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サンキュ  作者: 廣風直
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第32話

第三十二話:私の記憶 二十六


 私にも思い出したくない恋もある。なのでこの期間は暗黒の期間として蓋をしておこうと思う。簡単に言うと長く付き合ったが別れた人がいる。ただそれだけである。その恋が終わった時に、私は解放された気分でいっぱいだった。もう解散してしまったグループの歌である『フリーバード』をよく口ずさんでいた。まさに自分が今フリーバードであることを喜んでいたのである。

 その後、私は二年間、盆地高等学校で一緒に働いた北野彩先生に恋心を抱いた。彼女が高校を辞めた後も連絡は取っていた。私が企画した飲み会にも来てもらった。お互いフリーバードであることも確認済みであった。私はデートして欲しいと何度も戸を叩いた。彼女は私の強引さに負けてデートを了承してくれたのである。

 その日のために私はオリジナルCDを二枚作成した。ドライブデートなので車で曲を流すためのものであった。私のお気に入り曲がおそよ三十曲。デート終わりでプレゼントしようと思い、二枚ずつ用意した。行き先は小樽。しかし、まずは彼女を迎えに行かなくてはならない。午前十時にお家の近くのローソンで待ち合わせ。それから、プラネタリウムを観に行った。星はいつでも私たちの上に輝いているのに、晴れて暗くならないと綺麗に見えない。いつでも星が見られるプラネタリウムは、空いていた。場所が場所なだけになかなか知られていない。三十分程度で上映は終わったと思う。彩ちゃんは楽しかったと言ってくれたので、ホッとした。それから、地元では人気のお菓子屋さんへ行き、ソフトクリームを食べた。これも彩ちゃんに喜んでもらえたので、嬉しかった。私のソフトクリームランキング第一位はアイちゅランドのチョコクレープソフト乗せ、第二位は前述したお菓子屋さんのソフトクリーム、第三位は佐藤水産の塩ソフトである。各地で買うこと出来るソフトクリーム。私は根っからのソフトクリーマーである。ソフトクリーマーと言い出したのは山っちょである。しかし、そのランキングに変化が起きた。先日、銭函に行った。その時に発見したソフトクリーム屋さんのチーズソフトがとても美味しかった。一位、銭函チーズソフト、二位アイちゅランド、三位が地元のお菓子屋さんのソフトクリームとなった。また話が逸れてしまった。話を元に戻そう。

 その後にお昼を食べに行った。多国籍料理のお店を選んだ。なぜなら、デートのキッカケがヴィレッジヴァンガードに行きたいと彩ちゃんが言ったからである。私が選んだお店にはヴィレッジと頭につくお店だったのである。舞い上がっていたのか、何を食べたか思い出せない。思い出せるのは店員が外国人であったことと、向かいのテーブルのご夫婦が、私達に声をかけてきてツーショット写真を撮ってくれた事である。

 その後、ショッピングモールの中に入っていたヴィレッジヴァンガードへ行った記憶がある。そして時間は過ぎていき、運河を見た記憶はないし、北一硝子に行った記憶もないし、オルゴール堂に行った記憶もない。そこの記憶がスッポリと抜け落ちている。暗くなってからクライマックスの夜景デートである。天狗山に向かって車を走らせた。そこから見える景色を楽しもうとしたのである。日が暮れると寒くなってくる季節だった。私の車に積んでおいたパーカーの出番がやってきた。彩ちゃんは背が小さくて細い。私のパーカーを着るとダボっとしていて、とても可愛かった。他にも夜景を観に来ている人が結構いたので、私は夜景をバックにして写真を撮ってくれるように頼んだ。

 私と彩ちゃんのデートはこれにて終了。帰る時にCDをプレゼントした。私の思いはそのCDの中に詰まっていると言っても過言ではない。

 はっきりと振られたわけではないが、いや、そう思いたいだけなのかもしれないが、お付き合いしてもらうことは出来なかったのである。彩ちゃんは結婚して幸せに暮らしていると聞いた。好きだった人が幸せに暮らしているのを聞くとなんだか嬉しいものである。

 

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