表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/49

婚約者の友人はやはりいい子な件



「でへへへへ」

「エル様ぁ、ダメですよぉそんなお顔したらぁ」



やあ。

エルグランドだよ

今日は朝から可愛い封筒を眺めてニヤニヤです



ティナからお友達が出来たのでこぢんまりしたお茶会を開くから来てほしいと手紙があったのだ。届けてくれたフィリーネさん曰く、一生懸命書いているお姿がとても可愛くて可愛くて仕方がなかったようである…ぐぬぅ、俺も見たかった



まあ誰なのかは事前にお義父様から聞いてるんだけどねぇ…俺に近付きたいからってティナに取り入るようなクソじゃないか先に見極めないといけないからそこらへんの調査は欠かせないのだ



まあそれで調べた上で、あの親バカ宰相閣下がゴーサインを出しているんだから本当にティナを慕っている子達なんだろうな。




そしてマリア達におめかししてもらい、アンタレス公爵家にやってきた




「エル様!いらっしゃいませ」

「本日はお招きいただきありがとうございます。今日もとても素敵だね。似合ってるよ」

「あ、ありがとうございます」



毎度ながら照れるティナ可愛い!!

…さてと



「それじゃあティナ、ご友人を紹介してくれるかな?」

「はい!

フランドール・ヴァン・エルカミーノ公爵令嬢とセレナ・ヴァン・カンビオコルサ侯爵令嬢、セシリア・ヴァン・ストラダーレ伯爵令嬢ですわ」


「楽にしてね

きちんと自己紹介するのは初めてだね。ティナの婚約者のエルグランド・フォン・オパビニアだよ」



「お会いできて光栄ですわ!」

「よろしくお願い致します」

「お噂はかねがねうかがっておりますわぁ」



フランドール嬢は金髪縦ロールに真紅の瞳のお人形さんみたいな少女だ。勝ち気で少しギラついたオーラすらあるが、ティナにはデレッデレのようだ



セレナ嬢は白髪銀眼で話し方が男前な感じだ。事前情報では俺達と同い年なのに背が高く、美女というよりイケメンと言った方がしっくりくる…将来は男装の麗人になりそうだな…彼女もティナにはデレデレしているが



セシリア嬢は茶髪をハーフアップにしたエメラルドの瞳の落ち着いた雰囲気の令嬢だ。高位貴族はみんな美しい血を取り込みまくっているので勿論彼女も美少女なのだが、他の2人ほど目立つ容姿ではない。ただ、落ち着いているせいか妙に存在感のある令嬢だな…まあ例によってティナにぞっこんのようだが



さあ楽しいお茶会の始まりだ






「しかし、やはり殿下はそこら辺の馬鹿な令息とは違いますわね!」


いきなり力を込めて呟くフランドール嬢。いやいやそんな全力でヨイショされても?!


と思ったら、セレナ嬢もセシリア嬢もウンウン頷いてる…そしてティナは顔を赤くしてもじもじしているんだが…はて?



「えーと…そんなにお褒めに預かるようなことがあったかな?」


頬を人差し指でかきながら尋ねるとフランドール嬢はさらにヒートアップ



「女を見る目のことですわ!!ティナお姉様の魅力を殿下はとてもよく理解しておられますわ!!」


「…ちょ、ちょっとフラン」



照れるティナが可愛い




そしてまたコクコク頷くセレナ嬢とセシリア嬢…その表情には、今この場には居ない"馬鹿な令息達"への侮蔑、軽蔑が見て取れる



「えーと、なんかあったの?」



そう尋ねると、彼女達は優しい笑顔になり「やはり殿下ですわぁ」と俺を褒め称えるセレナ嬢。

「殿下はティナお姉様を愛していらっしゃるから、あんな娘眼中に無いんですのよ!」と鼻息荒いフランドール嬢



「この間のお茶会のことですわ」



いまいち彼女達の言いたいことが伝わらず、首を傾げているとセシリア嬢が説明してくれた



聞けば、お茶会の中盤から終盤にかけてアリシア嬢に多くの令息がチヤホヤしており、それが多くの女性陣にとって不快だったらしい



確かにな。

ティナやアゲーラお義母様、アリネーラ様みたいな女性も認める魅力あふれる人物なら異性にもチヤホヤされても当然だし、それで腹を立てる人も少ないわけだがアリシアはオドオドしていて単に庇護欲をそそるってだけだ



自分に自信のある女性から見れば男に守ってもらうしか能が無い他力本願の尻軽に見えても仕方ない




「まあまあ、みんなまだガキなんだろうよ。女性のほうが精神年齢高いってよく言うしね」


「でも殿下は違いますわ!!」



セレナ嬢、そんな鼻息荒く全力で褒められたら照れちまうってば



「まあ俺はああいう他力本願なカマトトぶった感じの令嬢は嫌いだから。その点ティナは頑張り屋さんだし、ちゃんと俺にも意見を言ってくれるからね。


とにかく彼女とはあまり関わりたくなかったから挨拶も一言、名前言うだけにとどめてさっさと切り上げたしねぇ」


「あ、あの時…そうだったのですね」



なんとなく安心した感じのティナが…もううう!!めちゃくちゃ可愛いのだ!!…ほんのり嫉妬的な感情を持ってくれたのだろうか…どっちにしろ可愛すぎるぞ!!




「みんな同い年だったね?

学園でも全力でティナを護るつもりだけど、男の俺では立ち入れない領域は当然ある。これからもよろしくね!」


「はい!!」

「はっ!!」

「御意!!」



「もう、皆さま…学園は戦場ではありませんのに」

「お嬢様は愛されておりますねぇ…勿論わたくし共使用人一同も、何があってもお嬢様の味方にございます」

「私もぉ!セレスティナ様の味方ですよぉ!」



フィリーネさんやマリアまで参戦してきてお顔が真っ赤なティナをみんなで愛でまくり、お茶会は和やかにお開きとなった



…しかし、こっちに実害が無かっただけでアリシア自体は尻軽(ヒロイン)ムーブしてたのか…まあ物理的に位置が離れてたしなぁ




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ