お父さんはみそっかす4
一年ぶり。
「ユリ姉、相談があるのだけど。」
いつまでもクロに耳を塞がれていては進めない…と、
スミレはその手を剥ぎ取り、うっとりとした表情で大変エロ美しい姉に声をかけた。
「リンク兄に会いたくない?」
「会いたいけど、理由なく行ってはいけないってお父様にもリンクにも止められてるから…」
きっと父ゼノンに言われたとしても強行するだろうが、リンクに止められているのがミソだろうとスミレは思った。
普段ガンガンいこうぜ!すぎるユリだが、やり過ぎて嫌われたらいやっという乙女的な考えもあわせ持っているので本気でリンクが拒否る事はしない。
それがなくなれば終わりである。
「私ね、お友達のプレゼント選びを母さんに付き合ってもらおうと思っていたの。
けど、父に知られてしまったから無理やりついてくるか色々監視されそうで嫌だからユリ姉に付き合ってほしいの…だめ…?」
スミレが可愛らしく首をかしげると、ユリは微笑んだ。
「別に私はリンクが居なくて暇だから別に構わないわよ?
かわいい妹の頼みだもの。姉妹二人で出かけるなんてはじめてかしら。」
リンク第一主義のユリと、ややひきこもりな上に魔力過多で寝込みがちなスミレがそろって出かけるということはほとんど無く、姉妹二人で何かするということが全く無かった。
「ユリ姉と一緒にならばおでかけできる場所があるの。
クロも同伴すればオッケーだと思うの。
説得、手伝ってもらえる?」
「…?
スミレ、どこに行きたいの?」
「アオ兄と、リンク兄のいる学園島。」
そう言った瞬間、
ユリは目を見開きユリの手をガシッと握ると猛ダッシュで駆け去っていった。
「…あの様子ならば、許可はとれると思いますので朝食を召し上がってください。」
「そうね、よろしくクロ。」
我に返ったクロードにエスコートされスミレは食堂へ向かった。
楽しい一日になりそうだ。
次回、ユリ襲来。です(・∀・)ノ