宰相閣下と同盟を組むことになった件
…薔薇を見ると少しはしゃいだ雰囲気を纏うセレスティナ様。薔薇好きなんかな?
でもまだなんか落ち込み気味だし、少し悲しげなんだよなぁ
「あ、あのね、楽にしてね?
…セレスティナ様は俺との婚約は嫌ですか?」
「…いいえ。殿下がわたしでいいと言ってくださるなら…その、う、嬉しいです」
顔を赤くしてニコッと笑った…笑った!!セレスティナ様が笑ったぞ!!
尊みが深すぎる!!
「…で、殿下?!…血が?!?!」
「…し、失礼!!セレスティナ様が可愛すぎて少々のぼせてしまったようです」
「ふえぇ?!」
「ちょおエル様ぁ?…気持ちは分かりますけど王族が鼻血はまずいですぅ」
ハンカチで鼻血をどうにかガードしながらガゼボにやってきた。あとマリアうるせぇ
「うふふふふ、エルちゃんったらおませさんなんだから!セレスティナちゃん、わたくしのことはお義母様と呼んでもいいのよぉ?」
「ふぇ?!
お、恐れ多いことにございます」
やっとセレスティナ様がリラックスしてくれたようだ。雰囲気がかなり緩やかになった
その後は母上の膝の上に抱かれて溺愛されるセレスティナ様とのんびりお茶とお菓子を楽しんだ。
「そうだ、母上……
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「…はぁ〜!!早くセレスティナちゃんに会いたいわ!!とっても可愛らしいんだもの!!
エルちゃんも早く会いたいわよね!」
「はい、母上。
彼女は間違って地上に降りてしまった天使様なのだと思います。彼女のことを想わない時はありません」
やあ。
対面から一週間後。セレスティナ様との婚約が内定しました。もう一回王城に来てもらって、改めて跪いて彼女に正式に婚約を申し込んだ。
今度はアリネーラ様やクリストファー兄上も祝福してくれた。何故か?俺が父上達にある提案をしたからだ
宰相閣下や、アリネーラ様、クリストファー兄上が懸念していた泥沼化を防ぐため俺がアンタレス公爵家に臣籍降下で婿入りすることになりました
将来はセレスティナ様と2人で、公爵領を守っていくのだ!
王位継承争いは沈静化するし、セレスティナ様は大好きなご両親や仲良しの使用人達とこれからも生まれ育った屋敷で一緒に居られる。
また、宰相閣下は分家から養子を取って後継者にしようとしてたようだがそれも無くなった
いや、それダメなやつです。
その手の話の義弟or義兄って絶対クソ天然ぶりっ子便所ヒロインに惚れ込んで、恩義ある義両親を嵌めたり義妹or義姉を断罪するゴミクズ顔だけ集団に参加するヤツですやん!!
だから俺は言ったよ「強い野心を心の奥底に潜めていたらどうするんですか?!
クソみたいな奴に家を乗っ取られたらセレスティナ様だけでなく屋敷の皆さんや領民の皆さんまで不幸になるかもしれませんよ?!
だから俺が婿にならせて頂いてセレスティナ様を守ります!!例え泥水を啜り草を喰むことになってもセレスティナ様だけは守り抜きます!!」
うん、バカ王子だからこのぐらいでいいんだよ
「ほう。
まあ殿下はそこら辺は信用出来るようですからな…とにかく婚約は認めましょう……取り敢えずですからな?娘を悲しませたら即破棄ですからな?」
「承知しました!!」
宰相閣下も大概だよね〜最初は渋ってたのに。まあ俺が完全にセレスティナ様に一目惚れして傾倒したから安心してる部分もあるか
「あらあら、独占欲ねぇ〜」
あ、母上は俺がムキになってるのはセレスティナの同じ屋根の下に歳の近い男の子を置かせないためだと思ってんな?!?!
このポワポワ恋愛脳め!!
まあ確かにそれも利点だな!!
というわけで、婚約に関する諸問題が解決。
宰相閣下とはセレスティナ様溺愛同盟を組んだ
そしていわゆる攻略対象クソ野郎のポジションを一つ潰してやったぜ!!
「…エルグランドさま!」
「セレスティナ様!」
パタパタ駆け寄って来てくれるセレスティナ様マジ天使様なんだが。
今日はパステルピンクの上品なドレスでお花の妖精のようだ
「…セレスティナさん、走ってはダメですよ?」
「あ…ご、ごめんなさい」
「アリネーラ様、お疲れ様でございます」
「いえいえお安い御用です。私も彼女のことは大好きになってしまいましたのよ」
あ、今彼女はアリネーラ様の王子妃講座初級編を二時間ほど受けてきたところなのである
アリネーラ様もすっかり好きになったようだ。まあテンプレなら母上や父上はあとで文句言われて謝る役どころで、アリネーラ様が最初から味方な役どころだからな




