ドミニクがんばる!
み、みき、見切り発車中。
ケース:ドミニク
あるパーティーのリーダーのドミニクは
新しくできたダンジョン掲示板のモニターの中の
一つを小一時間眺めていた。
「お、俺の親密度がDだと?!」
ドミニク LV28 26歳
ドミニク-スキア D
ドミニク-ムレレア D
グレート-スキア C
グレート-ムレレア C
クトーン-スキア B+
クトーン-ムレレア B+
「お、オカシイ!ありえねぇ?!」
ダンジョンメッセージ:事実です。
「な、何が原因だ?!」
ダンジョンメッセージ:普段のリーダーシップを狙った
横柄な態度はいいのですが、変に異性に対して
優しい物腰で話しかけるため、気持ち悪がられて
います。
「お、おかしい、女性には優しくっていうのは
常識じゃないのか??」
ダンジョンメッセージ:凝り固まった常識は捨てる
ことをおすすめします。
「ど、どうすればいい?」
ダンジョンメッセージ:挽回のチャンスはあります。
スキアについて有力な情報があります。
スキアの父の様態が急変、悪化して、今週中に亡くなり ます。
「よし!様態が悪くなる前に薬を買ってこよう!!」
ダンジョンメッセージ:却下です!
「へ?」
ダンジョンメッセージ:それでは、ドミニク氏の善意が伝わ りません。
見えない善意、相手の認識できない善意は意味が
ありません。それどころか、気持ち悪がられます。
「え、でも、、、。」
ダンジョンメッセージ:ちゃんと、スキアが不幸に
陥ったところで、手を差し伸べて下さい。
そうしたら、ドミニク氏の善意をスキアが
正しく認識できます。
「え、ヤバくないそれ?」
ダンジョンメッセージ:話はこれだけではありません。
スキアの父が亡くなることにより、スキアは
倒錯してしまいます。その倒錯したスキアを
ちゃんと支えてドミニク氏へ依存させれば、
親密度があがります。
「え、え、怖い、、んですが?」
ダンジョンメッセージ:ドミニク氏はいままで、
相手に見えない善意を施してきたので、
これくらいは罰があたりません。
「いや、でも、その、、、えーーー?」
ダンジョンメッセージ:スキアの父が亡くなる前に
薬を与えてしまえば、スキアはドミニク氏に対して
恩義を感じることもなく、「ドミニクがいて
ラッキーだった!!」位にしか思いません。
それどころかスキアの父に至っては、「スキアに
よりつく虫ケラが!!」と憤怒(逆ギレ)します。
「え、うそーん、、、。薬あげたのにそんな???」
ダンジョンメッセージ:少し大袈裟に言いましたが、
その位相手の反応は薄いものになります。
「いやいやいや、それはないでしょう?!ないよね?」
ダンジョンメッセージ:悲しいですが、これが現実です。
いままで、見えない善意を繰り返してきたドミニク氏
本人の親密度が何よりの証拠です。
「親密度Dて。しかも、リーダーだし!泣けるんですけど!!」
ダンジョンメッセージ:倒錯したスキアは何を信じたら
いいか解らない暗中模索に陥ります。
その状況ならばイケメンでないドミニク氏でも
めんくいのスキアの親密度を上げれるかと。
「何気に酷いんだが、、、。」
ダンジョンメッセージ:クトーンに勝つにはそれしか
ありません!
「そういや、クトーンってなんで親密度B+なんだ?」
ダンジョンメッセージ:本来クトーンの親密度はCです。
しかし、ドミニク氏の見えない善意によって女性陣の心 に余裕が生まれ、その余裕を坊っちゃん気質のクトーンが
喰い潰すといった現象が起きています。
狙ってやっているわけで無く、結果的にそうなって
います。
「つまり、クトーンの親密度を俺が稼いでる訳?!」
ダンジョンメッセージ:その認識で合っています。
「はは、悲しくなってきたぜ、、、。俺はパーティー
の為にやってきたつもりだったんだけどな、、、。」
ダンジョンメッセージ:倒錯したスキアを支えれば
挽回のチャンスはあります。
「くそう、こうなったらやってやるぜ!!
俺にも意地がある!」
ダンジョンメッセージ:忘れてはならないのが、不幸に
陥ってない相手にいくら、善意を施したところで、
なんとも思われないということです。少し困っている
位の者は見捨てる覚悟が必要です。
本格的に困って、倒錯する位追い込まれてから
初めて善意を施すことで、善意を施こされた
者は善意を施した者の価値を知るのです!!!
「う、うん、ど、努力します。」
ダンジョンメッセージ:分かっていただけてなによりです。
ドミニク氏にゴッドポーションを渡しておきます。
これがあれば自暴自棄になって死にかけた、
スキアを救えるでしょう。
「お、おい、いいのか?そんなものを俺にくれて?」
ダンジョンメッセージ:かならず役立てて下さい。
「あ、ああ。」
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俺はこのダンジョンの主、アンク。
なにやら、ここ最近のダンジョンメッセージさんの
テンションがいつも以上に上がっているんだが、
気のせいだろうか?
ダンジョンメッセージ:メラメラです!
うん、気のせいだと思うことにしよう。
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1週間後
昨日、私の父が死んだ。
父は私にとってかけがえのない人だった。
「スキア、僕がずっとそばにいるからね。」
クトーンが何か言っているが、耳に入ってこない。
私は目の前が真っ暗になった。
訳が解らない?
何がいけなかったんだろう?
一昨日の父は笑って私と話していたのに。
そうか?!私は父さんにワガママを言っては困らせて
いた。それで父さんの心労が重なって。
それがいけなかったんだ。そうに違いない。
私の中の半分がそんな荒唐無稽なことを否定している。
しかし、私の中のもう半分が私自身を倒錯状態へと
追いやっている。茫然自失になった私は、
気付けば自然と建物の屋上の端に立っていて、
自然と一歩前へ踏み出していた。
お腹を締め付ける無重力感。その後に突如、酷い鈍痛に
襲われた。ハッキリと取り返しのつかない体全体を
襲う鈍痛。目の前が真っ暗で見えない中、
声だけがこだました。
「スキア!?!」
この声はドミニクかな?
ドミニクの声ってこんなに暖かかったんだ。
「スキア?!ゴッドポーションだ!これですぐ楽に
なるから気をしっかりもて!?!」
私はこれから、死ぬんだ。けど、、、、、
ああ、ドミニクありがとう。ドミニクってこんなに
暖かかったんだね。
私は目の前が真っ暗で目が見えないのに涙が流れるのが
ハッキリと解った。
「(ありがとう。ありがとう。ありがとう。
ありがとう。ありがとう。)」
視力が回復していくと、目の前にドミニクがいた。
ああ、お父さんと同じ暖かさだ。
「(ドミニクごめんね。ドミニクごねんね。
ごねんね。ごねんね。ごねんなさい。
ごめんなさい。ありがとう。ありがとう。
ありがとう。)」
「スキア!心配させやがって。お前がいなくなったら
誰がパーティーの喧嘩の仲裁役をやるってんだ!!
?!」
ふふふ、ドミニクって変な人、、、。
でも、優しいな。こういう人がいるんなら、
もう少し頑張れるかも。
うん、少しドミニクから元気をもらえた気がした。
これからも私に元気をちょうだいね。ドミニク!!
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ダンジョンメッセージ:(計画通り!!!!!)
程々にね。ダンジョンメッセージさん。




