婚約発表のお茶会の地面の下で害虫が死んだ件
「うーん、もし起こるとしたらここら辺の位置しか考えられないか」
「何が起こるんですかぁ?」
やあ。
クソ冤罪で婚約者を貶める系ゴミクズ王子から婚約者を守るためなら何でもする溺愛系王子にジョブチェンジしたエルグランドだよ
そして今俺は、マリアと護衛の騎士数名を連れて王宮の立派な薔薇園で…しゃがんだり、時には四つん這いみたいな姿勢になってあちこち調べているところです。
王子の奇行…ではあるんだが、マリア達からは「婚約者にデレッデレな王子が婚約発表に万が一にも何か不穏なことが起きないよう神経質になっている」としか見えてないらしく、微笑ましく見守られているわけだ
人柄は成長したものの、オツムはそこそこという評価に留まるようにしているからな
悪役令嬢モノをよく読んでいる方なら俺が何をしたいのか察して頂けるかな?
そう!
婚約発表のお茶会。俺は屋内の方が警備がしやすいから屋内にしてほしいと必死に主張したのに母上の「薔薇が素敵だから!」という理由でこの薔薇園になってしまったこのお茶会…
そこに強制力があるのかは不明だが、アリネーラ様は俺に同意してくれたのに、母上が馬鹿みたいに頑固だったことに少し違和感を抱いたんだよな
そこで思い至った。
婚約発表のお茶会、或いは攻略対象との出逢い。悪役令嬢との馴れ初めのお茶会……そこでよく見かける描写といえば!
『隠し通路を利用したピンク頭キチガイクソメスガキによる強襲・令嬢などへの突き飛ばしなどの危害案件』
これ、かなり殺意湧くんだよな。王宮のめでたい席にクソ雌ドブネズミが乱入するとか、婚約者スキーな俺からしたら八つ裂きにして野犬に喰わせなきゃ気が済まない。身の程知らずにも程があるだろクソビッチ転生ヒロインの分際で何様だ!!
そして頭にくることに大体捕まらないんだよな。騎士も大人の男の不審者なら容赦なく攻撃すると思うが、ピンクヒロインクソメスガキは生きる価値は無いゴミでも見た目は小さい女の子だから咄嗟の判断が鈍るんだろうな
そんな怒りと二人づれで地面を調べまくっていたら…
「まじか、本当にあったわ」
俺とセレスティナ様の座る席の付近にちょうど生垣の死角から出てこられるわかりにくーい穴がありやがりました
さて、少し降りて中にピアノ線を張り巡らせて
「おーい!
ここに変な穴がある!誰か落ちたら危ないから塞いで下さい!」
「えぇ?!あれま、本当ですぅ」
「おお!殿下が見つけられたのですか?!」
「…ふーむ、恐らく先帝陛下より更に前の時代の隠し通路の様式のようにお見受けします。取り敢えずしっかり入口を厳重に塞いでおき、後日土を持ってきてしっかり埋めてしまいましょう」
よし!!!
そして婚約発表のお茶会は何事も無く終わった。お茶会の描写?
ティナと挨拶して、その後はひたすら来客に挨拶されてただけだわ。舞踏会ではないからダンスとかも無いしな。クソ疲れたけど隣の女神様のお陰で乗り切れた
あ、ティナと愛称呼びを許してもらえました。俺のこともエルでと頼んだ時はやばかった
もじもじしながら「…あ、あの…エル…様っ!」とお顔を赤くして俯いてしまうティナがマジでマジで可愛かった!!!
さてさて、時刻は夜更け。身体強化(騎士には一般的な技術)で例の場所に行き重りと丈夫な踏み板を外す
「ライト」
指先に光を灯して穴に降りると…
「うわ、本当にかかってんじゃん」
ピアノ線でズタズタになって虫の息なピンク頭クソメスガキが居ました!!
「どぼぢで…?
ごの"ぜがい"の"…い"げめ"ん"はっ…ぜん"ぶっ!!……わ"だぢの"モノっ!なの"に"っ!!」
恨みがましい目で睨んでくるピンク頭クソメスガキに吐き気がする。こいつ人間か?
同じ生き物だと思いたくないレベルに醜悪だな。まあ人の男寝取るしか能がない害虫だからな
ピアノ線を引っ張って首を落とし、踏み板と重りを元通りにして自室にしゅわっち!!して寝た。ティナを守れた満足感でぐっすりだ