第52話
第五十二話:私の記憶 四十六
私の親友に旅口英雄という男がいる。英雄ではないキャラクターなので、みんなからヒデオと呼ばれている。彼と先日、三年ぶりに会ったのであるが、その出会いについて書きたいと思う。私は実家に帰った翌日からほぼ毎日、神社へお参りを続けていた。脱線しているように見えるかもしれないが大丈夫。話を続ける。
神社へと続く道を歩いていくと、見覚えのあるお家が目に入った。表札を見てみると『旅口』とある。コレはヒデオのお家だ。インターホンを押してみたが、返答がない。私は御朱印の間に挟めてあった白い紙を取り出して、手紙を書いた。ペンは神社の宮司さんが貸してくれた。
手紙の内容はザックリ言うと電話が欲しいということである。次の日、ケータイに着信があった。私は風呂に入っていた。反響する私の声。長風呂だなと心配する父と母。ヒデオは相変わらずの調子で喋る。ヒデオとはランチの約束をした。家まで迎えに来てくれると言う。ありがたい話である。
当日、約束の十分遅れでヒデオは家にやって来た。私はいつもの神社へ行っていたので、家へ戻る途中だった。電話で、近くにある公園まで来てもらった。車に乗り込み、車は東野神社へ向かった。私は初めて行く神社だったので、楽しみだった。
ヒデオは相変わらずいい奴だった。そして、禿げていた。そしてという接続詞はどうなのかと思うが、このままにしておく。私は禿げてもいないし、白髪もない。若く見られる原因の一つである。私が禿げたら潔くバリカンで坊主にしようと決めている。禿げていてもカッコイイ人はカッコイイ。しかし、いざとなると髪の毛に執着してしまうのかもしれない。その時はその時である。
ヒデオは昔から髪の毛のケアにお金をかけていた。今はもう結婚して子供もいるという。『もう髪の毛がいるなんて言わないよ絶対』それでいいと思う。ヒデオはいい奴だから、他人の嫌がることはぜったいにしない。だから、お嫁さんを幸せにするだろう。絶対。
ヒデオと合わなかった期間のことを尋ねると本当にびっくりさせられた。外国へ行きまくっていたのである。旅慣れてしまっていた。自分のことをタビナレテーラと呼んでくれと言うぐらい、たくさんの国へ行っていた。その行動力はすごいと思った。
また近いうちに彼に会って友情パワーをもらいたいと思っている。




