お父さんは心配性。
いきなりの~のゼノンとミチルのこどものはなし。
スピンオフなのかも?
僕の名前はアオイ。
ハナモリ家の長男です。はい、跡取り息子なんです。
大事なので、もう一度言います、僕は男です。
なぜそんな事を繰り返すかといえば、本当は認めたくないけども自他共に認める女顔だからなんです。
僕の母さんは、それは可愛らしい容姿で守ってあげたくなるような人です。
艶やかな黒髪に焦げ茶のぱっちりとした瞳、小柄で童顔な母さん。
それを、そのまま若く幼くした姿が僕なんです。
三人兄弟の真ん中なのもあってか、姉と妹とはあまり似てないとよく言われます。
そして三姉妹に間違えられるたび怒り心頭になるんですが、誰も怯えません。
男として屈辱です。怒った顔も可愛い!とか言われるんです。あ、母さんもよく言われてます。
皆が人外美形とまで言う父さんに似れば、視線で腰をぬかせられたのに…と時々思います。
父さんはそれはそれは粘着質な程に母さんが大好きなので、僕が心配で仕方がないとかよく言います。
ある日、嫁になんか行かせない!と酔っぱらって僕に言った事もありました。
あまりにも腹が立ったので、無視を続けたら二日も持ちませんでした。
父さんに土下座されるなんてビックリしました。
今は亡きじいやが、
シュバルツ様も10歳までは華奢で女の子みたいだったけれど、それからはムキムキになったと教えてくれたので、僕は10歳になるのが楽しみでした。
しかし…
11歳になりましたが、僕は未だに可憐な女の子にしかみえないです。
1つ下の妹にほんの僅かですが身長を抜かされてて凄いショックです。
筋トレや走り込みを幼馴染みのリンクと毎日やってるのに僕の腕は細いまま、リンクは細マッチョ。
なんだこの差は。
けれどリンクはムキムキマッチョにりたいらしく、夢に届かない僕の気持ちを思いやってくれます。
無理だよ、アオイは可愛いままだよ、と心ない事を言われて落ち込むたび、諦めるな!目指せ、マッチョ!とリンクと二人で励まし合い頑張ってます。
しかし家族や回りにちやほやされていてはいずれそれに慣れ、ろくな人間にならないかもしれません。
僕は、親元を離れ、勉学に励みたいと思いました。
父さんは猛反対しました。
アオイが汚される!と訳のわからない事を言って…
母さんが味方になってくれたので、二人で無視。
そしてお婆様の所に家出してやりました。
お婆様には博識で、僕が行きたい学園島の話を沢山してくれました。
学園島は知識こそ力を掲げ、王公貴族男女関係無く平等に学べる學びの王国なのです。
お婆様の怒濤の説教と、母さんの無言の圧力に負け父さんが折れました。
リンクを一緒に入学させるのが条件になりましたが。
学園島は知識ある人だけでなく、護衛する人の学科もあるのです。
リンクは馬鹿では無いけど、勉強はあまり好きじゃありません。
年下の僕に学校の宿題を聞く位平気です。
父さんはそんなリンクの頭を知ってながら条件にしました。行かせない気満々です。
どうしょうかと二人で頭を抱えると姉さんが味方になってくれました。
姉さんは父さんと母さんのいいとこ取りしたような容姿でそれはそれは美少女です。
そしてリンクにぞっこんです。
生まれたてのリンクを見て、この子は私の夫にするとビビっときたそうです。怖いです。
残念なことに、父さんの性格をそっくり、そして更に進化させたような人です。
敵にまわしたら死亡フラグ確実です。
味方にいれば心強い事ですが。
姉さん曰く、
「リンクが年下とか色々いちゃもんつけて、私達の結婚を妨害する可能性があるからこそ学歴や知識ある事は武器になるから。」
父さんの自分への妨害を少しでも減らす為だとか。
姉さん、リンクといつ結婚の約束を?
リンクがそんなの決まってないと馬鹿なことを叫び、姉さんに馬乗りにされたあげく、うんと言わないとキスして、既成事実作る!と脅して二人はめでたく?結婚の約束をしました。
姉さん怖いです。
母さんに話すと、父さんにそっくりでどうしようと頭を抱えていました。
姉さんの愛という名のスパルタ教育のお陰でリンクの学力は上がりました。
止めの、入学できなかったら即結婚ね♪との姉さんの脅しに護衛科の実力試験首席を叩きだしました。
愛の力って凄いですね。
父さんの妨害にもめげず、僕とリンクは学園へと入学できることとなりました。
入学式の時、父さんに持たされたもののほとんどに盗聴器の魔術具がつけられていて全部燃やしました。
父さんは心配性過ぎる。
一日おきに更新予定。




