第46話
第四十六話:私の記憶 四十
意地悪な人は地獄に落ちる。そのうち身を滅ぼす。神様から天罰が降る。私はそう思いたい。私は教員に復帰して二年目の五月、同僚からの酷い嫌がらせの為に、出勤できなくなってしまったのである。その酷い嫌がらせについて詳細に書くと、傷つく人が出てきてしまうかもしれないので、曖昧なままにしておいてほしい。とにかく酷い嫌がらせだった。診断はうつ状態で、二ヶ月の傷病欠勤となった。そして、私は決めたのである。辞めようと。もう、この学校から抜け出した方が自分のためではないか。口で言うほど簡単なことではないので妻にも相談した。もういいねと妻も言ってくれた。それからは話はトントン拍子に進み、辞表を書いた。七月の末日に私は港町高校を退職したのである。
人生初のハローワーク。たくさんの人が吸い込まれていく場所であった。こんなにも多くの人が職を探しているのかと驚かされた。私は失業手当の認定を受ける為に訪れたのである。通常ならば待機期間があり、三ヶ月しか失業手当はもらえないのであるが、私は診断書を持って来ていたので、十ヶ月に延期してもらえることになった。
月に一度は職探しをしなくてはならないと言う決まりも、診断書を提出したことにより、認定日にハローワークの担当者と面談するだけで済むようになっていた。十ヶ月の休職期間は、今までの傷病欠勤とは違った休養期間であった。学校という場所から離れることで気持ちが少し楽になったような気がしていた。
私はすぐに自分が自由に動けるようにと考えて、軽自動車を購入した。車のナンバーはお任せで頼んだのであるが、このナンバーがとても良かった。私のこれまでの仕事を労うような数字だったのである。そのナンバーは読者の想像にお任せする。




