反射
人生とは何だろうか
生まれたから取り敢えず生きている
自分のため 家族にため 誰かのため
みんなそれぞれ違う人生の意味を持っている
では本当の人生の意味とは何なのだろうか
今日もいつもと変わらないいつもの日常。
――退屈だ――
赤い空に白い息を吐きながら孤独を感じる。
親は子供の頃亡くなり、祖父母に育てられてきた。
その祖父母も大学に入り、一人暮らしを始めと同時に交通事故で死んだ。
それから毎日同じような日々を繰り返し生きてきた。
といってもまだ19だが。
同じ時間をループしているような感覚だ。
今日は暇だったので近くの森を散歩している途中だ。
森は生きている心地がして良い。
ここの森は有名な心霊スポットらしく、
誰も寄りつかない。
森は僕一人だろう。
―しばらく歩いていると山道の脇にマンホール
くらいの幅の穴を見つけた。
何だろうか。
中を除くとそれの中は
とても深く闇が続いていた。
入れば間違いなく戻っては来れないだろう。
もしここで飛び降りて僕が死んだら悲しんで
くれる人はいるのだろうか。
そもそも死んだことに
気づいてもらえるだろうか。
「ここで死のうかな」
いままで一度も良い思い出などない、自分の人生はいままですべてが悲しみしかなかった。今、世界にいる理由なんてない。
死んで新しい人生に生まれ変わろう。
たとえ生まれ変われなくてもいい、
今この人生から逃げることができるなら何でも良い。
僕は力強くその穴に飛び込んだ。
その穴は深く深く続き暗闇しかない。
―そして彼は自分の人生に終止符を打った―
筈だった。
かなり短い文で連載していこうと思っているので
よろしくお願いします。