表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サンキュ  作者: 廣風直
14/55

第14話

第十四話:私の記憶 十


 エースは夏にはテーピングを指に巻き巻きして、復活を遂げた。最後の大会、私はこの身長で最初で最後のブロックを決めた。しかもシャットアウトだ。隠れて皿洗いしていた甲斐があるってものだ。嘘だ。たまたま、偶然タイミングが合っただけだろう。しかし、気持ち良かった。この試合は勝ったはずである。二回戦で強い高校と当たり負けたはずだ。エースのお陰で私達は決して弱くはなかった。強くもなかったけれど。カジは三年間でブロックもうまくなったし、アタックも鋭くなった。アリは器用な奴で、背は高くないが、絶妙なアタックを決められるようになった。ぺろんちょは守備の要であった。要潤。ごめんなさい。コレは言わずにはいられなかった。ぺろんちょは、実戦の時、私との練習の成果を一番発揮していただろう。

 私はジャンプフローターサーブを基本的に使っていたが、ここぞと言う時は最中先輩直伝のチョモランマサーブも使った。成功率二分の一のサーブであったが、インパクトは抜群だ。相手をビビらせることはできたはずである。まあ、単なるドライブサーブなのであるけれども。ボールを自分の真上に高く高くあげるのにコツがいるのである。ズレてしまうとやり直しか、ラインオーバーとなるので、注意が必要だった。

 高校三年生の体育祭の時の話をする。バレーボールが一番盛り上がりを見せていた。結果は準優勝であった。バレー部の人は一チーム一人までしか出ることが出来ないという決まりがあった。私はぺろんちょと同じクラスだった。バレーボールの日程の前にサッカーがあった。そのサッカーでぺろんちょは足を骨折してしまった。あの時の音はボキッとはっきり聞こえた。当初交代交代でバレーボールに出る予定だったのが、ぺろんちょの骨折により私が全部出ることになった。私はセッターとして動いてトスを上げた。放課後の練習の成果もあり、バスケ部の杉っぺや、ミンティア、たーやん、はらはら、じゅんちゃんが次々にアタックやフェイントを決めてくれた。この時も私はチョモランマサーブを使った。すると会場がどよめいた。決勝戦ではバレー部の後輩のいるクラスに負けてしまったが、とても楽しい体育祭となった。

 その後、私に人生初のモテ期がやってくるのであるが、この時、本人はまるで気づいてなどいなかったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ