お茶会大成功な件
「皆さま、本日はお集まり頂き感謝します。色々と不快なことはございましたが、その結果として良かったこともありました。
我々王家は今回のことで絆を再確認し、結束を強めることができました。次の世代に向け、盤石な基礎を築き上げるべく、クリストファー兄上、そして最愛の婚約者であるセレスティナ嬢と共に精進してまいります。」
…さて、堅苦しい挨拶はここまでにしまして、皆さまグラスをお持ち下さい…乾杯!!
やあ。
お茶会のホストのエルグランドだよ。ホストとはいってもシャンパンタワーウェーイじゃないよ?
本日のお茶会は王家がみんな仲良しだということを盛大にアッピルするためのものなので…まあ、めっちゃ気楽なんだよな
だって普段通りにしてりゃいいんだもの。母上は社交の席では癒し系マスコットだしな
アゲーラお義母様とアリネーラ様が俺の頭をなでなでしたり、お母様がティナを膝の上に乗せて溺愛したり、宰相閣下と兄上が談笑したり、お母様と兄上が俺の話で盛り上がったり。
「……そういえば、御子息の様子はどうですか?」
そして"この人達も許したぞ"アピールをするために馬鹿三匹のご両親も近くのテーブルに座ってもらってるので、再教育の様子を聞いてみた
「…我が伯爵家は家内もまだ若いので今ドレスを贈ったり任務の合間を縫ってデートしたりしておりますな」
おうふ
騎士団長マジか。スマートなオブラートに包んでるけど、要するに夜はイチャイチャってことだよな?
まさかのチャーチル切り捨て宣言。どうせ5年間しごいても廃嫡だと言わんばかりだなオイ。一回失態晒したらもう見捨てるところはさすが忠誠心の塊な騎士の鑑ですわ
「…そんなに酷いんですの?」
アリネーラ様が思わず眉を顰める
「ええ。
というより会話が成立せんのです。あの小娘の汚染が思ったより根深くてどうにもなりませんな」
「…それはなんともご愁傷様ですな。我が家は私の体調もあって流石にジフリード殿のようには行きません
まあ幸い我が息子は何故今自分が罰を受けているかぐらいは理解しているようですが…」
アビゲイル侯爵閣下のところは更生の余地ありか
「しかしスタメクノワール卿は災難でしたな」
「確かに…引き取ってすぐですものねぇ」
義弟枠(聞いたところによるとアンドレはティナより誕生日が遅い)を俺が潰したせいだな…すまん!!
「ええ、まったくです。妻がなかなか子を授からなかったのですが、私は妻を愛しているので側室を迎える気も起きず…魔力量に目が眩んで保護したらあのザマです。」
ほう、アンドレの義父様は愛妻家か。15王子ポイント差し上げますよ!!
流れ弾で夫人がお顔真っ赤ですが。
「それにしても、謝罪の一つもありませんの?あの家は」
お、ここでアビゲイル侯爵夫人から愚痴爆弾投下
「ありませんわねぇ」
「あんな事態を引き起こした張本人なのに謝らないのはおかしいわよね!!」
強い怒りを含んだ微笑でニヤリとするアリネーラ様と、両手を拳にしてプンスカ怒る母上の差が面白い絵面である
因みに母上はポワポワしてるが偽善者ではないのでそこら辺は大丈夫。
というか今日の朝聞かされた話だが、エレナ嬢の母親が学園時代可愛がってくれた先輩らしい。だからクソには母上もキレてる…キレてもポワポワなのが母上のいいところだがな
そんなこんなで当初のアッピル目的は達成され、イヴィンシブルはえんがちょになり、副産物として一部の攻撃対象が欲しいだけの馬鹿共のヘイトもアリネーラ様からイヴィンシブルにシフトできた
計 画 通 り