馬鹿な物語が生まれる元を絶った件
「やっと他の国と足並み揃ったわね…これで一安心と言えるでしょう」
「まったく、今まで放置されていたのが疑問でなりませんよ」
やあ。
王妃様に報告中のエルグランドだよ
学園長を追い出してから1ヶ月、新体制への移行はスムーズに終わった
まあ今日はその報告会的な感じだな…兄上はトリッシュ殿下が抱きついて離れない…見せ付けてくれますな〜
俺とティナはまだ婚姻前だしってことで肩が触れるぐらいくっついて座ってるだけに留めているのに(どんぐりの背比べ)
まあ元々カリキュラム自体はそんなに問題があるわけじゃないから特に弄らなかった
教員や事務職員の中にも学園長と秘書ババアとそのシンパ達の内部は平等()方針に辟易していた人達も意外と多く、人員も結局6割は残留だ
この世界で一般的な"学園"という制度
どの国でも15歳〜18歳あたりで通わせるのだが、性質は前世で言うと高校より大学に近い
結局のところこの学園が何なのかと言うと色々な側面はあるんだが、ガチの社交界に出る前の仮免みたいなものというのが一番しっくりくるか?
小さい頃のお茶会はその前段階の教育となるから仮に王宮のお茶会でもそこまで厳格さは求められない
んで学園。
箱庭で社交を学ぶが、そこには常に本物の社交界の責任や看板が付いて回る
有力な女子は実習的なお茶会を開いたりするし、下位の女子はどうにかしてそこに呼んでもらうために奔走したりする
例えば今クラスのほぼ全員はなんだかんだ互いに知り合いとなっているが、それが貴族のルールに則った自己紹介を経ていることが重要なわけだ
だから意義を何も理解せず、日本の高校のような自己紹介タイムを勝手にやろうとしたクソバカ担任はクビにしてやったというわけだな
さて、教習所こと学園だが
当然本番よりはミスへの制裁も緩く、よっぽどのことがなければ干されたり排除されたりする、つまり退学になることは無い
アイシラは下手くそなのでしょっちゅう路肩に乗り上げたりバーにぶつけたりするが、まだ1年生だしどうにかなる見込みは十分あるでしょってことだ
逆にエミリーとエネマグラ男爵家、プリシラなんかは教習車をぶつけて廃車にしやがったくせに謝りすらしねぇ
車に乗る資格は無いし、それ以前に人間として終わってるわ
他の国は人柄も厳しく審査するため馬鹿が入学しようとしても弾かれていたわけだが、この国は過去に身分が高い者が度を越して威張り散らした時期があって、その反動でやたらと下位の者を庇いまくる風潮が蔓延し、正に"乙女ゲームのような非常識"の黙認が為されていたってわけだな
しかし、結局はてめぇの価値観の押し付けでしかなく秩序を乱していたのは経営陣、ビッチの味方側
一度日の光を浴びせちまえばジメジメした連中は一気に消毒だ
ただ、軽視してはいけないのは今迄蓄積してきた影響力の残骸
当然この国の貴族王族は此処の卒業生
成る程
恐らく令嬢の方が馬鹿な方針の学園でもめげずにきちんと"社交の練習"をやっていたのだろう
この国の貴族の女性は優秀な人が多い
逆に男は馬鹿が多い
精神年齢は男の方が平均して5〜8歳ぐらい女より低いらしいから、多感な時期に馬鹿な環境に居たせいなのだろう
もちろんお義父様を筆頭に男性で優秀な当主だって何人も居るが、まあそこら辺は個人差だわな
"乙女ゲーム転生みたいな馬鹿っぽい学園"の中で女子生徒は逆に上下関係や身分の大切さを学び、その上で立場を超えた友情を結んでいく…が、一部はバカビッチ脳に育ち、その女の娘も当然クソになる
その一方で男子生徒の多くは学園が囁く青臭いお花畑の平等論に毒され、リベラルレイシズム馬鹿と成り果てる…そんな連中の息子達が本質を見抜けず、わざと転ぶ便所をパブロフの犬の如き条件反射で庇護対象と認識する馬鹿に育つのも致し方なしか
今まではそういう構図がたしかに存在していたのだ
父上がポンコツなのも、母上がポワポワなのもそれが理由の一つだろう
まあ母上は昔から愛されマスコットキャラだったらしく、クソビッチヒロイン体質にならなかったのが救いだわ
アリネーラ様とお義父様居ないと国としては機能しないんだろうけどなw
なんにせよアホでバカで童貞脳な令息や、身の程知らずのクソビッチ女が発生する根底を壊せてよかった
横領などもかなり問題視されてこれからは学園にも監察官を常駐させることになり、学園の治外法権な性質も壊して再発防止に尽力だ




