第24話
第二十四話:私の記憶 二十
大学四年生の時に受けた教員採用試験は不合格であった。私は浪人して来年度の採用試験に向けて勉強しようと決意していた。そんな矢先に、お世話になっている教授から電話がかかってきた。道内の盆地にあるとある高校が、国語の教員を募集していて、尚且つバレーボールを指導できる人を探しているとのことであった。受けるだけ受けてみないかとのことであった。二月頃の話だったと思う。私はすぐに履歴書を買い、丁寧な文字を心がけて書いた。教授からはその学校の情報が載っている受験情報誌をコピーしてもらった。教授からは私立高校ならではの教育があると聞いていた。
二月の某日、面接の日を迎えた。駅に着くと驚いた。雪が深々と降っていた。風もなくただただ深々と降っていた。傘を持ってきていたのであまり濡れずに済んだが、周囲が真っ白で視界が悪かった。バスに乗って高校前まで行ったのだが、とにかく真っ白だったことしか覚えていない。
高校に着くと応接室に通された。コートを脱ぎ、ネクタイを正して背筋を伸ばして待った。私の向かい側には四人座った。校長、教頭、教科主任、学年主任だったと思われる。まず聞かれたのは、教員を志した理由であった。これは準備してあったので難なく答えることができた。次に聞かれたのは建学の理念。先ほど見た景色のように真っ白になってしまった。ここは正直にわかりませんと答えた。次にバレーボールについての質問をされた。これについても難なく受け答えすることができた。他にも質問はあったと思うが、一番記憶に残っている質問は、「もしも、自分の力だけで解決できないことにぶつかった時にあなたはどうしますか?」というものである。答えが幾つもある質問だと思ったが、話し出して着地点を見失ってしまった。なので、最後に謝っておいた。こうして、面接は終わった。帰りも雪は降り止むことなく深々と降り続いていた。バスを待ちながらこう呟いた。「落ちたな。」




