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雪うさぎのおくりもの

作者: 翔という者
掲載日:2019/12/19

黒森 冬炎様企画「劇伴企画」参加作品。

冬童話2020用に書いた作品に、今度はBGMも添えて。


で、肝心のBGMですが、ざっくりと「感傷に浸れるピアノ音楽」でお願いします。

綺麗だけど、ちょっと切なくなるようなBGMなら、だいたい合うと思います。

古い音楽に詳しくない自分は、こんな大雑把なご提案しかできませんでした……。

ある冬の日。


その街では、珍しく雪が積もりました。


その街に住んでいた女の子は、初めて見る雪に大興奮です。


真っ白な公園で、元気良く飛び跳ねています。


その様子を見たお母さんは、あることを思いつきました。


まず雪を集め、それをこんもりと丸めます。


次に、ナンテンの葉っぱと実を持ってきました。


葉っぱを耳に、赤い実を目につければ、かわいい雪うさぎの完成です。


「かわいい!」と、女の子は大喜びです。


女の子は、その雪うさぎを家に連れて帰ることにしました。




庭の四角いテーブルの上が、雪うさぎの新しいおうちです。


女の子は、毎日雪うさぎのお世話をしました。


耳が取れていたら、新しい耳をつけてあげました。


身体が溶けてきたら、雪を集めて、身体を治してあげました。


日が経つにつれて、積もった雪が溶けてきました。


雪うさぎを治す雪も足りなくなってきました。


女の子は、家の氷でかき氷を作り、それを雪うさぎにあげました。




しかし、やがて冬も終わりが近づいてきました。


このままでは、雪うさぎは溶けて、死んでしまいます。




冬の終わりの日のことです。


女の子は雪うさぎを「いえのれーぞーこでかう!」とお母さんにお願いします。


しかしお母さんは困った顔をします。


「どんな生き物も、いつかはお別れしなくちゃいけないのよ」


と、お母さんは言い聞かせます。


女の子は、悲しみ、泣きました。


泣いて、泣いて、泣き続けました。


やがて泣きつかれて、眠ってしまいました。




その夜のことです。


女の子の夢の中に、あの雪うさぎがあらわれました。


「私のことを大事にしてくれてありがとう。


 私のために泣いてくれてありがとう。


 けれど、もう冬は終わりだから。私ももう行かなきゃ。


 明日の朝、私がいた場所を見てみてね。おくりものを用意したよ。


 私を大事にしてくれたその気持ち、いつまでもいつまでも大切にしてね。

 

 それじゃあ、今までありがとう。本当に楽しかったよ」


と、雪うさぎは言いました。


「まって! いかないで!」と女の子は叫びました。


雪うさぎは、消えてしまいました。




そして、春の最初の朝が来ました。


女の子はベッドから飛び起きて、庭のテーブルの上を見ます。


そこには、綺麗な石がありました。


透明で、真っ白な、小さいけど、綺麗な石です。


「これは、あのこだ。あのゆきうさぎさんだ」と女の子は思いました。


女の子は、その石を持って帰りました。


女の子は、その遺志を、いつまでもいつまでも大切にしました。

ご読了、ありがとうございました。

雪うさぎかわいいですよね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 雪うさぎ可愛いですね。 関係ないですが、雪見だいふく食べたくなりました。てへ。
2023/04/27 20:46 退会済み
管理
[良い点] すごく素敵で可愛らしいお話でした。 雪うさぎが作りたくなりました。(早く冬になれ〜) 女の子もお母さんも雪うさぎも、みんな優しいですね。 とても心が温かくなりました。 読ませていただきあり…
2021/07/12 17:33 退会済み
管理
[良い点] 「劇伴企画」から参りました。 大事にしてくれた気持ちを大切にしてほしいと、雪うさぎが残してくれたのは、ただの綺麗な石ではなかったのですね。雪うさぎの心の入った遺志なのですね。 「ちょっと切…
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