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第44話
第四十四話:私の記憶 三十八
学校の事務員は、教員に比べて刺激が少なかった。定時で上がれることがほとんどであった。私が事務員になって、四年が経過しようとしていた。その時に、校長に呼ばれて校長室へ行った。ズバリ、来年から教員に戻る気はないか。そう聞かれた。私は刺激の足りない毎日を過ごしていたので迷ってしまった。少し考える時間が必要だったので、考えさせてください。と答えた。そして、その後、何度も校長室へ呼ばれた。次年度の国語科の教員がなかなか見つからないらしい。私が教員に戻るのが一番良いと考えているらしかった。私自身も教員への未練がないと言えば嘘になるので、悩んだ末にこの話を受けることにしたのであった。ただし、条件付きである。最初の一年は担任から外してくださいというお願いである。その時、間違いなく校長は「わかった。」と言ったのである。
新年度の人事が発表された。私は新入生の担任になっていた。目眩がしそうだった。やるしかなかった。こんなことばかりだ。確かにあの時「わかった。」と言ったではないか。と部屋に駆け込む事も出来たが私はやってみようと腹を括ったのである。




