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彼方世界とリヴァイバー  作者: 風降よさず
XIV 有無を言わさず
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第573話 キリハからの頼まれごと

「んもー、そんなに怒んないでくださいよぅ。可愛いかわいいイタズラに目くじらなんて立てちゃって」

「は、冗談」


 どう見ても怒ってるのに、ヘレンときたら相変わらずでした。


 わざとらしいっていうか……ちょっと、うっとうしいっていうか。

 謝らないのはいいですけど、さすがにどうかと思います。


 というか、自分で可愛いとか言わないでくださいよ。しかも2回も。

 キリハさんも鼻で笑ってるじゃないですか。


「あー、あぁー、あ~? いいんですかー? そんな態度とっちゃって。心配だから行ってくれーってあんなに必死になって頼んでたこと、言っちゃってもいいんです?」


 そっちの話も、よく分かりません。

 そもそも、さっきは『本人の口からきいた方がいい』みたいなことを言ってた気が……なんなんですか。本当に。


「全部暴露しておいて、今更脅迫材料になるとでも?」


 ただ、もっと分からないのはキリハさんの方です。


 ヘレンがくだらない嘘をついてるなら、そんなの『違う』って言えばいいだけじゃないですか。

 ヘレンを睨んでも無駄なことくらい、キリハさんならよく知ってるはずじゃないですか。


 さっきから、まるで言ってほしくないことを言われたみたいじゃないですか。


「知ってます? この人、ユッカちゃんが向かってるって気付いた途端に焦りまくって頼んできたんですよ?」

「お、大慌て?」


 ヘレンの言ってることが、どこまで本当かはわかりません。


 なんかさっきからずっと、楽しくて仕方がないって感じですし。

 ……キリハさんのことを抑えながら近付いてくるのはどうかと思いますけど。


 怖いですよ。怖いんですよ。

 ヘレンが近付いてくるせいで、半分顔を抑えられたキリハさんがすごい表情でこっちを見てるんですよ。


「曲解するな。誇張するな。急いで向かってくれとは言ったが、焦りまくってはいなかっただろう。別に」

「そのくらいは素直に認めましょうよぅ。あんなに頼み込んでたのに今更違うなんて言ったって、説得力ゼロですよ?」


 そもそも、さっきから頼んだとか焦ったとか、2人も勝手に色々言ってますけど。


「……さっきから、なんの話をしてるんですか? なんかよく分からないんですけど」


 どんなことを頼んだのかも聞いてないのに、分かるわけないじゃないですか。


 キリハさんがどこに行ってたのかも分かりませんし。

 ヘレンに頼まなきゃいけないってことは、なにかやってたんですよね?


 でも、キリハさんが普通の魔物に苦戦するわけないですし……なんなんですか。ほんとに。


 数が多くても、こんな時間ま終わらないのは変ですし。

 ヘレンの話だと、もっと早い内にそこに向かってたみたいですから。


「簡単なことですよー。アーコに向かってた人達が微妙にばらけちゃって、町から遠い方を優先してたところに……ねー?」

「ねー? なんて言われても分かりませんよ。その先を聞いてるんじゃないですかっ」


 聞いてみても、ヘレンはまともに答えてくれませんし。


 ねー、じゃないんですよ。

 優先してたところに、どうしたんですか。なにがあったんですか。


 わたし、さっきからそこが聞きたいって言ってるじゃないですか。


「だってだって、そこの人がさっきから凄い顔しちゃってるんですもん」

「誰のせいだと思っている?」


 ……今のキリハさんが怖いのは、分かりますけど。


 やめてください。この前のアイシャじゃないんですから。

 前に変な男の人相手に本気で怒ったときとは違う怖さなんですよ。さっきから。


「えぇ? 私、本当のことしか言ってませんよー? いま帰ってきたのもあっち行ってたからじゃないんです?」

「確かに、それはそうだ。ああ、その点に関してはそうだとも」


 ……こういうのも、ある意味、この2人ならではなのかもしれませんけど。


 昔からの付き合いだから、みたいな。

 ……あんまり羨ましく見えないのは気のせいじゃないですよね。これ。


「で? それ以外の部分についてどうしようもない程に曲解している点については?」

「別に曲解なんてしてないんだけどなー……」


 まあ、いつも通りと言えばいつも通りですけど。

 珍しくもないですよね。別に。


 たまに、ちょっとうるさいと思うときもあったりしますけど。

 わたしはこうなりたいとは思いませんけど。


「というか、いいんです? その慌てっぷりのせいで余計にマジっぽくなっちゃってますよ?」

「別に慌ててもいない」


 リィルが近くにいなくてよかったですよ。本当に。


 こんなところを見たら何を言うかわかりませんよ、リィル。

 お説教にわたしまで巻き込まれるのは嫌ですよ。さすがに。


 それもこれも、ヘレンが変に絡んでくるから


「こんなこと言ってますけど、必死に否定しようとしてるんですよねー。実際は。後々使えるかもなんで、覚えておいた方がいいですよ?」

「ユッカに変な情報を吹き込むのはヤメロ」

「どこで使うんですか……」


 またですよ。これのせいですよ。


 聞きたいことをちゃんと教えてくれないのに、どうしてそんなことはすぐに言ってくるんですか。

 ヘレンが近いせいでキリハさんの怖い顔がわたしからも見えるんですよ。


「使いどころは色々ですけど、そっちはその場その場で教えていくとしてぇ……」

「おい」


 それより先に――……だめですね。また流されそうですし。


 キリハさんがなにかをヘレンに頼んだところまでは本当みたいですけど。

 聞ける雰囲気じゃないですね。これ。


「変な情報云々はリーダーさんのせいじゃありません? 素直に認めときましょうよ、もう。リプレイ見ます?」

「お前の編集が怖いから却下」

「そんなことしなくても余裕なんですけどねー?」

「り、りぷ……?」


 ……なんの話ですか。今度はなんの話をしてるんですか。


 2人だけにしか分からない言葉を使うのはさすがに止めてほしいんですけど。

 意味が分からないんですよ。意味が。


 さっきの気持ちを返してくださいっ!



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