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サンキュ  作者: 廣風直
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第42話

第四十二話:私の記憶 三十六


 やるなら今しかねぇ。北の国からで、黒板五郎さんが歌った歌のように、覚悟をもって臨んだ入学式。なんとか乗り越えることが出来た。そしてオリエンテーション二日目、やはり駄目であった。生徒の前に立つことに強い抵抗感があったのである。すぐに教頭の元へ行き、早退させてもらった。そして、再び半年間の傷病欠勤をすることになったのである。担任から外してくれていれば、まだ何とかなっていたのかもしれない。しかしながら、授業においても生徒の前に立たなければならないのであるから、どっちにしても駄目だったかもしれない。

 半年が過ぎようとしていた時、こんな話をいただいた。次年度に事務員が欠員になるから、そこに入らないかという話であった。教員としての自信を失っていた私には願ってもないお話であった。その話を受けることにした私は、事務に仮置き状態となったのである。その半年間を思い返すと結構しんどかったのである。まずは秋に落ち葉掃き、冬には雪かきと体力を奪われる仕事をやることになったのである。あとは校舎の補修作業。辛かったのは卓球部のトロフィーの棚作りだ。デカいベニヤ板と板ノコを渡されて、これを四等分に真っ直ぐ切るように言われたのである。私は愕然とした。渡された板ノコが錆びまくりの、歯が欠けまくりだったからだ。それでもやるしかなかった。私はやってやった。昼の休憩はしっかり休み、夕方に棚板4枚を切り出すことに成功したのである。あのノコギリじゃなけりゃ、いや電動のものがあれば三十分もかからずに終えられたのにと今でも思う。あのトロフィーの棚は今も使われているのだろうか。使われていることを切に願う私である。

 仮置きの盛林は、用務員なのではないかと疑いたくなるような仕事ばかりをさせられた。カリオストロの城。これもまた私が言いたいだけなので流しておこう。落ち葉がこんなにあるなんてしらなかった。雪かきは前の盆地が豪雪地帯だったので、この港町の雪はかわいいものであった。次年度からは正式な事務員として働くことになっていた。カリオストロ直美はもうおしまいなのであった。トラウデン直美はドイツと日本のハーフモデルである。

 

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