溺愛王子には小汚い性病聖女の魅了なんか効かない件
ふーん
私を見てってか?
ばりキモいな
やあ。
今現在進行形で精神干渉系の魔法?だか術?だかなんだかに晒されてるけど、変わらず最愛の婚約者の腰に手を回して優しく抱き寄せてるし、幸せ満タンな王子エルグランドだよ
今は学園の学園長室で団体転入生の顔合わせ中
高位の令息が4人
子爵家の令嬢が1人
害虫が1人
こちらは俺とティナ、護衛のソフィーにフラン、セレナ、セシリアの仲良し3人娘…まあいつものメンツだな
普段は更にリスラネル国との友好の証の留学生であるジナイーダ殿やマナー教育の名門フォナムメイソン伯爵家の御令嬢のシャーロット様、他の様々な有能なご令嬢が周りに居て自己防衛しているわけだ
…さて
「第二王子、エルグランド・フォン・オパビニアだ
此方は我が婚約者のセレスティナ、友人達だ」
しっかりとした紹介はしない
必要ないからな
「モブ公爵家令息、イワンだ」
「サリーだよ」
「カルロだ」
「ベネットだ」
次々と名乗る見た目はイケメンな少年達…なんか名前が筋肉ムキムキマッチョマンの変態に殺されそうなラインナップだな
あとこっちは王族だっつうのに礼儀もわからねぇクソガキ共だな…まあわからなくされてるから元は優秀…いや、元からクソガキだやっぱ
「み、ミリアですっ!よろしくお願いしますっ!」
擬音でいうとキャルルン!って感じの分かりやすい性格ドブスで演技天然のクソアマが俺に熱い視線を投げながら名乗る
無視して、ライムグリーンのシンプルながらセンスの良いAラインのドレスに身を包んだ令嬢に軽く視線を投げて次はお前の番と促す
「ペルピニャン子爵家が次女、カトリーヌ・ラ・ペルピニャンでございます。
豪傑と名高いエルグランド殿下並びにセレスティナ様の尊顔を賜りまして恐縮でございます」
「カトリーヌ様、気楽にしてくださいませ!これから学友となるんですもの!」
「そうよ〜!」
「あ、私達はあとでね
何しろ先に済ませなければいけないことがあるみたいだから」
「名乗りもせず申し訳ありませんわ、歓迎のお茶会の用意をさせておりますので自己紹介は後ほど」
「はい、ご友人様方もご配慮痛み入ります」
ああ、やっぱりカトリーヌ嬢はかなりしっかりされた方だな
そしてすぐにティナ達とも仲良くなれそうで良かった
ティナに優しい言葉をかけられて頬が少し赤くなってるな…我が最愛の女神は百合総受け属性もお持ちなのだ
さてと
女子同士のキャッキャウフフモードに入ったティナ達を背後に庇う感じで俺とソフィーが前に出る
「カトリーヌ嬢、君は見届け人を兼ねているということでいいのかな?」
「は、はい!その通りでございます!」
やっぱりな
戦争はマジ勘弁なんでそいつら(カトリーヌ嬢以外)は煮るなり焼くなり好きにしてくださいっつう…速い話が生け贄だな
「では、彼女達とお茶でもしていて下さい
私も処理が終わったらすぐに合流しますから
ティナ、みんなとよろしく頼んだよ」
「分かりましたわ!」
ティナ達がカトリーヌ嬢を連れて退室して…ここからが本番か
「…え?あ、ちょっと!私聖女なんですけど!!私もお茶会に「黙れ、殺すぞ」
「嘘っ?!
どうして効かないのっ?!」
「…ふ、拷問するまでもなく簡単に口を割ったな」
「え?ミリア??」
「は?何っ?!どういう事だ!!」
「く?!まさか?!」
「ま、まじかよ…」
うん、愚かな馬鹿4匹はまあサクッと殺して…地面がないと強制土葬使えないんだよな…あとでそれとなく移動すっか
「効かない、というのは先ほどから貴様が私に照射している吐き気がするほど不快な魔力のことか?」
「…どうしてっ!!貴族の結婚なんてどうせ政略結婚でしょっ!!!」
「やかましい雌豚が!!…ソフィー!」
「はっ!!」
ソフィーがビッチ聖女の腹を身体強化して蹴り、部屋の端まで吹き飛ばす
いや、カエルみたいなうめき声あげながら這いつくばっていても俺への魅了やめないんかい!!
どんだけ俺とヤリたいんだよこの腐れ便所聖女は!!
「国家転覆罪ならびに王族侮辱罪、外交に関する12ヵ国協定の違反だ!!
この小娘に味方するなら貴様らにも適用してこの場で即排除する!
死にたくなければ一切動くな!!」
クソガキ4は怒りにまみれた表情ではあるもののどうにか踏みとどまった、といった感じだな…目の前でさっきミリアの本性暴かれたばっかなのに蹴られたら即同情からの怒り爆発とか頭悪過ぎるわ
罪状的に拷問しまくった後公開処刑になるの確定なんだから今ここで少しばかり痛めつけようがそんなんどうでもいいだろ
ミリアに近づき、頭を思いっきり踏みつける
ゴリっと嫌な感触が足の裏に伝わり前歯が飛び散る
「ティナより貴様の方が大事」、という文字列がぼんやりと、本当に僅かに脳裏に浮かんで、そのままかき消えた
吐き気のする文字列を想起させられた、それだけだ
動いた感情は、まさしく知覚できない誤差の範囲…すなわちゼロと同じだ
…こんな小手先のまじないに騙されて情けないなお前らは」
驚愕と絶望の表情の馬鹿4人
なるほど、こいつらに故マクシミリアン合わせて便所ミリアのイケチン5ってことだな
「がひゅ…ひ、酷いです…こは…なこと…」
「貴様はその力で愚かな男どもを操って侍らせ、何の罪もない女性を何人も貶めて来たのだろう?
被害者ぶるなよ害虫
メガーヌ国内では国王と同等だのなんだの不相応な扱いを受けてるらしいが
たかがカルト宗教の客寄せパンダの性病女風情が王族たる私を視界に入れることすら不敬だと思わんかね?」
足で顔を横に向けさせて両目に千枚通しぶちゅっ!とな
「ぎいいぃべええええぇぇぇ!!!」
うっせえ死ねアバズレ!!
一時的とはいえ9999京9999兆9999億9999万9999だった俺のティナへの愛を9999京9999兆9999億9999万9998に改竄しやがって!!
本物の愛の前にはドブネズミ女の魅了など虫の羽音以下塵ノイズじゃボケ!!




