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まんまるの四角いプリン


1人分の丸い器で作ったプリン。

大きな器で作って、四角に切り分けたプリン。


どっちが、おいしいと思う?

ある日の晩ご飯で、そんな話題になりました。



ぽんちゃんは大きく作って切り分けた方が美味しいと思っています。包丁で切れ目を入れて、一晩おくと、切れ目にカラメルソースが浸入してきて、味が染みて、なおおいしい。


どうかな?


ってあれ?

皆、目が輝かせて聞いています。


ぽんちゃん作って!


あ、、、え、、、今から? 

(しまった、少し力が入っていたらしい...)


うんうん!明日のおやつに食べたい!


、、、



じゃ、じゃあ作ろうか。

後片付けしながらやってみるかな。

材料あるかな、、、


プリン

- [ ] 卵 3個

- [ ] 牛乳 1.5カップ

- [ ] 砂糖 大さじ3

シロップ

- [ ] 水 コップ半分

- [ ] 砂糖 コップ半分


これだけ。たいていあるし、

プリンはいつでも作れそうだね。



最初に小鍋でカラメルシロップを作ります。

水100ccに砂糖コップ半分くらいをいれて火にかけます。煮立ったら、弱火にしてカラメル色にします。焦げないよう気をつけよう。


沸騰した泡に粘り気がでて、金色に変わったらすぐ火を止めます。あとは水大さじ2を加えて伸ばしてシロップにします。ちょっと難しい。


ぽんちゃんはいつも、金色の透明なベッコウ飴のようなシロップにします。プリンができても、ぱっと見、シロップがないタマゴ豆腐のよう。なぜか、その金色の感じが好きなんです。味もしっかりあって透き通っています。



シロップができたら、20cmくらいの正方形のグラタン皿に流しいれます。


そろそろ、蒸し器に水を入れて、湯を沸かし始めよう。

次に牛乳を弱火で温めます。

ホットミルク程度。コトコト。


その間に、たまごをボールに割り入れて、泡だて器で、よく混ぜて溶きたまごにします。

ハシだと、白身が残ってきれいにできないよ。砂糖も入れてよく溶かす。


それから、温めた牛乳を少しずついれながらゆっくり混ぜていきます。

急に入れると卵が固まってしまうよ。

ゆっくりゆっくり。


よく混ざったら、さっきのグラタン皿に、そーっと流し入れます。お皿の縁にハシをあててそっと入れよう。


蒸し器がしゅんしゅんしてきたら、

そーっと器をいれて、ふきんをかけて蓋をします。


10分くらいかな。

中火で少し控えめに。強すぎると表面がもこもこしてふやけてしまう。プリンを煮立てない温度で火を通す感じ。


しっかり硬くなっていれば出来上がり。

ゆるくプルプルもいいけど、ぽんちゃん流は木綿豆腐のように、しっかり固めます。


頃合いになったら取り出して、しばらく放置して、荒熱をとります。

器の中で包丁を入れて、約5センチ角のサイコロ状に切り込みをいれたら、冷蔵庫に入れて、おしまい!



出来たてのあつあつもいいけど、ふわふわして味が弱い。

色の濃いカラメルシロップにしたり、シロップの代わりにハチミツを使ったり。

丸い器に入れて、柔らかめに蒸してトロトロに仕上げたり。

大きな器で作ると、中央と縁とで部位によって火の通り具合が異なるので出来上がりも異なったり。

今日はちょっと蒸しすぎて、泡がたってしまったけど、味は染み込みやすいのでそっちの方がおいしいかもしれない。


プリンも色々あるのだ。

その中で自分の好きなプリンを見つけよう。


ふむふむ、かきかき

みな神妙に聞いています。

(ぼんちゃん、またプリンを熱く語ってますよ)



そうだ、、

ぽんちゃんはタッパーにプリンを2つ入れて、外に出ていきました。近所のおばあさんの家に向かいます。



こんばんは、おばあちゃん。


あら、ぽんちゃん、こんばんは。

いらっしゃい。


プリン作ったよ。おすそ分け。

甘くて柔らかいから食べやすいよ。


あらあら、まあ。

上手に出来たね、おいしいそう。

ありがとう、ぽんちゃん。


どういたしまして。

最近変わったことない?


今日だね。今日初めておしゃべりしたよ。ぽんちゃんが来てくれてお話ししてくれて、うれしいね。ありがとう。お菓子は明日いただくね。


それは良かった。

明日の方が味が染みておいしいよ。

風邪には気をつけてね。

それじゃあまたね。


さよなら。ありがとうね。気をつけて。



おばあさんは高齢で一人暮らし。

なんだかいつも寂しそう。

たまに訪れないと心配です。



四角いプリンは、おすそ分けしやすいから、この点でもいいよね。

一晩、たっぷり味が染み込んだ、まあるい甘さの冷たいプリン。

おばあさんがしあわせな気持ちになれるといいな。荒めの出来だけど口に合うかな。



そんなこと心配しながら、足早に家に帰ります。



実のところ、おばあさんは自分のことをぽんちゃんが思い出してくれて、プリンを届けに来てくれたことだけで、心いっぱいでした。


プリンの良し悪しだけじゃないのです。



ぽんちゃんが、それを分かるようになるのは、もうずっと先のことです。




おしまい。





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