表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/36

牛さん、ありがとう


ぽんちゃんの家には毎日、瓶牛乳が2本届きます。


寒い時期になってくると、あまりみんな飲みたがりません。だんだんと、冷蔵庫に牛乳がたまっていきます。


古い牛乳から飲んでいくので、常に賞味期限ギリギリの不味いものを飲むことになります。

毎日、新鮮な牛乳を届けてくれるのに…

それが当たり前になると誰も疑問に思わなくなります。


ある日、ぽんちゃんは今までとてつもない思い違いをしていることに気づき、がくぜんとしました。


なんだろう、この不幸なスパイラル。

届けてくれる人、牛を育ててくれる人、牛さん、飲んでる自分たち、皆んなを不幸にしてしまっている。


ぽんぽこ

ぽんぼこ

こんなことはいけない!


気持ちを奮い起こします。

そうだ!今夜は牛乳をたくさん使う料理を作って一気に在庫を空にしよう。

そしたら明日からは新鮮な牛乳を飲む流れができる。


まずは冷蔵庫をチェックします。

瓶牛乳が5個もある。明日にはさらに2個来てしまう!

5たす2は、ええと…

よし!ホワイトシチューを作ろう!


さっそく材料を出してきます。

- [ ] ジャガイモ2個

- [ ] にんじん1本

- [ ] 玉ねぎ1個

- [ ] ピーマン1個 ←これ必要

- [ ] 鶏肉 150gくらい

- [ ] しめじ 1/2房

- [ ] コンソメの素 1〜2個

- [ ] 牛乳600mlぐらい


野菜をてきとうに切ったら、かぶるくらいの水の量で煮始めます。


その間にルーを作ります。

フライパンを弱火で温めて、バター大さじ2を溶かします。溶けたら小麦粉を大さじ4を入れて、竹べらで焦げないようちょいちょい引き伸ばしながら炒めます。


最初は団子状だけど、4、5分丁寧に伸ばしてるとさらっとしてくるよ。

加減をみて火を止めて冷まします。



野菜が煮えてきたら、牛乳をドバドバ入れてしまおう。温まったら、オタマでスープをフライパンに少しづつ流し入れて泡だて器でダマにならないようにルーをよく混ぜて溶かします。何杯か入れてトロリとしてきたら、鍋に戻して、コトコト煮込みます。


塩と胡椒で味を整えて完成。

よしよし、お鍋いっぱいにできた。

ツィーツィー。みんなご飯だよ。



食パンをトースターで焼いて、バターを塗って。

それをシチューにつけてパクっ!

ちぎってシチューに沈めてパクっ!


みんな、モフモフと無言で食べています。

パンだけじゃ足りないから、ご飯とめざしも用意してあるよ。


寒くなってきたし、ちょうどいいね。

明日からは新鮮な牛乳が来たらホットミルクにしよう。どうしてもたまる時はシチューやコーンスープなどでざっと使うようにする。



ぽんちゃんはなんだか気持ちが晴れ晴れしてきました。


ふと、いつか遠足した、高原の牧場を思い出します。


涼しくて鮮やかな緑の草原

白と黒のかわいい牛さんたち

美味しかったホットミルク



明日の牛乳が楽しみです。



おしまい


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ