表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/11

お兄ちゃんの心、妹知らず。2

長くなったΣ(´□`;)


私の名前はスミレ。

ハナモリ家の末っ子。いいとこ取りの残念美少女の姉と受け顔な美少女にしか見えない兄が兄弟にいる。

万年発情期でヤンデレもどきな人外美形の父と抱き締めたいくらい可愛い母が両親。


え?なんだかトゲがあるって?

仕方がない、本当の事だし。美形だからってなにしたって許されねえよを地でいく父と姉をもつと苦労も絶えないの。

一番の被害をこうむるのは主に母と、ユリ(ねぇ)の思い人リンク(にぃ)だけど。

まぁ、色々あるけど家族はおおむね仲良しだし好きだ。

父は微妙だけどね。

あの人、私の顔見るたび苦い顔するの。

母さんにそっくりなアオ兄との態度の差も酷い。

メロメロになってたと思ったら、私の顔みてハッとして申し訳なさそうな顔するの。

で、ぎこちなく話しかけたり構おうとする。

抱き上げても固い。

態度が表情が全て。

一緒にいても楽しくないんだよね。

そっくりな顔してるのも嫌になるっていうの。


今は近付かないで欲しいと思う私でも、昔は父に好かれたい、なんで兄と態度が違うんだって思った時期もありました。

転機は、3つの時。

兄ばかり構う父にキレた。

全部嫌になった。

私がいなければ仲良し家族。私はいらない子。

そんな思いでいっぱいだった。

3つの幼児だって色々思うのだ。

大人が思う以上に考えを巡らしたり、愛されたいと必死になるのだ。

幼子なりに頑張って頑張って頑張って…

でも叶わない絶望。

逃げ出したけど、どこにも行くところなんてない。

病弱な私は屋敷から出たことがほとんどない。

とっさに家から飛び出し、雨に打たれながら途方にくれた。


その時先日植えた花壇が目に写った。

その日は父はさほど私に対してぎくしゃくしなかった。

両手を泥だらけにして花の苗を植える私を優しい目で見ていてくれた。

苗は大雨でくたりとしていた。

守らなきゃと思った。

少しでも雨風を防ぎたいと盾になった。

冷たかった。寒かった。悲しかった。


気付くと、ベットの上だった。

そして記憶が甦ったの。

唐突に。

はっきりしたものじゃない。

なんというかオタクな知識とか漫画や本や薄い本やらの記憶が。

いわゆる前世とかゆうやつだろうか。

社会人で夏と冬のお祭りにだけでなく小さいイベントにも参加する、女性であったという曖昧な記憶で名前すら思い出せないのだか、趣味の事だけははっきり思い出した。

3歳児の脳ミソに溢れ出す漫画やゲームやアニメやオタクな知識。

カップリング、ジャンル知識、その他もろもろ。

刺激が強すぎた。

めちゃめちゃ強すぎた。

ホモ百合エロ童話ファンタジー乙女ゲーもろもろ。

雑食過ぎた前世の記憶は私を精神的に大人にさせた。


見事な知恵熱で1週間以上寝込むはめになった。

ようやく、症状が落ち着き家族を見たとき思った。


こいつらチートくさすぎる。

主人公要素ありすぎる。

改めて見ると、キンキラキンどころか発光しすぎて目がつぶれそうな美形が多い。

特に父。

目がなれると美形や美少女に見つめられる照れで、にやけそうになるのでうつむくしかない。

現世の私は美幼女なのである。

ゲヘヘヘなんて、にやけた笑みなんて浮かばせたくない。


家族に怪しまれないよう病弱っプリと人見知りという設定を全面に出し、なるたけ関わらないようにした。


知識はあるとはいえ、やはり基本幼子は人恋しくなる。

そんな私の癒しは母とじいやだった。

母は、死ぬ直前でトリップした過去をもつ人で前世の私と同じ日本人だったので、可愛すぎる顔とはいえ親近感を感じ馴染めた。

父と姉兄がいない隙を狙い存分に甘えまくった。

というか母さん、前世でどどはまりしていた乙女ゲーの主人公に激似。主人公に惚れてたんだぜ。

可愛くて優しさにあふれ、でも時々ズルい。でも決めるときは決める。

ゲーム中、私が貴女を攻略したい!と何度叫んだ事が。

主人公は俺の嫁状態だった。

元々母さん大好きっ子ではあったが、それに拍車がかかったのはいうまでもない。


じいやは、老執事まんまのイメージで私を夢中にさせた。

ロマンスグレーの髪をオールバックにし髭に眼鏡。

私が産まれてしばらくした頃怪我をして以来左足を引きずるように歩いたりはするけど、それをカバーする美しい動作と気配り。

偏った記憶が目覚めてしまい読書欲に突き動かされた私に優しく厳しく文字を教えてくれた。

じいやには私が記憶持ちだと(内容は言えない。)少し話していたので唯一の理解者でもあった。


私が6つの時に亡くなったのは悲しかったけれど、じいやが居てくれたことで私と家族はバラバラにならずに済んだから悲しむばかりじゃなくて、前を向いて行かなきゃ!と決意した。


なので、父が固まらないように歩み寄ろうとしてみた。

とりあえず、そっくりだといわれる容姿を変えてみようと思ったの。

髪を染める技術力が無かったので、髪を切ってみる事にした。父は魔術師なので髪はずっと長いから、ショートカットにしてみたの。

そしたら失敗したのよね、見事に。

ナイフ、まっすぐ切るのって難しい。

斜めザンギリ頭になったのでした。アハハハ。


怒られた通り越して泣かれた。

父と母さんに。

私的に切り揃えてもらって綺麗になったショートカットの髪型はお気に入りだったんだけどなぁ。

男みたいだからって禁止になっちゃった。残念。

原因となった父がついでに怒られたので、いい気味だと思いました。


そういえば、なんで病弱なのかと思ったら父譲りの魔力の高さ(と言っても半分程。それでも高い。)のせいだって。

どこまでも私の足を引っ張る野郎だ。

体に魔力が馴染むまではこの体質は続くそうな。

アオ兄はそこら辺分かってないらしく、私の体質改善をしようと頑張ってくれていて申し訳ない。

薬師目指すまでになっちゃったよ。

まぁ、人のためになる職業だから、極めて欲しい。

城勤めとかになったら、男ホイホイして大変そうだし。


更なる勉強に励むため学園島に行ってしまったアオ兄。

元気だろうか。

体は大丈夫だろうか、貞操的に。

万が一のために、オイルとかクリームを贈ろうかしら。フヘヘヘヘ。



「スミレちゃん、スミレちゃん。

よだれ出てる。」


親友のアリアちゃんに声をかけられてハッとする。


「スミレちゃんは美少女なのに残念だよね。

また妄想してたんでしょう…」


ジト目でこっちを見るアリアちゃん。

そんな姿も可愛い。

母さん系だ。抱き締めたい。

でも、その手に軽いBL本を持ってる時点で、貴女も同類じゃん。


未だに家族には猫かぶりするけど…

それでも色々ぶっちゃけられる親友がいる私は、とても幸せだと思う。


というか、この世界には転生者や記憶持ちがけっこういるんじゃないだろうか。

BLやらハーレクインやら沢山あるんだよね。

この世界は面白い。

だから私はこの世界に生まれてよかったと心から言える。


さてさて、これから何が待っているやら…

楽しみで仕方がないわ!




家族の前では、無口キャラ。


ゼノンとは微妙な距離。

思春期の女子がお父さん嫌う感じかな。


可愛くない訳じゃ決してないけれど、あまりにも似すぎて葛藤してしまうのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ