夏の元気なご挨拶?
残暑厳しいある日の話である。
「うっぷ……」
よれよれよたよたしつつも彼はようやく近くの木にしがみついた。
その様子を見て呆れた様に彼に声を掛ける者がいた。
「飲み過ぎだよ。自業自得さね」
「るせー、アンタみたいにちびちびやるのは性に合わないんですよ」
「放っておいてくれ。残り少ない余生の中ではこれが唯一の楽しみなんだから」
「そりゃあ、アンタが『蟬』だからね」
セミ「黙れカトンボ」
蚊「いやワタクシ『蚊』ですからね?カトンボと一緒にしないでくれますか?っていうかそれ八つ当たりですよね」
セミ『外に出てから一ヶ月騒ぐだけ騒いでおしまいとか、燃え尽きる寸前のロウソクかよ!!』
蚊「いや、アンタ地中の生活含めたら実は昆虫屈指の長生きでしょ?」
セミ「あ、ばれた?(てへぺろ)」
蚊「私らみたいに血撒き散らしてぶっ潰されたいのかアンタ……」
セミ「スプラッタは止めてくれ。というか、そもそも吸い過ぎて飛べなくなるってどうなの?」
蚊「差したらトコトン吸う!それが蚊の生き様よ!」
セミ「蚊だけに『蚊食症』かよ」
蚊「上手い!山◯く~ん、こいつの羽根全部むしってやって!」
セミ「それ誉めてないよね!?」
そしてその近くの草むらでは。
キリギリス「あいつ等うるせーな……」
コオロギ「蟬に蚊だしね。今騒がなかったら当分出番が無いし、暫く好きにさせておけば?」
キ「まあそうだな。もう少ししたらウチ等の番か」
コ「もう少ししたら━━」
キ「秋だねぇ……」
しみじみと呟く二匹の頭上では、ミンミンブンブンと過ぎ行く夏を惜しむかのように騒ぎ立てる音が響いていた。
ウソです。前から考えていたネタなので季節ガン無視です。すいませんm(_ _)m