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牛乳と卵を使わない洋菓子店


ある日のこと、公民館から、ぽんちゃんへ依頼が来ました。


小さなイベントの日に、アレルギーの子供たちでも食べられる洋菓子の店を出して欲しいのだそうです。室内なので長いテーブル一つのスペースです。


牛乳、卵を使ってはいけません。

バター、チーズ、生クリームは、もちろんダメです。


知らずに口に入れると、皮膚が赤く炎症するだけでなく、内臓も痛むようです。かわいそう。

ケーキやプリン、クッキー、

どれもいっぱい卵や牛乳、バターを使います。


どうしたらいいのかな。

さすがに悩みます。



ヒントを探しに、公民館へ行ってみることにしました。

歩いてすぐそこです。



ふか、ふか。

ぬく、ぬく。

もこ、もこ。

いつものリズムで歩みます。




おや、ぽんちゃん、こんにちは。

よく来てくれたね。

 

館長さん、こんにちは。

中を見ていいですか?


今はどの部屋も空いてるよ。

ゆっくりして大丈夫だよ。


和室、大小の会議室がいくつか。

調理室もあります。

真ん中に、ステンレスの大きな調理台とコンロ。料理教室がたまに行われています。

大きな調理器具や色んな食器もありました。


どうも会議室の一角になりそうで、実演販売とかはできなさそう。

調理室か家であらかじめ作ったお菓子を出すことになりそう。



うーーん



ケーキとか食べれない子供たちはどうしてるんだろう。他のみんながおいしいそうに食べてる中、ただ我慢してるのかな。


話しを聞くと、アレルギーの子供はとても多いんだそうです。どうしてなのか、誰にもわからないみたい。


ぽんちゃんは一瞬、よくわからないサプリ、はがれたテフロンの調理器具、外国産の豚肉などが頭によぎり、気が沈みます。



家に帰ってから、ゴロゴロ寝転がって考えます。

天井の隅の小さな傷を見つめます。


牛乳と卵以外の材料。


豆乳

チョコレート×

カラメルシロップ

フルーツ缶



色んな食材を思い浮かべては消えていきます。予算も限られています。




こんな時、ぽんちゃんは空を飛びます。


一気に上空まで。

海岸線や遠くの山々が鮮やかで、きれい。


からだがふわり。

そこから急降下して、どんどん速度を早めて、海へ向かいます。


ばびゅんびゅん



海面スレスレをすごい速度で走っていきます。

トビウオの群れを追い抜いて、ひとっ飛び!


しゅぱーー


漁船やヨットをすり抜けて。

河口から川に沿って、一気に自分の家へ戻ります。



目を開けると部屋の中。

天井の傷は消えています。


むくりと、ぽんちゃんは起き上がると、ノートにペンを走らせ始めました。


かきかき、かきかき



当日。


ぽんちゃんは、シンプルにドーナツ屋さんをすることにしていました。

朝早く起きて、みんなとドーナツを作ります。


ホットケーキミックスと豆乳を使います。

卵は無しです。


そのかわり、味付けを色々できるようにしました。


・グラニュー糖

・シナモンシュガー

・きなこシュガー

・カラメルシロップ


新聞紙の折り箱にドーナツを入れて渡して、自分たちでトッピングを振りかけてもらいます。


まずはドーナツを作ろう。

- [ ] ホットケーキミックス 1kg

- [ ] 豆乳 適当で

- [ ] サラダ油 大さじ5


大きなボールにホットケーキミックスを入れて豆乳を加えて混ぜていきます。

さくさく


だんだんとコロコロと丸まってきたら、油を入れて、こねていきます

こねこね


均一になったら、しばらく置いておちつかせよう。


その間に、新聞紙を折って入れ物の箱を作ります。

みんなで、せっせ、せっせ。

四角い箱。わかるかな。



ぽんちゃん、いくつ作るの?


50個めざそう。足りなかったら現地でつくるから。


らじゃー



カラメルシロップもプリンと同じように作るよ。

砂糖1カップと水1カップの割合で作ります。

片手鍋で、こげないように、くるくる回しながら煮詰めていく。色が変わったら火を止めて水大さじ3を入れてシロップ状にします。


グラニュー糖、シナモン、きなこは袋のまま持っていこう。



そろそろ、大きめのお鍋に油を1リットル投入して、温めていきます。


みんなでリングの形にしていきます。

揚げるのは、ぽんちゃん。


最初の1、2個は、いつも失敗作。

3個目から本番です。低めの温度で、ふくらませながら揚げていく感覚をつかんだら、どんどん行こう。


けっこうな量が出来てくるので、大皿にどんどん並んでいきます。

あつあつ。ほかほか。



さあ、できた。


大皿山盛り二つ、大きな袋をかぶせて、公民館へいそごう。


人が集まってきて、建物の中にいろんなお店が出来ています。


わたがし、射的、やきとり、やきそば

アクセサリー、小物、フリーマーケット


なんだかたのしそう。


会議室の一角にテーブル一つ。

ここがドーナツ屋さんになります。


調理室から、ステンレスのバットを借りてきて、グラニュー糖、きなこシュガー、シナモンシュガーをざっと広げます。

カラメルシロップは、ステンレスの薬味入れに入れて、スプーンですくえるように。

パーティ用の大皿があったので、そこにドーナツを並べていきます。

おいしそう!



みんなで楽しくお店のかざりつけ。

わくわく。


お店の看板は、

『牛乳・卵を使わないドーナツ屋さん』

にしました。

これ以外、いいようがない。




開館の時間です。

子供たちがやってきました。


アレルギーで、洋菓子を食べられなかった子供たちは大喜び。


いろんな味付けを楽しんでいます。

みんな好みが分かれて、おもしろいね。


中には、シナモン、きなこ、カラメルシロップ、砂糖をぜんぶかける女の子もいます。

うれしそう。


新聞紙の折り箱もかわいくて大好評。

ちょうど2個はいるよ。

館長さんも期待以上でにっこり。



売り切れゴメンなさいになったのは、いうまでもありません。



ぽんちゃんチームも大喜び。


やったね!ぽんちゃん。

なんとかうまくいったね。

いい仕事をしたのぅ。

次はどんな店にしようか。


みな、興奮冷めやらぬようす。



今日来てくれた子供たちは、発見でした。


これからは自分の家で同じようなドーナツにチャレンジすることでしょう。



おしまい。





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