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・エピローグ2 『異次元のプロポーズ』


 ・エピローグ2 『異次元のプロポーズ』


「なんでブチギレてんだよ。情緒、どうした?」


 呆れ口調でそうつぶやいてから、


「……言っておくが、俺とナンパは、対極にある言葉だからな。俺は常に孤高。確かに、俺という人間の表面に、ある種の『軽薄さ』がにじんでいるのは事実。だが、しかぁし! その軽薄さは、あくまでも――」


「ごちゃごちゃと、じゃかぁしい! 黙って話を聞かんかい!」


「……お前の方がうっせぇよ……てか、ほんと、なんで、そんなバチギレしてんだ? 元気よすぎだろ。なにかいいことでもあったのかい?」


 そこで、罪華が、ススっと、センの隣に席をうつして、


「センセーに口説かれた率で言うと、トコてぃんが、明らかに劣っているから、いろいろと焦っているんだと思うにゃぁ」


「そもそも、俺は『誰一人として口説いてねぇ』という、純然たる事実に、そろそろ、誰か気づいてもいいんじゃないか?」


 そこで、黒木が、


「いやぁ……話を聞く限り、『口説いていない』は通用しないと思いますよ? あなたがツミカさんを助けた一件に関しては、ツミカさんが、要所要所を濁しているので、いまいち、全容が掴めませんが、それでも、あなたが、ツミカさんの『とんでもないピンチ』を救ったというのは、ツミカさんの発言の端々から、痛いほど伝わりました。ミレーさんに至っては、『実の親』でも、なかなか発揮できないレベルの献身・愛情を見せているではないですか」


「親の愛情をナメんじゃねぇ……」


 と、一言はさんでから、

 センは、


「お前らの勘違いを粛清しゅくせいしてやる。耳をかっぽじって、よく聞け。――俺は、その時々の『気に入らない現状』に対し『身勝手なリンチ』をかましただけに過ぎない。結果的に、お前らの命が助かった……その現実は認めよう。しかし、あくまでも、結果論だ。『それ以下の空虚な戯言に成り下がるコト』はありえても、『それ以上の何かしら』には決してなりえないのだ」


「わりと最初の方から思っていましたが……あなた、ハンパではなく面倒くさい人ですね」


「ふっ、青いな。お前は、まだ現実が飲み込み切れていない。俺の面倒くささは、お前に想像できる範疇にはない。俺の鬱陶しさは、常識の向こう側にある。俺の異常性に対しては、常に最悪のケースを想定しろ。俺のサイコパスエナジーは、かならず、その遥かナナメ上をいく。どうだ! 引くだろう!」


「……自信満々の理由がサッパリわからないのですが?」


 と、そこで、ツミカが、黒木を睨みつけて、


「ちょっと、マナてぃん、ツミカさんの前で、センセーと楽しくおしゃべりだなんて、いい度胸しているにゃぁ」


「変な殺気を向けないでください。言っておきますが、先ほどの会話に対し、私は『楽しい』という感情を一ミリたりとも抱いておりません。今の私は、彼の狂気を受けて、純粋な恐怖に包まれています」



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