自分の国が悪い意味でガラパゴス化してた件
「王家の失脚を狙ってる一派、ようするに貴族派という連中かな?そういうのが居たり、そこまでいかなくても王家とかなり確執がある大公家があったりは皆さんあるみたいだけどねぇ…」
「尻軽がトラブル起こすのは我が国だけですか…」
「よく考えてみれば、みんな最低限の礼儀や作法は守るのは当たり前だよねぇ」
やあ。
珍しく兄弟揃って落ち込んでるエルグランドとクリストファー兄上だよ。今は王城の休憩室みたいなとこでお茶しとります
ティナとトリシュ殿下は目をハートにした他の国の王族のお姉様方に拉致されてしまい野郎は弾かれてしまった。
可愛らしいティナに、凛としたトリシュ殿下がデレデレするのがなんかこう、尊い百合な感じで皆様の感性に刺さったらしい
明日がパーティーなので、国賓来賓はもうみんな城に滞在しているからな。
そして折角各国のトップもしくは次期トップがオパビニアに集まるということで、王太子交流会みたいな席を設けたらしい
んで、終わった兄上が漫画で言うところの縦線と暗雲でどよ〜んみたいな雰囲気になっていたので声をかけたらこの部屋に連れてこられて話を聞かされ、俺は顔から火が出そうだぜ!
…他の国には頭おかしい身の程知らずクソビッチはまず居ないらしい。
というか厳密には居るかもしれないが、そういうヒロイン系クソビッチはオパビニア以外だとまず"乙女ゲームの舞台"に立つこと自体が許されない。どの国も貴族の学園とかはあって、平民の特待生枠とかもあるらしいが、能力だけでなく人柄も厳しく審査されるようだ…うちの国緩すぎ?!
仮に立派な淑女の演技を猛烈に頑張って潜り込んだとしても、クソビッチヒロインの本性を露わにした時点で徹底的に排除されるから意味が無い
そしてお茶会などにそんな女が来ても貴族令息は冷たく振り払うかさもすれば突き飛ばすのが人として当たり前だし、下級貴族の令嬢達だって小さい頃から努力し、立派な淑女になるのが当たり前なんだとか…
うん、本来この国でも当たり前なんよ。五爵の身分制度あるんだから。
まあアンタレス公爵家はマフィア的身内至上主義ではあるが、それはこの国の暗部を担う家だから迅速で対等な意思疎通が必要なのと、結束を高めとく必要があるからと、ティナが女神だからで。
そもそも義両親だってフィリーネさん達だって公の場では身分とかきちんとしてるわけだしな
思い返してみれば、俺とティナにも若い世代が挨拶にたくさん来てくれたけど、下級貴族の令嬢でもみんなピシッとしていてオーラが違うし、各国の代表団の中には能力で立場を勝ち取った平民も居るがみんなそこら辺の貴族よりきちんとしてる気がする
言わば国の顔になるメンバーだから厳選しまくってるのは事実だろうが、クソビッチアバズレヒロインの暴走を事前に止められないような体制はマジで我が国だけっぽいんだよなぁ…いや、これってかなーり恥ずかしいことじゃね?!
こりゃ、国際基準に合わせよう!!という理由でアリシアを社交界から追放しても大丈夫なのでは?
よし、パーティー終わったら検討しよう。
アイシラの方は使用人の皆さんのヘイトが溜まりまくっていたため、今はかなり厳しく教育されてるらしい。あの手のクソビッチヒロインがまともになれるとは思えんがまあいくらかマシになるだろう
「まあ、悪いことばかりじゃないけどねぇ
弟殿下が優秀なのに、兄弟仲も良いのはかなり羨ましがられたよ
結構兄弟で争いが熾烈だったり、逆に兄が無能すぎで王位を押し付けられた方も居るみたいだからね」
「あ〜その点は我が国は平和ですよね!わははは」
「エルのお陰だけどねぇ」
「いやいや兄上、それは結果論ですよ。俺はティナのために公爵家を継いで一緒に頑張っていけるのがなによりの幸せですからね」
「相変わらず溺愛だねぇ」
「そういう兄上はどうなんですか」
「トリシュは…結構積極的だよ」
のは!
耳がちょっと赤い兄上可愛いな!




