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令息に良い影響が出てた件



「お連れしました」

「エルグランドだ」

「セレスティナです」



「なっ?!…ま、まさか第二王子殿下と婚約者殿がおみえになるとは!」

「まあ!もしかして殿下とセレスティナ様がお聞きくださると?」

「きゃあぁ!!王子様だわっ!!」



…………うわぁ

妹が絶対クソだろこれ

夫妻は顔を見て一応思い出した。一度挨拶はされてるからな…どっちみちかなり無礼な態度だが


まあ貴族だから血筋の関係で外見は美形、この国では身分関係なく珍しくない金髪碧眼…夫人はストロベリーブロンド



女官さんからの事前情報によれば姉であるセレーネ嬢は14歳でキリッとした顔立ちの銀髪美少女らしい


ゆるふわカールのセミロングで母親と同じストロベリーブロンドにリボンを付け、フリルたっぷりの薄いピンクのドレスを着てるこの妹は13歳…こんなのが未来の先輩かよクソが



つか、妹が明らかに姫体質で性格クソブスなのが全身から滲み出てるんだが。服装もこの世界のドレスコード的に13歳にしては少女趣味が過ぎる。てめぇの家なら勝手にしろって話だが王城に来る服装じゃねぇ



つまり、それを咎めない両親も常識が欠如したクソということだな




「…なんですの、そちらのご令嬢は?エルと初対面なのにカーテシーもせず!」

「ティナの言う通りだ!子爵家ではその小娘にどういう教育をしている!!」



「こ、こらネイだめじゃないか!」

「そ、そうよ謝りなさい!」



「…ごめんなさい」



…あ?

なんだその誠意がまるで無い謝罪もどきは?不貞腐れた表情しくさって身分制度ナメてんのかこのクソアマコラ



それからてめぇなんでティナを睨んでやがんだコラ

眼窩を抉り取られたいのか?


俺にだけキラキラした視線を向け、同性はとにかく敵視…アバズレ寝取りクソビッチヒロイン特有の尻軽行動が顕著だ



「話にならんな、そもそも何故その小娘を連れてきたんだ?

使用人だって居る筈だ。留守番の出来ぬ年齢ではないだろうが!!」


「も、申し訳ありません!!この子が王宮を見てみたいと言いましたので…」



はぁ?

ざけんなクソババア。王宮は観光スポットじゃねぇぞ!!

いやもう、これアレだろ。姉妹で扱いが違い過ぎるキチガイ毒親テンプレ確定だろ



…そうなると伯爵家がしてるのは監禁じゃなくて保護ってことなんだろうなぁ



「取り敢えずこの件は俺が預かる。その令嬢の不敬も含めてな!


屋敷に戻り連絡を待て。以上だ」



早々に切り上げ、伯爵家に向かう!20分後、ツナドンサ伯爵家のタウンハウスに到着!



「何者だ?…え、エルグランド殿下?!」「アンタレス公爵令嬢様も?!」


紋章無しの馬車に乗って伯爵家に来ました。目立つとアレなので護衛は影とソフィーティア、私服の騎士数名のみ



「ああ、この訪問は非公式です。正式なもてなしは不要です

セレーネ嬢の両親が王城に来て妄言を喚き散らしたので事実確認に参りました。案内願えますかね?」


「お待ちください、すぐに確認して参ります!!」

「急にすいません、頼みます」

「とんでもありませんっ!!」



ふむふむ。

門番の兵士の士気は高いが、卑しさは全く感じられない。聡明な当主、つまり自分達の主人に誇りを持って門を守っているのがヒシヒシと伝わってくる…この家がまともということだな



そして、暫くして案内されたリビングでは、セレーネ嬢と思しき令嬢がブライアン殿と思しき青年に強く抱きしめられて頭を撫でられていた…テンパって伝達が行き違いになっちゃったかな?悪いことしたな


「おほん」


「ああセバスか今は誰も入れるなと言っ………え、も、もしやエルグランド殿下?!」


「ああ、エルグランド・フォン・オパビニアだ。此方は婚約者のセレスティナ公爵令嬢だ」

「セレスティナと申します、以後お見知りおきを」



「…し、失礼致しました!!ツナドンサ伯爵家が第一子、ブライアン・ヴァン・ツナドンサであります!!お会いできて光栄です!!」

「ポルデリシア子爵が第一子、セレーネ・ヴァン・ポルデリシアと申します。ご尊顔を賜りまして恐悦至極にございます」



「こちらこそいきなりすまない。楽にしてくれ

セレーネ嬢の両親が王宮に乗り込んできて彼女が此方に監禁されたと喚いてな。文官や騎士の手に余る話なので俺に回ってきたわけだ。

だから事実確認のために急遽こうして参ったのだ」


「そうだったのですか…」



うん、もうみなまで言うな状態。

化粧とゆったりしたドレスで誤魔化しているがセレーネ嬢は痩せこけているし顔色が悪い

それでも表情が明るいのはブライアン殿に溺愛され、たくさん肯定され、しかも彼が彼女を救い出すと強く決意表明しているからなのだろう



「…折角、この場にこうして王族であり次期筆頭公爵家夫妻である我々が居るんだ。告発(・・)があるならいくらでも聞くが?」


「…わたくしの…わたくしや彼の言い分を聞いてくださるのですか…?」

「ね?セレ、殿下やセレスティナ様方は絶対分かってくださるって何回も言ったでしょ?」



ああ、セレーネ嬢は人間不信になってるんだな…逆にブライアン殿に心をこれだけ開いてるのは彼が彼女を本当に何年も大切にしてきたからだろう…それにしてもブライアンは俺を盲信し過ぎじゃね?!初対面ぞ?!

そして話を聞いたらやはりというか一目見てほぼ分かってたけどキチガイ毒親テンプレみたいな事態が起こっていた



そして意外にもブライアン殿は、昔はネイトリア…要するにあのクソ妹や、アリシアが可愛く思えていたらしい。彼が今13歳でセレーネ嬢が一歳とはいえ上というのもいまいち距離が詰められなかった理由かもしれんな。


しかしお茶会でエレナ嬢が貶められ、俺がブチ切れした時に目が覚めたのだとか


必死に自分の婚約者に相応しいようにと努力し、健気なセレーネ嬢の姿を改めて見つめて、愛が溢れたと。

そしてセレーネ嬢は実家での虐待を彼に心配かけまいと必死に隠していたそうだ。そんな必要は無かったんだが、追い詰められた心理からの行動なんだと思う。



まあそれが今回、ブライアン殿にばれて珍しく強い口調で問い詰められ、抱きしめられて、保護されたというわけだな…いい(オトコ)だブライアン



その後

ポルデリシア子爵家は取り潰しで当主夫妻とネイトリアは平民落ちだ。ざまぁ!…ティナ絡みならその後速攻で行方不明にするんだが、今回は当事者であるセレーネ嬢がそこまで望んでない


ブライアン的には今後の懸念を消すという意味でも三人ともきちんと殺したいようだけどな…めちゃくちゃ分かるぞその気持ち!!!



ついでに言えばセレーネ嬢虐待の理由は厳しいから当主が苦手だった自分の母親、つまり彼女の祖母に似ているからというクソみたいな理由だった…うん、死ね。



ポルデリシア子爵領は元々、ツナドンサ伯爵家から先先代の時代に褒賞として分割された領地だっため、伯爵が昔のようにまとめて統治することになった


クソ妹の贅沢のために税を限界まで上げられていた領民達からすれば願ったり叶ったりだったようだ




リクエストがありました、元は馬鹿だったのがまともになった2割の令息の要素を入れてみました

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― 新着の感想 ―
[一言] 兵士が聞いてきますって確認して屋敷にはいったのに 子息には知らせてないってちょっと違和感。 ラブラブ具合を見せる為にわざと知らせてなかった?
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