第十六話「帰りのことⅡ」
いつものメイド服ではなく普通の私服姿の麗子だった。
「そのバイクどうしたの?それにその服」
黄色いオートバイに指さした。
「はい。バイクは、移動手段に買いました。さすがにあの格好では、目立ちますし運転しづらいので」
「へ~」
「剣様。後ろにいるお方は……」
剣の後ろに隠れている愛に気がづき聞く。
「あ、えっと。この間隣のクラスに転校して来た七塚さん」
「はじめまして。七塚愛といいます」
前に出て来て挨拶する愛。
「私は、剣様のメイドの麗子です」
深々と頭を下げる麗子。
「メイドさん?山口君に美人のメイドさんいたのですか?」
剣を見る愛の顔は、どことなく怖さを感じる。
「いや~実は……」
剣は、麗子が来た理由をすべて話た。
「なるほど。そうですか……お母様が」
「そうなんだ。だから、昼間の弁当も麗子さんが作ったやつだったんだ」
「嘘をついたんですね?」
目が笑ってない怖いよ。
「ごめん」
「……許します。ちゃんと話してくれたので」
「ありがとう」
一歩近づいて来て。
「次、嘘つきましたら許しませんよ」
口元に手に当ててクスクス笑う。
「うん」
実は、愛って怒らせたらかなり怖いんじゃないかとこの時剣は、そう思った。
「剣様。お迎えに来ましたがこのまま七塚様とお帰りますか?」
チラッと愛の方を見てから。
「うん。そうするよ」
「分かりました。お気をつけて」
そう言ってフルフェイスのヘルメットを被って、乗って来たオートバイに跨り、アパートの方へ走り去って行った。残った二人は、並んで歩き出した。
「さっきは、驚きました」
「あぁ、なんか急だったからね」
商店街通りを歩く二人。話が何故か進まず無言になってしまう。
「七塚さん。学校は、もう慣れた?」
「はい。皆さんとても仲良くしてくれますので」
「そう、よかった」
「山口君もだよ」
「俺も?」
「一緒に帰ってくれますし、私が作った料理も美味しいって言ってくれますし」
「料理は、本当に美味しいからね。ずっと食べたいね」
「え?」
愛が立ち止まり剣を見る。振り返って愛を見る。今自分がったことを思い出し顔が赤くなる。慌てて手を横に振る。
「いやいや」
「食べたいんじゃないのですか?」
下を向く愛。
「そうじゃなくて!えっと。あぁ~」
愛の両肩を掴んで。
「うん。美味しいからまた作って下さい」
真っ赤になって愛に言うと下がっていた感情が一気に嬉しい感情に変わる愛。
「はい!また作りますね。剣君」




