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サンキュ  作者: 廣風直
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第35話

第三十五話:私の記憶 二十九


 昇龍だった私はボーリング大会の日に彼女と連絡先を交換した。それから、デートを重ねてお付き合いしてもらえることとなって、話は急速に早まり結婚へと向かったのである。その間にマジ夫妻が私達をくっつけようと一泊温泉旅行を企画してくれていたのであるが、その前に私達はお付き合いを始めていたので、マジ夫妻は爆笑した。

 お互いの両親への挨拶をして、その後、両家の顔合わせを行なった。トントン拍子に話は進み、翌年の秋に挙式と披露宴をすることが決まった。新年を迎えたばかりのデパートの最上階にある式場予約のコーナーで特別価格で予約が取れたのである。入籍の日は、私が大のキン肉マン好きという事でラッキーな数字の月の二十九日に決定した。

 結婚式までの間には、飛行機に乗って旅行にも出かけた。九州の水炊きはまた食べたい逸品である。最初から最後まで美味し過ぎた。式までにしなければならないことは、二人のプロフィールビデオを作るのが私の大きな仕事であった。かなり時間がかかってしまったが、納得のいく作品が出来上がった。ここで見せてあげられないのが残念である。彼女はパンフレット作りを担当してくれてこれも納得のいく仕上がりとなった。残すところは場面場面で使用する音楽を決めることである。こちらはほぼ私に任された。ケーキ入刀の場面ではお決まりのホイットニーヒューストンの曲を選んだ。サビの部分からかけてくださいとのリクエスト付きである。ご歓談中の曲も私が好きな曲をセレクトしてCDにして渡した。

 衣装合わせについては男の人はそれほど時間がかからないものである。私も例外ではなくすんなりと決まった。女性の衣装合わせの方が大変である。五回ほどだろうか、ブライダルサロンに通って衣装を来ては写真を撮り、着替えては写真を撮りを繰り返した。彼女の妹さんも観に来たことがある。それぐらい女の人の衣装合わせは大切なのである。最終的に白いドレスと、和装を選ぶことになった。こうして日々が過ぎて行き、式の準備が全て済んだときには夏が終わろうとしていた。

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