災厄の双子 お遊びとその結果
生きる者無く、どこか遠くより嘆き悲しむ声が響く、どことも知れぬ暗闇のなか、赤いレンガ造りの家があった。
家の中では、双子の魔女がいた。
ここは双子の魔女が、作った小さな世界にある隠れ家だ・・・空気が淀んでいるので、それほど好きじゃないが。
双子の魔女は白い丸テーブルを挟んで座り。紅茶と焼き菓子をそれぞれ口にしている。双子の魔女は赤ん坊を育てると決めてから、2人は別れて生活し、ときどきお菓子を持ち込んで互いの近況を語り合っている。
赤ん坊も大きく育ち、一人前になり、双子の魔女は一つ試したいことがあった。
「ねぇ私と貴女で入れ替わって、子供達の前にでてみない?」
双子のどちらかが提案し、それはおもしろそうだと2人で笑いあい、いそいそと左右の扉から出て行った。
「「貴女!子供になにをしたの!! ってどうしたの貴女!?」」
左右の扉から血相を変えた双子の魔女が入ってきて、互いを見ての言葉である。
左の魔女は、服が乱れホホが大きくはれ、頭にタンコブができていた。右の魔女は、服はボロボロで顔はススまみれだ。
互いに治癒と時間逆行の魔法を使い、身だしなみを整えながら、なにがあったかを語った。