウサギの方がより近似の存在であるようにさえ思える。
「……マレーネ」
異形の少女が一言そう名乗ると、すぐ隣に立った背の高い家政婦がまるで通訳するかの様に口を開く。
「私が次期ペリクレス伯マレーネ・ドゥ・シャリスだ。と、仰られています」
どう考えてもマレーネとしか、言ってないですよね。
胸の内でそうツッコミを入れながらナナシは口を開く。
「はじめまして、僕はナナシです。ミオ様から事前にご連絡いただいて……」
ナナシがそこまで言ったところで、マレーネはプイと顔を背け、代わりに家政婦が無表情に口を開く。
「黙れ地虫、耳が穢れる。と、仰られています」
ナナシがピシリと硬直する。
この罵詈雑言についてもナナシ自身は何とも思わない。問題は剣姫の方である。
恐る恐る剣姫の様子を伺うと、張り付いた笑顔を浮かべて、小刻みに震えているのがわかった。
剣姫のその変化に気が付いているのかいないのか、剣姫の方へ向き直ってマレーネが口を開く。
「銀嶺の剣姫…噂…」
「貴公が有名な銀嶺の剣姫だな。噂は聞いておる。と仰られています」
「こ、光栄……です」
ギリっと奥歯が鳴るのが聞こえた。
ナナシは剣姫の耳元に顔を寄せて囁く。
「僕の話は聞いてもらえそうにありませんから、マレーネ様には、剣姫様から説明をお願いします。あと、僕は大丈夫ですから、何を言われても絶対に怒らないこと。いいですね」
剣姫は複雑な表情を浮かべながらも、こくりと頷き、マレーネへと向き直る。
「早速ですが、ミオ殿から事前にお伺いいただいている通り、ペリクレス伯の命を狙っておる者がおります。
その者はペリクレス伯を殺害の上、誰も気づかぬ内にゴーレムに成り変わらせて、ミオ殿の裁判において有罪に票を投じるつもりです。我々がここへ来たのは、それを阻止するため。ペリクレス伯をお守りするためです」
剣姫の言葉をぽかんと口を開けて聞いた後、マレーネは苦笑しながら呟いた。
「無意味」
「折角ですが、それは無意味です。
父様は成りすまされるまでもなく有罪に票を投じるはずです。
日和見と言われても、ファティマ殿下を失った皇王陛下を逆撫でする様な益の無い行動を取る理由がありません。と仰られています」
「例え、そうであったとしても間違いなく有罪に票を投じるために、ペリクレス伯を狙ってくるのではないでしょうか?」
マレーネがブンブンと首を振る。
「皇王陛下の意向に父様が絶対に逆らう事が無いことは、誰もが知っています。ミオならば、もしかしたら私が父様を説得してくれるものと思っているかもしれませんが、実際は無理な話です。と仰られています」
「ミオ殿はあなたのご学友ではないのですか?」
「大切」
「大切な友達ですが、だからといって父様が私の言うことを聞いてくれるはずがない。どうしようもないのだ。と仰られています」
剣姫の背後で押し黙りながら、ナナシは呆気にとられていた。話の内容にではない。この家政婦の代弁スキルにだ。
世の中にはいろんな人がいるものだ。ナナシは他人事の様にそう思った。
「大切な友達だとおっしゃるならば、何か! 何かペリクレス伯を説得する方法は無いのですか?」
剣姫の声が必死さを帯びて、一段階大きくなる。
マレーネは一瞬ビクリと身体を震わせた後、考え込むような素振りを見せた。
そして、
「一つだけ。剣帝の権利」
と呟くと、家政婦は驚いたような表情を見せ、マレーネの方を二度見した後、直ぐに表情を戻して口を開く。
「一つだけ方法があります。我がペリクレスは剣闘の都。その頂点、剣帝には、幾つかの副賞の一つとして、領主に望みを言う権利が与えられます。そして領主は自らの力が及ぶ限り、それを叶えるという義務が生じるのです。と、仰られています」
「つまり、剣帝なる人物にその権利を行使してもらう様にお願いするということですか?」
剣姫のその問いに対して、マレーネはゆっくりと首を振る。
「いえ、先代の剣帝は既にこの地にはおりません。と、仰られています」
不意にマレーネが、ナナシを見つめて口を開く。
「剣帝になる」
「上位ランカーによるトーナメントが明後日より開始されます。私が所有する剣闘奴隷ということであれば、この大会へ特別枠としてねじ込むことは可能。と、仰られています」
「つまり、私がそれに参加すると?」
剣姫の言葉にマレーネはぶんぶんと首をふる。
「剣闘奴隷は男性のみです。と、仰られています」
マレーネはつかつかとナナシの方へ近づいてくると、値踏みをするような目でナナシを見回す。
「お前、闘える?」
「この腐れ地虫。貴様は強いのか? と、仰られています」
腐れ云々の部分は絶対言ってないよね。と思いながら、マレーネへとナナシは頷く。
「つまり、僕が奴隷として、参加し優勝を目指すということですね」
「そう」
マレーネが頷く。
「わかりました」
ナナシが、そう答えると、剣姫は何か言いたげにこちらを見ているのがわかった。 止めたいが、他に方法が見当たらないということも、分かっているのだろう。
「首輪を」
「かしこまりました」
マレーネがそう命じると家政婦は、応接室の戸棚の一つを開け、首輪を一つ取り出す。
中央に赤い精霊石の嵌った黒革の首輪。
「これは奴隷の証です。これを着用していなければ剣闘奴隷と認められず、トーナメントに参加することはできません」
「わかりました」
差し出された首輪を手に取ると、ナナシは自ら首へと装着する。
留め金をカチリと留めた途端、一瞬、淡い光が首輪をつつんだ。
その様子を見て、マレーネとメイドは目を見合わせたかと思うとニヤリと笑いあった。
「かかった」
「ええ、マレーネ様。かかりました」
「……何を言っている」
不穏なものを感じて、剣姫は愛剣『銀嶺』に手を掛けて二人を見据える。
しかし、それに怯えることなく家政婦は顔を歪めて、嘲るような笑みを浮かべる。
「この地虫が今嵌めたのは呪いの魔道具、隷属の首輪さ。これで、コイツは一生マレーネ様の操り人形だ」
「なんだと?」
マレーネが一歩進み出て、剣姫を睨み付ける。
「動くな」
「おっと、動くなよ。銀嶺の剣姫! 舌を噛み切って死ねと命じることも出来るんだぜ。と、仰られています」
「くっ!」
悔しそうに歯噛みする銀嶺の剣姫を見据えて、マレーネと家政婦はニヤニヤと笑う。
「お前も」
マレーネのその一言に家政婦は頷くと、べろりと舌を出して、高笑いを始める。
「ヒャッハハハハハ! さあ、銀嶺の剣姫。この腐れクソ虫の命が惜しければ、貴様にもこの首輪を付けてもらおうか。
名高い貴様を我がペリクレスに迎えることが出来れば、わが軍は無敵となる。
そうだ! メルクリウスやアスモダイモスも恐れるに足らず、この国を我がペリクレスが征服することだって可能になるのだ
さあ、銀嶺の剣姫! この隷属の首輪をつけて、我が奴隷に堕ちよ! そして今すぐこのマレーネ様の靴に口付けでもしてもらおうか! と、仰られています」
「……そこまでは言ってない」
マレーネは家政婦にじとっとした視線を向け、家政婦は小さくなって呟いた。
「すいません。調子に乗りました」
<おまけ>
ずいぶんと登場人物が増えてきたので、70話終了時点で、何処に誰がいるのかを一覧に整理しておきます。
■【機動城砦サラトガ】
現在:首都に向けてストラスブル/ローダを曳航中。
(現在サラトガにいる主な人物)
サラトガ伯 ミオ・レフォー・ジャハン
ダダ甘ポンコツお姉ちゃん キリエ・アルサード
メイド兼軍師 ミリア・アルサード
特務隊隊長(狼飼育係) アージュ・ミアージュ
1/4狼少女 ニーノ・スフィットヴィルデンバーク
紅蓮の剣姫(漫談) ヘルトルード
第一軍・第二軍統括(暫定) ペネル
魔術師隊副官(丸顔) セファル
筋肉の名称を唱えるだけの人 グスターボ
黒薔薇隊 メルトザニ/ガラスク 他
狼人間 ポチ/タマ/シロ 他
アスモダイモス軍将軍(酒樽) モルゲン
気の良いアスモダイモス兵達 剽軽な顔をした男 他
幹部フロアカフェのマスター ベルドット
グスターボ付のメイド マリア(名のみ登場)
■【機動城砦ペリクレス】
現在:首都近郊のオアシスに停泊中
(現在ペリクレスにいる主な人物)
主人公 砂漠の民 ナナシ
銀嶺の剣姫(天然) マスマリシス・セルディス
ペリクレス伯 未登場
ペリクレス伯の娘 マレーネ・ドゥ・シャリス
代弁メイド 姓名未登場
ゴツイ体格の男 姓名未登場
■【機動城砦ストラスブル】
現在:魔晶炉停止中、サラトガに曳航されて首都へ向かう。
(現在ストラスブルにいる主な人物)
ファナサードの執事 クリフト
■【機動城砦ローダ】
現在:ローダ城崩壊に伴う停船、サラトガに曳航されて首都へ向かう。
(現在ローダにいる主な人物)
ローダ伯 ボルフトロット
■【機動城砦ゲルギオス】
現在:サラトガから離脱後不明
(現在ゲルギオスにいる主な人物)
ゲルギオス伯 キサラギ(???)
キサラギの側近魔術師 姓名未登場
皇姫 ファティマ・ウルク・エスカリス
ベアトリス3姉妹次女 マーネ・ベアトリス
嘘つき奴隷少女 マリー(マリールー?)
球根頭の少女 ハヅキ(ファナサード)
砂漠の民(通称:猪) ヘイザ
おっぱいソムリエ キスク
■【機動城砦アスモダイモス】
現在:首都に向かって高速航行中
(現在アスモダイモスにいる主な人物)
アスモダイモス伯 サネトーネ(???)
死霊術士 マフムード
サラトガ家宰に化けたゴーレム ボズムス (???)
■【機動城砦メルクリウス】
現在:首都近郊を低速航行中
(現在メルクリウスにいる主な人物)
メルクリウス伯(戦争狂) クルル・フォン・シュレヒター
サラトガの一等書記官 キルヒハイム
■【機動城砦カルロン】
首都として停泊中
(現在カルロンにいる主な人物)
カルロン伯 未登場
エスカリス・ミーミル皇王 パルミドル・ウマル・エスカリス
■【機動城砦 ???】
未登場
(現在行方不明の主な人物)
皇家直属の代官 ピピン・バスケイド
熟女フェチのロリコン将軍 メシュメンディ
巨乳筆頭魔術師 シュメルヴィ
ベアトリス3姉妹長女 イーネ・ベアトリス
ベアトリス3姉妹三女 サーネ・ベアトリス
(主な死亡者)
アスモダイモス軍将軍(鉄髭) ズボニミル・ダボン
先代ゲルギオス伯 ゲッティンゲン




