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アニメ

ハイスコアガール

作者: とびうお君

 結局面白さって個人的なものなのかもしれない。何を当たり前なと言うが、そういう部分の共通性のようなものを見出して楽しめる話しに私は死照るつもりだがこれは無理だ。もちろん全くの個人的なものなら意味が無いのだが、多分これは世代になる。おじさん世代でかつ当時格ゲーをやった事がある人が一番面白いとなる。


 でもこの作品メインはラブコメと言うかラブストーリーで良いと思う。その部分の繊細さの方が実際は強い面白さになってる。ただそのベースに絶対に格ゲーが外せないという妙な作品。強さとしてはラブストーリーが圧倒的だが、キャラを成り立たせるものとしてゲームに関して面白いと感じないと意味が無い。


 もう1つ個人的だと思うのは、今の先端のキャラ萌えなどじゃない。かなり個性的なキャラの可愛さを扱ったものだと思う。よりおおくの人が共有できるものから理系的な知的な言及は始まるが、これはそういうタイプじゃない。文系的な知性を扱ったものになる。感想って当たり前じゃないか?なら私は違う。


 自分の中でその差が顕著だと感じる作品。かなり狭いターゲットの中でお互いにそれそれと言う感じで楽しめれば良い感じの作品。ツボはなんだろうか?だと大野と言うヒロインとそのライバル的ポジの日高と言うWヒロインになる。だが私その二人が絡むところまで見てない。今後そうなる展開が待ってるがその前に書きたい。


 3人の絡みよりも、まず一人一人のヒロインの魅力とその2人が絡む主人公とのやり取りが良い。そういう点でかなり主人公が重要な作品。当たり前と言えば当たり前、そこがこの作品のゲームと言う題材が土台となってる部分だから。大野は分かりやすい同じゲームをして主人公のライバル的な強さを持つキャラ。


 だが日高のかかわり方はゲームが弱い。だが根本にゲームを楽しそうにしてる主人公に引き寄せられるって部分がある。無趣味なためそれだけ熱中できる主人公が眩しく感じてる部分がある。その点なんでも良かったんじゃない?となるとそうなる。そこが弱いって部分。たまたま主人公が熱くなれるものがゲームだったというだけになる。


 その証拠に主人公ゲーム以外は無気力な部分がある。所謂オチこぼれでゲームしかとりえが無い。そのとりえのゲームで大野にコテンパンに負けたことが複雑な感情が絡んで好意が生まれてる部分がある。嫉妬はあるが、ゲーマーとして半端じゃないテクニシャンである所と拘りの精神的な部分で尊敬する部分があるからになる。


 細かい部分はそれになるが、結局二人のヒロインが魅力的だからこの作品がすごく良いとなる。基本はそこになる。


 ただこの作品そういった単純なキャラ単位だけじゃない。そこは素直に傑作だと思う。多分ノスタルジープラス、失ってしまった時代へのどうしようもない苦しさだと思う。懐かしさとそれが2度と手に入らない悲しみが面白さになってる。これはカタルシス的な面白さだと思う。自分にとっての悲劇になるから。


 どうしようもない懐かしさが自分はその世代じゃないので苦しさになってる。キラキラした3人の関係とゲームとの関わりすべてが自分とは関係ない過去の出来事なんだというのがすごく苦しい。せつなさと言われれば多分そうなんだろう。ただそれは一般的なものじゃない。この時代のゲームをリアルタイムでやった事がある経験者の刺激になる。


 結局どこかで絶対に超えられない壁で作品は創るべきなんじゃないか?と思う部分がある。ターゲットとなる人間以外には面白くも何とも無い素材によって出来てる。それが傑作に近い気持ちを生じさせるのだから。


 ただ言えることは、同じ素材を使った場合なら、多分これほど優れた作品にはならない。単純なマニアックななつゲーの思い出あるあるじゃない。それを使ってラブストーリーを展開させてノスタルジーによるせつなさを作り上げている点に傑作たるゆえんがある。それは多分スタンドバイミーと同じ手法だと思う。


 本人達にとっては重要な探検が他人からはくそどうでも良い。それが大事なんだ。特別な時間と空間を共有する人間関係。そういった構図自体はこの作品は多くの傑作が持つ構造と似た部分がある。ゲームを使ってラブストーリーを展開するって点でものすごくレベルが高い。どちらのレベルも高い。


 そんなにマニアックに唸らせるとかじゃない。なんというかな、ゲームをただ使うんじゃなくて、それをラブストーリーとして昇華する部分で、単純にごった煮にしただけじゃない上手さがある。それでいて、別にゲームじゃなくても素材はなんでもいいだろ?の部分が無い。ゲームだからこその面白さになってる。


 これが両者のレベルが高い理由になる。


 再度書くが、何故この作品が強い刺激なのか?は私ははっきりマイナスの感情のせいだと思ってる。感動が無い悲劇だけのカタルシスの論理になる。基本的にただ辛いだけの感情になる。私はネットで良く使われるカタルシスと言う言葉が好きじゃない。オチとして心理学的な浄化作用が無いと駄目って考えが好きになれない。


 そうじゃない作り物の悲劇に悲しい感情を強く突き動かされる。それだけで良いんだ。本来そういった物語を昨今否定的に扱ってる私だが、それはそれを創るのはハイリスクハイリターンだという点で否定的なだけで、出来てしまった作品には素直に褒める。それでも、この作品に激情を動かさせる人は多分一部のおじさん世代だけだとは思っている。


 最近強く感じるが、近代のそういったマイナス感情も面白さになる近代の典型的な小説の面白さを簡単に楽しめるものはすべて私のおじさんとしての感情を刺激するものばかりになりつつある。以前宇宙よりも遠い場所と恋は雨上がりの後で、この両者で後者に私は強い感情を突き動かされると書いた。


 よりもいは傑作だと評価する他人の気持ちは分かるが、おじさんとしての自分は自分に全く刺さらない若い世代の話しなんてクソどうでも良い他人事だからになる。


 共有でき無いと言うのは当たり前の事だけど、分かってることだが、この作品への強い感情は正直こういったもやもやした気持ちを抱えて書いてる。このもやもやした感情を共感したから書いてる気持ちもある。

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